- はじめに
- わかる!楽しい!毎日の授業で本当に役立つネタ
- 1 ネタをより生かすために
- 2 心理的安全性が高い数学教室を
- わかる!楽しい!中学3年の数学授業のネタ110
- 式の展開と因数分解
- 式の展開と因数分解
- 課題 1 数学マジックのタネを考えよう
- 教具 2 単項式でわることを図で考えよう
- 課題 3 長方形の面積でいうと?
- 課題 4 図を基に展開の公式を導こう
- 教具 5 展開の公式を図で確かめよう
- 課題 6 まずは共通因数を見つけよう
- 説明 7 学級の中の共通因数を探そう
- 課題 8 和が○,積が△の2つの整数を素早く見つけよう
- 課題 9 ○,□,△にあてはまる整数は?
- 課題 10 ひらめき力を高めよう
- 教具 11 つくった問題を共有し,解き合おう
- 式の計算の利用
- 説明 12 式を簡単にしないで代入してみよう
- 課題 13 乗法の公式を活用して式の値を求めよう
- 探究 14 インド式計算の謎を追究しよう
- 探究 15 面積を最大にするには?
- 探究 16 自然数の逆数の秘密を探ろう
- 探究 17 どんな形でもS=aℓになるの?
- 課題 18 素数の約数の和の問題
- 平方根
- 平方根
- 説明 19 平方根って何?
- 説明 20 平方根の定義について考えよう
- 説明 21 新しい数に出合ったら最初に何を考える?
- 課題 22 数直線上の数は何?
- 課題 23 問題を変えると解答はどうなるか?
- 課題 24 平方根を数直線上に並べよう
- 教具 25 √2の値を表計算ソフトで求めよう
- 教具 26 循環小数を見つけよう
- 説明 27 本当に負の数の平方根は存在しない?
- 根号をふくむ式の計算
- 教具 28 フラッシュカードで比較しよう
- 説明 29 √の中を簡単な数にしよう
- 探究 30 2√2=√□の□にあてはまる自然数を考えよう
- 探究 31 どの式の値が一番大きいか予想しよう
- 課題 32 √a+√b=√a+bは成り立つ?
- 探究 33 係数が平方根の連立方程式は解ける?
- 二次方程式
- 二次方程式
- 説明 34 解の表し方とその意味に注意しよう
- 探究 35 図を用いて二次方程式を解こう
- 説明 36 解の公式づくりを自分で選択しよう
- 説明 37 解の公式を協力して覚えよう
- 課題 38 二次方程式の解はいつも2つなの?
- 探究 39 それぞれの解き方のよさを知り,使い分けよう
- 二次方程式の利用
- 課題 40 多角形の対角線の本数の法則に迫ろう
- 探究 41 対角線の本数から何角形か考えよう
- 説明 42 動点のイメージをつかもう
- 教具 43 点が動いてできる図形の様子を捉えよう
- 教具 44 その解は問題に合っている?
- 探究 45 ディオファントスの考え方を読み解こう
- 課題 46 二次方程式を利用して線分の長さを求めよう
- 課題 47 様々な解き方でカレンダーの問題を楽しもう
- 関数y=ax^2
- 関数とグラフ
- 説明 48 伴って変わる数量を見つけよう
- 説明 49 既習の関数と比較しよう
- 教具 50 ジェットコースターからx^2をイメージしよう
- 課題 51 玉の位置を予想しよう
- 教具 52 比例定数を変えるとグラフはどう変わる?
- 課題 53 グラフを瞬時にかこう
- 課題 54 グラフのどこがおかしい?
- 関数y=ax^2の値の変化
- 説明 55 変域の関係に注目しよう
- 探究 56 変化の割合の法則に迫ろう
- 探究 57 なぜ「二次関数」と呼ばないの?
- いろいろな事象と関数
- 説明 58 「関数」の定義を振り返ろう
- 説明 59 身の回りの放物線に目を向けてみよう
- 課題 60 円錐曲線と呼ばれる理由は?
- 探究 61 これまでに学んだ関数をレポートにまとめよう
- 図形と相似
- 図形と相似
- 説明 62 ゆがまないように写真の大きさを変えるには?
- 課題 63 相似条件と合同条件を対比しよう
- 説明 64 相似比が1:1はあり?
- 平行線と線分の比
- 説明 65 OA′=3OAのイメージをつかもう
- 教具 66 図形を連続的に動かそう
- 説明 67 平行線と線分の比が成り立つ場合は?
- 教具 68 どうやって作図しているの?
- 課題 69 補助線を引いた理由を考えよう
- 教具 70 中点を結んでできる四角形の形は?
- 相似な図形の計量
- 探究 71 三角形の重心はどこ?
- 課題 72 面積が大きいのはどっち?
- 課題 73 パスタメジャーの直径は何p?
- 相似の利用
- 探究 74 校舎の高さを求めよう
- 課題 75 どちらのピザがお得?
- 円の性質
- 円周角と中心角
- 説明 76 円周角の定理をしっかり理解しよう
- 教具 77 作図ツールで円周角の定理を確かめよう
- 教具 78 作図ツールで問題の解答を確かめよう
- 課題 79 円周上にできた四角形を調べよう
- 説明 80 「円周角の定理の逆」のよさを理解しよう
- 課題 81 シュートが入りやすい位置は?
- 探究 82 円に内接する四角形の性質を探究しよう
- 探究 83 接線と弦のつくる角の性質を探究しよう
- 円の性質の利用
- 説明 84 円の接線の作図は定規ですぐにできる?
- 探究 85 なぜそこに補助線を引いたの?
- 課題 86 星形の角の和を作図ツールで求めよう
- 三平方の定理
- 直角三角形の3辺の関係
- 教具 87 三平方の定理はどんなときに成り立つ?
- 説明 88 三角定規の辺の比をマスターしよう
- 説明 89 直角三角形の3辺の比をマスターしよう
- 教具 90 たくさんの証明方法に触れよう
- 説明 91 「三平方の定理」の逆を考える意義って?
- 探究 92 ピタゴラス数を見つけよう
- 課題 93 他の場合もないか考えてみよう
- 三平方の定理の利用
- 説明 94 三角形の面積の求め方をマスターしよう
- 課題 95 距離を長い順に並べよう
- 説明 96 なぜ展開図を利用したの?
- 探究 97 平方根の長さの作図の仕組みを考えよう
- 課題 98 A4用紙の秘密を探ろう@
- 課題 99 A4用紙の秘密を探ろうA
- 探究 100 一番内側の正方形の1辺の長さは?
- 課題 101 三平方の定理を活用するよさを実感しよう
- 標本調査とデータの活用
- 標本調査
- 説明 102 無作為抽出は料理の味見?
- 説明 103 テレビの視聴率はどう調べているの?
- 課題 104 無作為抽出の難しさを知ろう
- 課題 105 先生は生徒をどのように指名している?
- 探究 106 落下したネコの生存率は?
- 課題 107 標本の大きさをいくつにする?
- 課題 108 標本の大きさと平均値を箱ひげ図で考えよう
- 課題 109 標本調査を利用して推定しよう
- 探究 110 作為的なアンケートをつくろう
はじめに
ありがたいことに,全国各地で数学授業づくりに関する講演をさせていただいています。
そのときに結構な頻度であるのが,2014年3月に発刊した『わかる!楽しい!中学校数学授業のネタ100』の書籍を持参され,「サインしてください」と言われることです。著者としてこんなにうれしいことはありません。
「玉置先生,この本は私の数学授業バイブルです。職員室と自宅の机上に各学年1冊ずつ置いてあります」
「この本の傷み具合を見ると,何度も本を開いていることがわかっていただけますよね。数学授業づくりにこんなに役立つ本は他にありません」
などと言ってくださる方もいて,心の中が喜びでいっぱいになることがあります。
それと同時に,発刊してから10年以上経ったことから,新たなネタをそろえて新版を出す機会があるといいなと思っていました。そうした中,明治図書出版の矢口郁雄さんから「新版を出しませんか」と声をかけていただきました。上記のように読者からうれしい声をいただけるのも,矢口さんが前作を親しみやすく活用しやすい書籍に仕上げてくださったからです。その矢口さんからの新版発刊の相談には,二つ返事で了解しました。
今回は110本の数学授業ネタを提案しました。110本のうち95本はまったくの新ネタです(残りの15本は,前作に収録したネタに改良を加えたものです)。つまり,前作をお持ちの方は,数学ネタを200本近く手に入れることになります。どうぞ存分にご活用ください。
本書では,各単元とも「説明ネタ」「課題ネタ」「教具ネタ」「探究ネタ」で構成しました。前作の「習得ネタ」は「説明ネタ」の中に包括し,新たに「探究ネタ」のカテゴリーをつくりました。「探究ネタ」を提案したのは,様々な理由があります。その理由の1つは,数学は現実問題を解決するために役立つ学問であり,探究ネタによって生徒に数学が現実世界と密接に関連していることを実感させたいという思いがあったからです。「教具ネタ」は,1人1台の情報端末が活用できる状況であることを前提としています。前作から学習環境がかなり変化していることを改めて実感します。
また,単なるネタ(問題や説明)の紹介にとどまらず,そのネタを使って授業をする際の教師の心得,生徒の反応例とその生かし方,数学的な見方・考え方とのつながりなども記載しています。1つのネタは前作同様に1ページにまとめ,日常授業で使いやすいようにしました。
さらに,110本のネタを執筆するにあたって,執筆者(玉置崇・芝田俊彦・山本龍一・松井大樹)で,数学授業勉強会を開きました。この原稿で,若い先生方にネタの価値,そのネタを生かす授業イメージなどが伝わるかどうかをしっかり検討しました。ベテランの先生方には,生徒とともにつくる数学授業の楽しさやおもしろさがより伝わるように,模擬授業などもしながらネタを練り上げました。
こうして自信をもって世に出せる本になったと自負しています。拙著を活用して,全国各地で生徒とともにつくる知的で楽しく充実した数学授業が実践されることを執筆者一同祈念しています。
2025年1月 /玉置 崇
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- 明治図書