- 刊行に寄せて
- はじめに
- Chapter1 理論編 話すこと・聞くことの技能を高める国語の授業づくり
- 1 話すこと・聞くことの技能を楽しく学ぶ場をつくる
- 2 聞くことの技能が身につく活動
- 3 話すこと―独話活動(スピーチ)の技能が身につく活動
- 4 話すこと―発表(プレゼンテーション)の技能が身につく活動
- 5 話し合うことの技能が身につく活動
- 6 話すこと・聞くことの質を高める論理的思考力
- 7 「活動アイデア44」の特徴と活用法
- 8 「単元展開例」の特徴と活用法
- Chapter2 指導編 話すこと・聞くことの技能が身につく活動アイデア44
- 全学年
- 基本・スキル型
- 1 ほめほめインタビュー(インタビュー)
- 2 好きな○○,理由は3つ!!(スピーチ)
- 3 ぴったりスピーチ(スピーチ)
- 4 今日のできごと,3行ニュースの時間です(スピーチ)
- 5 一言紹介リレー(説明)
- 応用・活用型
- 6 うまく伝わるかな?(説明)
- 7 トーキングタイム(話し合い)
- 8 ポスターセッションに挑戦!(プレゼンテーション)
- 9 すごろくトーク(メタ認知)
- 低学年
- 基本・スキル型
- 10 ききかためい人「あいうえお」(聞き取り)
- 11 えほんdeトーク(聞き取り)
- 12 ○○さんのしらせたいことはなんだろう?(聞き取り)
- 13 あいづちインタビュー(インタビュー)
- 14 どんなふうに話しているのかな?(スピーチ・メタ認知)
- 15 はなしかためい人「かきくけこ」(聞き取り)
- 16 ちょっとおたずねいいですか?(話し合い)
- 応用・活用型
- 17 なりきりスピーチ(スピーチ)
- 18 じぶんのえらんだ本の読み聞かせとお話クイズをしよう(聞き取り)
- 19 おなじかな?ちがうかな?(メタ認知)
- 20 どうしてそのじゅんばん?(メタ認知)
- 中学年
- 基本・スキル型
- 21 聞き取りメモのコツを学ぼう(聞き取り)
- 22 ぐいぐいインタビュー(インタビュー)
- 23 「はなお」でスピーチ(スピーチ)
- 24 もしも○○だったら!?スピーチ(スピーチ)
- 25 話し方って大事だね(スピーチ・メタ認知)
- 26 話し合いにチャレンジ(討論)
- 27 めざせ!名司会者―話し合いの仕方を学ぼう―(話し合い・メタ認知)
- 28 その理由でだいじょうぶ?(メタ認知)
- 応用・活用型
- 29 今日の話題はいくつ?(聞き取り)
- 30 ようこそ!○○の部屋へ(インタビュー)
- 31 ブックトーク(プレゼンテーション)
- 32 分け分けしてから比べよう!(メタ認知)
- 高学年
- 基本・スキル型
- 33 今日の話のポイントは?(聞き取り)
- 34 きりかえしインタビュー(インタビュー)
- 35 「はなおめ」スピーチ(スピーチ)
- 36 ○○といえば…スピーチ(スピーチ)
- 37 宣言します「私・ぼく,この技使ってスピーチします」(スピーチ・メタ認知)
- 38 3人寄れば文殊の知恵(話し合い)
- 応用・活用型
- 39 シチュエーショントーク(説明)
- 40 トークバトル!(説明)
- 41 パネルディスカッションに挑戦!(討論)
- 42 学級討論会をしよう(討論)
- 43 ビブリオバトル―書評に挑戦―(プレゼンテーション)
- 44 みんなの意見を整理しよう!(話し合い・メタ認知)
- Chapter3 実践編 話すこと・聞くことの技能が身につく活動を位置付けた単元展開例
- 1年
- 1 ともだちにきいたことを,みんなにしょうかいしよう
- 教材:「ともだちに,きいてみよう」(光村図書)
- 3年
- 2 つたえよう!ぼく・わたしのチーム3年3組
- 教材:「つたえよう,楽しい学校生活」(光村図書)
- 5年
- 3 引き出そう!友だちのみ力
- 教材:「きいて,きいて,きいてみよう」(光村図書)
刊行に寄せて
モバイル通信機器の発達,普及によって,コミュニケーションのあり方はずいぶんと変わりました。情報の交流は携帯,スマートフォンがなかった時代よりも日常的にそして頻繁に行われています。しかし,そこで行われているコミュニケーションの主流は,「話しことば的書きことば」です。対面すること,声を聞くことなど,相手の人となりに直に触れる機会は大きく減りました。世はSNSの時代です。
SNSは大変有用なコミュニケーション・ツールです。これからもどんどん便利で多様な使われ方が開発され,普及していくことでしょう。ただそれは,向かい合って直接的に相手とことばを交わす(話す・聞く)機会がますます減少し,そのための技能が低下していくことにも通じます。人とうまく触れ合うことができず,良好な人間関係を築くことが難しい人が増えることにもなると考えられます。
他方,複数のメンバーで協働して新たなアイデアを発想したり,問題を解決したり,仕事をしたりすることがますます求められるようになってきました。意見を出し合う,提案(プレゼンテーション)する,議論することなどの必要性,重要性は増しています。しかも効率的,効果的で,生産的,創造的な話すこと・聞くことが要求されます。確かで,豊かな話すこと・聞くことのコミュニケーションが,いっそう必要な時代になってきたと言えます。
話すこと・聞くことのコミュニケーションにおいては,ちょっとしたことばのニュアンスや言い方,聞き方,表情や身振りの違いで人間関係がよくも悪くもなります。期待以上の成果が得られたり,逆にうまく運ぶはずの仕事が滞ってしまったりもします。SNSの時代,協働作業の時代だからこそ,未来に生きる子どもたちには,人と人とがうまくコミュニケーションを図ることができる話すこと・聞くことの技術(スキル)を身につけさせてやらねばなりません。
本書は,そうした願いをもとに編んだものです。実践のアイデアを提供,執筆いただいた兵庫県明石市立朝霧小学校は,他者の意見を受けとめ,自分の考えをきちんと話して伝えられる力を子どもたちにつけてやりたいと願って,懸命に,そして楽しく実践研究に取り組まれている学校です。子どもも教師も取り組みやすい話すこと・聞くことの授業になるようにと,お忙しいなかご尽力いただきました。杉田和代校長先生と諸先生方には,改めてお礼申し上げます。
2019年4月 兵庫教育大学大学院教授 /吉川 芳則
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- 明治図書
- 様々な母国語力が混在する補習校において、どのような授業展開ができるか、新しい着眼点を得ることができました。2022/9/28NA
- 特に話す、聞くことに特化していて参考になった。2020/5/1630代・小学校教員