- はじめに
- 本書の使い方
- 序章 学級アイスブレイクでクラスを最高のALの雰囲気にする!
- 1 アクティブ・ラーニングとは?
- 2 単なる交流型・活動型の学習に非ず
- 3 社会人に必要な力
- 4 チームの発達と雰囲気
- 5 アクティブ・ラーニングを成功させる戦略
- 第1章 「安心の雰囲気」をつくるペア&グループの学級アイスブレイク
- 1 おもしろ号令(全学年)
- 2 じゃんけんシット(全学年)
- 3 拍手リレー(全学年)
- 4 となりのあの子は応援団(全学年)
- 5 反対でやってみました(全学年)
- 6 ヌマアスゲーム(1〜3年生)
- 7 みんなで集めろ!コインゲーム!(3年生以上)
- 8 魔法のじゅうたん(4年生以上)
- 9 3と5パッチンゲーム(4年生以上)
- 10 ドット&ボックスゲーム(4年生以上)
- 第2章 「かかわろうとする雰囲気」をつくるペア&グループの学級アイスブレイク
- 11 「あ」の百面相(全学年)
- 12 だれのタッチ(全学年)
- 13 答えはこの中に!!(全学年)
- 14 一番長い言葉を探せ!(4年生以上)
- 15 四つの部屋トーク(4年生以上)
- 16 チェンジTHE ワード(4年生以上)
- 17 何でもかんでも共通点探し(4年生以上)
- 18 コラボアート(4年生以上)
- 19 コラボストーリー(4年生以上)
- 20 神様!ヘルプ!!(4年生以上)
- 第3章 「ルールやマナーを守る雰囲気」を高めるペア&グループの学級アイスブレイク
- 21 覚えて!間違い探し!(1〜3年生)
- 22 名探偵!キーワードを探せ!(1〜3年生)
- 23 ジグザグしりとり(1〜3年生)
- 24 力を合わせて漢字パズル(3年生以上)
- 25 テレパシー○○(4年生以上)
- 26 なりきり記者!!インタビュー形式でふり返り(4年生以上)
- 27 伝言ゲーム式!3ヒントクイズ(4年生以上)
- 28 お話かくれんぼ(4年生以上)
- 29 つないで つないで ショートストーリー(4年生以上)
- 30 クイックQ&A(5年生以上)
- 第4章 「あたたかな結びつきの雰囲気」を高めるペア&グループの学級アイスブレイク
- 31 お別れスキップオニ(全学年)
- 32 リズムde ○○(全学年)
- 33 ピタリでハイタッチ(1〜3年生)
- 34 計算ポイントじゃんけん(4年生以上)
- 35 つないでお話リレー(4年生以上)
- 36 わたしは○○でしょう(4年生以上)
- 37 ペアde 作図ラリー(4年生以上)
- 38 おしゃべりナイスバディ(4年生以上)
- 39 何人ビンゴ〜!(4年生以上)
- 40 消しゴムゲットだぜ!(4年生以上)
- 第5章 「自分たちで問題を解決する雰囲気」をつくるペア&グループの学級アイスブレイク
- 41 よい出しサークル!(全学年)
- 42 全員が鬼サバイバル!(全学年)
- 43 あー階段チャレンジ(全学年)
- 44 質問!都道府県当てゲーム(3年生以上)
- 45 自分たちだけでできる!?学習定着チェック!!(4年生以上)
- 46 グループ対抗!理科クイズ(4年生以上)
- 47 漢字de スタート(4年生以上)
- 48 間違いはど〜こだ(4年生以上)
- 49 ミッション音読(4年生以上)
- 50 マッチングゲーム(4年生以上)
- おわりに
- 執筆者一覧
はじめに
新学習指導要領の改訂に向けた動きの中で,様々なキーワードが注目を浴びましたが,その最たるものがアクティブ・ラーニングでしょう。アクティブ・ラーニングは単なる交流型,活動型の学習ではありません。しかし,目的を達成するために,子ども同士の交流や活動が行われます。そのときに重要になってくるのが「雰囲気づくり」です。
みなさんも研修会や会議などに参加して,いきなり「では,ご意見ありませんか」と言われたらどうでしょう。恐らく,発言する人は,限られた人となることでしょう。また,「では,近くの方と意見を交換してみましょう」と言われたらどうでしょう。ある程度社会的に,また,職業的に訓練されたみなさんなら,それなりにその時間を過ごすことができるでしょうが,中には,「え?いきなりですか…」とか「ちょっと,私はそういうの苦手なんですけど…」と戸惑う方がいても不思議はありません。
実際に,教師の集まる研修会でも,交流型や活動型が苦手だという人はけっこういます。子どもたちは尚更です。子どもたちがみんな,かかわることや活動することが好きだとは限りません。中には,苦手意識をもっていたり興味のなかったりする子がいるのは当然のことです。しかし,アクティブ・ラーニングの視点でつくる授業では,全ての子どもたちが交流や活動を通して学ぶように設計していくことになります。
そんなときに,アイスブレイクとなるような「準備運動」的な活動が入ると随分,気持ちが楽になります。アイスブレイクとは,文字通り,「氷を砕く」ように人と人との出会いにおける硬さや緊張感のある雰囲気をほぐすことです。雰囲気は,私たちの行動に大きな影響力をもっています。知らず知らずに場に応じた行動をするものです。話しやすい雰囲気やかかわりやすい雰囲気ができると,授業にすんなり入っていけるものです。
本書には,交流や活動に積極的な子もそうでない子も自然に取り組めるような雰囲気をつくるアクティビティが50例紹介されています。交流型や活動型の学習に入るときに,これらを実施することで5分程度の短時間で,学習の場を柔らかな前向きな雰囲気にします。しかも,クラスの成長段階に合わせて,目的別に実施できるようになっています。示した5つの雰囲気は,それが上の段階になればなるほど,子どもたちの主体性がより引き出されるようになっています。つまり,学習としての能動性が高まるわけです。
本書を活用するときは,まず,最初の理論編からお読みください。アクティブ・ラーニングの目指すところや,それぞれのアクティビティの効果を引き出すための基本的な考え方が示してあります。考え方が道具の力を最大限に引き出します。本書がみなさんの授業の活性化に役立つことを確信しております。
2017年2月 /赤坂 真二
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