- まえがき
- 第1章 苦手さのある子とつくる通常の学級の授業づくり
- 第2章 授業で行う!合理的配慮のミニアイデア
- 全般
- 授業中の勝手な離室が目立つ子 離席カードとOKメダル
- 約束が守れず,集団での不適応行動が目立つ子 気持ちをチェンジする落ち着きカード
- 活動の見通しがもてずに,集団行動ができない子 やることがわかる手順表
- 気持ちのコントロールが苦手で,すぐにイライラする子 がんばりが目に見えるがんばり表
- 声の大きさの調整が難しい子 自分の声を意識する声の大きさレベル表
- 机のまわりの整理整頓が苦手な子 見てわかる片付け法
- 視覚過敏のある子 カラーフィルターの使用
- 発表が苦手な子 発表の仕方を書いたお助けカード
- 手先が不器用で,箸が上手く使えない子 やる気をアップさせる金シール
- 国語
- 国語に苦手意識のある子@ 動いて読み取る動作化作戦
- 国語に苦手意識のある子A 内容理解がスムーズになる映像・実物資料
- 文章の読み取りや内容理解が難しい子@ 選んで解けるワークシート
- 文章の読み取りや内容理解が難しい子A 視覚化模型
- どの部分を読めばよいか分からない子 範囲の決まったヒントプリント&ワークシート
- 読んだ内容を振り返れない子 ダウトゲームに挑戦
- 自分の考えに自信がなく不安な子 友達と一緒に考えよう
- 学習に目的がもてない子 わくわくゴールの設定
- 音読が難しい子 読み上げ,ルビ付きのシート,全員で音読
- 漢字が苦手で作文が長く書けない子 表現を褒める作文の鑑賞会
- 毛筆書写が苦手な子 先生の硯とかご字なぞり
- 言葉の概念形成が苦手な子 先生と一緒に似ているところ探し
- 社会
- 調べ学習に取り組むのが難しい子@ 穴あき板書プリント
- 調べ学習に取り組むのが難しい子A 心が楽になるらくだカード
- 授業への切り替えが難しい子 地名探し
- 時代の順序を覚えにくい子 ♪「もしもしかめよ」の替え歌大合唱
- 新聞づくりが難しい子 好きな写真や資料ベスト5
- 課題を解決する段取りや見通しが立てにくい子 担任開設の「相談コーナー」
- 算数
- 絵から正しい情報を得ることが難しい子 ヒント付きプリント
- 数をまとまりで処理することができない子 フラッシュカード
- 数の合成・分解ができない子 10だんごの歌
- 繰り上がり・繰り下がりの計算が苦手な子 段階的なさくらんぼ計算
- 計算の手順を覚えるのが難しい子 ひき算のじゅもんブック
- かけ算九九をなかなか覚えられない子@ かけ算九九カード
- かけ算九九をなかなか覚えられない子A 指で計算九九
- 吃音があり九九を速く唱えられない子 言葉の教室での作戦会議
- 時刻と時間がスムーズに読めない子 すぐに読めるようになる読み方のパターン化
- 割り算のひっ算が難しい子 位ごとの色別数字カード
- 大きな数を読み書きするのが苦手な子 ノートのマス目に合わせた位取りカード
- 数をイメージすることが難しい子 分数板の活用
- 図形の分類の整理が苦手な子 感覚的仲間分け
- 3つの角度が覚えられない子 直角 垂直 平行ジャンケン
- ものさしの目盛りを読むのが難しい子 工作用紙付きものさし
- 公式を覚えるのが苦手な子 算数SOSカード
- 算数に苦手意識のある子 やる気がアップするチャレンジプリント
- 文章題を読み取ることが苦手な子 文章題の部分提示
- 算数授業の板書に時間がかかる子 小さいワークシート
- 自信がもてず引っ込み思案な子 答え合わせは拍手でGO
- 理科
- 実験中に衝動を抑えられない子 みんなもわかる約束ボード
- 観察カードの絵がうまく描けない子 ちょこっとヒント資料
- 生活
- カルタ遊びに参加するのが難しい子 役割の工夫
- 友達と手をつなぐ感覚に苦手さがある子 メダルプレゼント作戦
- 音楽
- リズム打ちのタイミングが合わない子 スモールステップの成功体験
- リコーダーの運指が苦手な子 簡単な運指だけでできる楽譜
- 鍵盤ハーモニカの音がつらい子 一時避難&イヤーマフ
- 図工
- カッターナイフの使用に不安を示す子 安全使用の免許証
- 手先が不器用な子 便利な文房具
- グループ学習で逸脱してしまう子 コの字型配置とお弟子さん席
- 自分を絵に描けない子 粘土でお絵描き
- 家庭
- ミシンでの製作手順を聞くだけでは不安な子 画像入り製作手順カード
- 調理実習が苦手な子 使いやすい用具選び
- 体育
- 縄が上手く回せず,跳ぶことが難しい子 選べるカードと道具
- 長縄の8の字跳びができない子 楽しくトライ「おおなわとびにちょうせん!」カード
- 合図が覚えられない子 見ればわかる運動会だより
- 道徳
- 気持ちを表現することが苦手な子 心のものさし
- 特別活動
- 話し合い活動が苦手な子 どの子もわかる話の可視化と焦点化
- 吃音のため,健康観察ですぐ言葉が出ない子 他の表現を使いやすい雰囲気づくり
- 校外学習の作文を書くことが苦手な子 場面毎の写真活用
- 朝の会のスピーチが苦手な子 5W1Hのワークシート&後ろ黒板の手がかり
- 第3章 学校全体で進める合理的配慮とユニバーサルデザインの実践
まえがき
☆「めがね」と合理的配慮
読者の中には「めがね(やコンタクトレンズ)」を使っている方がいると思います。もし,「めがね」なしで研修会等に参加すれば,かなり不自由な思いをするはずです。合理的配慮とは,正に,苦手さのある子への「めがね」のような支援です。視力が弱い場合は,「めがね」という個別の配慮があることで授業のスタートラインに立てるのです。
☆新学習指導要領と合理的配慮
「合理的配慮」とは少々気難しい言葉ではあります。しかし,すでに,新小学校・中学校学習指導要領の各教科等の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」にはその本文に「障害のある児童(生徒)などについては……」という記載がなされ,その解説には,合理的配慮の具体が例示されているのです。
つまり,通常の学級における「特別」ではない支援として,「めがね」のような当たり前の支援としての「合理的配慮」が求められる時代になりました。
☆「教科等別に」「見開き一つのアイデア」
本書は授業ですぐに活用できるように「教科等別」にまとめました。さらに,「ページを開いて一つのアイデア」ですので,大変読みやすくハンディーです。校内委員会や学年会等も含めて,様々なシーンで活用できるようにしています。ぜひ,本書を職員室の机上に置いてください。
また,本書は,姉妹編とも言える『ユニバーサルデザインの学級づくり・授業づくり12か月のアイデア事典』(明治図書)とあわせてご活用ください。合理的配慮とユニバーサルデザインは相補い合う関係にあるのです。苦手さのある子も活躍できる学級・授業づくりのお役に立てることを願って!
編著者 /佐藤 愼二
参考文献など、最後にまとめて表示されているとより良かった。