- はじめに
- 優れた学級集団をつくろうとすることは,今よりもレベルの高い国語教室をつくることに他ならない
- 第1章 あらゆる学級生活ではぐくむ「生きるための術」
- 桃山学院教育大学 /二瓶 弘行
- @ 誰に向かって話そうとしているのか
- A 言葉を目で伝え合う「対話」
- 第2章 言葉の力がぐんぐん伸びる!国語教室づくりのアイデア63
- 朝の会・帰りの会
- オリジナル動物ことわざクイズを出題しよう!
- 朝の1分間スピーチをしよう!
- 今日見つけた,友だちのよいところを伝え合おう!
- 明日の日直に「すてき」「ありがとう」を伝えよう!
- 係の「アイ・メッセージ」を伝えよう!
- 掲示物
- 【学習用語】学習用語カードを活用しよう!
- 【学習用語】国語の学習用語をみんなの解説で記録していこう!
- 【学習用語】学習用語の掲示物を活用しよう!
- 【学習用語】「学びの地図」をつくろう!
- 【学びの履歴】学びの履歴を残していこう!
- 【学びの履歴】前時の学びを生かそう!
- 【学びの履歴】掲示物を授業に生かそう!
- 【子どもの作品】「今月の一句」をつくって掲示しよう!
- 【子どもの作品】使い終わったノートを貯めよう!
- 【話す・聞く】体のパーツカードを活用して話す・聞く力を高めよう!
- 【話す・聞く】クラスの話す・聴くルールをつくり上げよう!
- 【物語文】物語文の学習計画と「読み方のコツ」を活用しよう!
- 【物語文】「作品の星座」をつくろう!
- 【説明文】説明文の学習計画と「読み方のコツ」を活用しよう!
- 【説明文】説明文の全文を掲示しよう!
- 【話し合い】話し合いで大切な力を高めよう!
- 【言語活動】先生作のモデルを真似してみよう!
- 【アイテム】「名言・名文」日めくりカレンダーを置こう!
- 【学びのルール】自分が今どんな姿か自覚しよう!
- 【学びのルール】記号化で板書をスッキリさせよう!
- 【学びのルール】素早く授業の準備を整えよう!
- 言葉遊び
- 「とびとびしりとり」で言葉を見つけよう!
- 「とびとび昔話」に挑戦しよう!
- 3択ダウトで読み聞かせを楽しもう!
- ジェスチャーゲームで行動描写マスターになろう!
- 学級文庫・学校図書館
- みんなで「読書けいじばん」をつくろう!
- クラスのミニ作文集をつくろう!
- 学級文庫を充実させよう!
- 「飛び出せ! いじんくん」で伝記を紹介しよう!
- ブラインドブックデートをしよう!
- 図鑑の使い方をレクチャーしよう!
- 「グループ読み聞かせ隊」で読み聞かせをしよう!
- 学校図書館に出品しよう!
- 学年意識をもって学校図書館を活用しよう!
- 新聞をフル活用しよう!
- 本のおすすめリレーをしよう!
- 学級活動
- 今月の目標に合わせて「あいうえお作文」をしよう!
- 友だちに感謝状を贈ろう!
- 学びの振り返りで新聞をつくろう!
- みんなで漢字係をしよう!
- 校長講話をメモしよう!
- 行事作文を書き続けよう!
- 掃除の役割分担を話し合いで決めよう!
- 階段図で学級の問題を考えよう!
- 自分を成長させてくれた言葉を振り返ろう!
- 意見をつなげて,学級全員発表しよう!
- いつでも,どこでも話し合いをしよう!
- 宿題
- 「家族のだれかを観察日記」を書こう!
- 1行日記を毎日書こう!
- 「はじめ・中・終わり」で作文を書こう!
- 「心の色」を日記に書こう!
- 物語風日記を書こう!
- 主人公にひと言贈ろう!
- 新出漢字を使っておもしろ作文を書こう!
- 漢字の仲間集めをしよう!@
- 漢字の仲間集めをしよう!A
- みんなで協力して意味調べをしよう!
- 好きな一首を暗記しよう!
はじめに
優れた学級集団をつくろうとすることは,今よりもレベルの高い国語教室をつくることに他ならない
小学校教師であるならば,きっと,いつか実現したいと思い描く「夢」があります。以下のような「夢」のクラスです。
そのクラスでは,誰もが読みたくてたまらない。一編の文章や作品に描かれた言葉を丁寧に検討し,言葉の意味,文章の要旨,作品の主題を自分らしく読み取り,自分の考えや読みの世界を確かにもつことに懸命になる。
そのクラスでは,誰もが書きたくてたまらない。自分という存在を書き表すことの喜びがわかり,書くことで自分らしさを確認でき,仲間に伝えられることを知っている。だから,必死に言葉を選び,表現を工夫する。
そのクラスでは,誰もが話したくてたまらない。ある話題について,自分の思いを言葉で表現しようと,誰もが適切な言葉を探すことに必死になる。思いを託せる言葉をもてたら,仲間に伝えようと懸命に挙手する。
そのクラスでは,誰もが仲間の考えを受け取りたくてたまらない。ある話題について仲間はどう考えるのか,自分の抱く思いと同じなのか違うのか,知りたくて仕方がない。だから,仲間の発する言葉に必死に耳を傾ける。
そのクラスでは,言葉を媒介にして,思いを伝え合うことの重さを誰もが知っている。言葉は「自分らしさ」を仲間に伝え,仲間の「その人らしさ」を受け取る重要な手段であることを,誰もが「価値」として共有している。
そのクラスでは,言葉が,静かに生き生きと躍動している。
私たち小学校教師の最も大切な仕事は,子どもたちに授業を通して「学力」をはぐくむことです。その学力の根幹にあるものこそが「言葉の力」。
言葉を読む力,言葉を書く力,言葉を話す力,言葉を聞く力。これらの「言葉の力」は,あらゆる教科・領域の学びを支える力です。
この「言葉の力」をはぐくむために毎日の国語授業があり,私たち教師は,教材研究を繰り返し,発問を考え,学習活動を構成し,授業をつくります。
けれども,「言葉の力」は,国語授業の時間だけではぐくむものではありません。子どもたちは,生活の中で言葉とともに生きているからです。
子どもたちは,学校や家庭,地域社会の中で,様々な人とかかわりながら,話し,聞き,読み,書きながら生活しています。学校生活でも,朝の登校から下校まで,ありとあらゆる活動場面で,言葉を通して,仲間とかかわりながら生きています。子どもたちの生活の中で,どんな方法で「言葉の力」をはぐくみ,どんな言葉とかかわる教室環境を設定すればよいのか。
私たちには,ずっと追い求め続けている「夢」のクラスがあります。
この「夢」の実現には,国語授業そのものの充実を図ることが何よりも重要です。加えて,子どもたちの日々の学校生活,さらには家庭生活における言葉とのかかわりの質を高めることが大切です。
優れた学級集団をつくろうとすることは,今よりもレベルの高い国語教室をつくることに他なりません。「学級づくりは,国語教室づくり」なのです。
本書には,そんな「夢」のクラスを実現するためのヒントがあふれています。そのジャンルは多岐にわたり,内容も豊富です。「朝の会・帰りの会」から「掲示物」「言葉遊び」「学級文庫・学校図書館」「学級活動」,さらには「宿題」に至るまで,実に63ものアイデアを集めました。
これらのアイデアを提案しているのは,「国語“夢”塾」のメンバーです。彼らは,日本全国各地の街で,日々の国語授業の実践をしながら,その成果を全国に発信し続けています。そして,定期的に集い,その実践を仲間と交流しながら,さらなる高みを目指して研鑽を積もうとしています。
この「国語“夢”塾」のメンバーが世に提案してきた「アイデア事典シリーズ」は,ありがたいことに大好評で,本書の刊行で6冊目となります。
子どもたちに確かな「言葉の力」を育てるために,本書が少しでもお役に立てば幸いです。ご一緒に,明日もまた,子どもたちのために。
2018年6月 /二瓶 弘行
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- 明治図書
- 言葉の力を伸ばす活動のアイディアがたくさんあり、参考になりました。2019/3/3150代・小学校教員
- 国語に関する教室環境作りにいかせるアイデアがたくさんありました。2019/2/1540代 主任教諭