- はじめに
- 第1章 アクティブ・ラーニングと「問題解決の授業」
- 算数・数学科でアクティブ・ラーニングをどうとらえたらよいか?
- 「問題解決の授業」とはどのような授業か?
- アクティブ・ラーニングと「問題解決の授業」の関係は?
- 第2章 数学科での「問題解決の授業」づくり
- 「問題解決の授業」づくりの手順は?
- 「問題解決の授業」を日常化するためには?
- 第3章 数学科の「問題解決の授業」25の授業例
- 1【第1学年】正の数,負の数「分配法則を用いた計算」
- 2【第1学年】文字と式「文字を使った式」
- 3【第1学年】文字と式「積の表し方」
- 4【第1学年】1次方程式「小数係数の方程式の解き方」
- 5【第1学年】比例・反比例「量の変化」
- 6【第1学年】比例・反比例「反比例の利用」
- 7【第1学年】空間の図形「いろいろな立体」
- 8【第1学年】資料の整理と活用「近似値」
- 9【第1学年】資料の整理と活用「資料の傾向を調べる」
- 10【第2学年】式と計算「多項式の計算」
- 11【第2学年】式と計算「文字式の利用」
- 12【第2学年】連立方程式「2元1次方程式とその解の意味」
- 13【第2学年】1次関数「グラフの特徴」
- 14【第2学年】平行と合同「多角形の外角の和」
- 15【第2学年】三角形と四角形「平行線と面積」
- 16【第2学年】確率「確率の意味」
- 17【第3学年】多項式「式の展開」
- 18【第3学年】平方根「平方根の乗法」
- 19【第3学年】2次方程式「2次方程式の解き方」
- 20【第3学年】2次方程式「2次方程式の利用」
- 21【第3学年】関数「変化の割合の意味」
- 22【第3学年】相似な図形「相似の意味」
- 23【第3学年】円「円周角と弧」
- 24【第3学年】三平方の定理「三平方の定理の逆」
- 25【第3学年】三平方の定理「三平方の定理の利用」
はじめに
これからの教育では「主体的・対話的で深い学び」を実現することが求められ,アクティブ・ラーニングを取り入れた授業実践が行われています。
「主体的・対話的で深い学び」は,数学の確かな学力を育てるためにも大切なことです。数学の学力は,教師の説明を一方的に聞くだけの学習や,暗記や練習を繰り返すだけでは身に付きません。既習内容をもとに,それらの関係を自分の頭で考えたり,互いに考え合うことを通してこそ身に付きます。
したがって,数学の授業ではこれまでも「主体的な学び」「対話的な学び」が大切にされ,「主体的に考え合う学習」が行われてきました。それを実現している授業が,日本のすぐれた授業として国際的にも高く評価されている「問題解決の授業」です。
本書は,若い先生やこれから「問題解決の授業」を実践していく先生方が,「問題解決の授業」を日常的に行っていくための入門書です。
本書は,3章構成になっています。
第1章では,算数・数学科におけるアクティブ・ラーニングと「問題解決の授業」のそれぞれについて確認し,関連を検討しました。
第2章では,数学科での「問題解決の授業」づくりについて,手順やポイントになることを具体的にまとめました。
第3章では,25の授業例を各4ページにまとめて紹介しました。授業例は,次の5項目で構成されています。
1.授業づくりのポイント
2.授業計画
3.「本時の目標」と「問題」
4.授業の流れ
5.この授業でのアクティブ・ラーニング
それぞれの授業例では,アクティブ・ラーニングがどこで行われたのかがわかるように,「4.授業の流れ」の端に矢印を書き入れました。また,どのようなアクティブ・ラーニングなのか,「5.この授業でのアクティブ・ラーニング」で説明しました。
「問題解決の授業」を日常的に行って「主体的・対話的で深い学び」を実現していく上で,これらの授業例を参考にしていただければ幸いです。
なお,授業例の中で,文献を参考にして行った授業は次の通りです。
◎『「問題解決の授業」に生きる「問題」集』(明治図書,2000)……【授業例2】
◎『新「問題解決の授業」に生きる「問題」集』(明治図書,2009)……【授業例7】【授業例13】【授業例14】【授業例17】【授業例19】【授業例25】
◎『略案で創る中学校新数学科の授業 第1巻「数と式」』(明治図書,2011)……【授業例12】
◎『中学校数学科 統計指導を極める』(明治図書,2013)……【授業例9】
最後になりましたが,アクティブ・ラーニングと「問題解決の授業」をつなぐ単行本をまとめる機会をいただき,出版にあたって大変お世話になりました明治図書編集部の木山麻衣子さん,奥野仁美さんに厚くお礼申し上げます。
平成29年3月 編著者 /相馬 一彦
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