- はじめに
- 学年主任の仕事 年間スケジュール
- Chapter1 学年主任生活スタート!学年主任っていったいどんな人?
- 学年全体の方向付けをする
- 学年全体をデザインする
- 学年のステークホルダーを活かす
- 管理職との調整役を担う
- 学年の学習環境を整える
- 学年の先生の1年間を預かる
- 学年の先生と共に成長する
- Chapter2 これでバッチリ!学年主任 365日の全仕事
- 新年度準備
- 学年テーマを設定する
- 学年の共通言語を生み出す
- カリキュラムを把握する
- 子どもたちの実態を把握する
- 学年メンバーの個性を把握する
- まずは心理的安全性を高める
- 教育観について語り合う
- 1年間の行事を把握する
- 1年間のイメージを共有する
- 学年メンバーに仕事を割り振る
- 1年間活用する教材を確認する
- 総合的な学習の時間を企画する
- 保護者との連携について確認する
- 1年間の予算を見る
- 各担当の方々と信頼関係を結んでおく
- 初めての学年集会の場を大切に準備しておく
- 初日の流れを確認する
- 3日間を無事に乗り越える
- 1週間を振り返る
- 学年全体の子どもの様子を見る
- 日常的な学年経営
- 日々の授業を充実させる
- 授業で使えるネタはどんどん共有する
- 毎日の対話を大切に
- 宿題のデザインをする
- 学年メンバーに問いを投げる
- トラブル対応@「自己指導能力」を育成する
- トラブル対応A先手を取って生徒指導を行う
- トラブル対応Bカウンセリングとコーチングで個別対応をする
- トラブル対応Cチームで解決に取り組む
- 行事指導と日常の授業をいつもつなげる
- 行事指導はプロセスを見せる
- 学年会通信を出してみる
- 学年集会の効果的な開催の仕方
- おみやげ活用でコミュニケーションに潤滑油を
- こうすればうまくいく!!学年会のスキルとマインド
- 学年経営は学年会が命
- 学年会ではできるだけ話さない
- 時間を決めておく
- レジュメをつくる
- Teamsなどを活用してより円滑に
- 学年会の年間見通しを持っておく
- 行事指導をきっかけに教育観を語り合う
- 学年方針をいつも意識する
- Chapter3 デキる学年主任になる!学年主任の完璧仕事術
- 常に心をオープンに
- 教室に入ってもらう
- 失敗を話す
- ごめんなさいを伝える
- コーチングとカウンセリングを使い分ける
- コーチングスキルで学年を導く
- カウンセリングスキルで学年を包み込む
- 常に先手を取る
- 常に見通しを持つための工夫
- 時に姿で見せる
- 学年の人数に合わせた運営をする
- 人に助けてもらう
- Chapter4 押さえておきたい!学年主任としての心構え
- 教師としての充実度は学年団によって決まる
- 失敗OKにするシステムづくり
- 全クラスの担任としての意識を持つ
- 学年メンバーは家族と同じと心得る
- 仕掛ける姿勢を忘れない
- 毎日の学校業務を楽しむ
- ちょっとやそっとでは動じない
- 先生のウェルビーイングなくして,子どものウェルビーイングなし
- 自分自身をアップデートする
- 学年主任はその人のキャリア形成のパートナー
- おわりに
はじめに
本書を手に取ってくださっている方は,
・今回初めて学年主任を務める方
・何度か学年主任を務めたけれど,あまりうまくいかなくて悩んでいる方
・これまで学年主任を務めた経験があり,学年主任としての力をアップデートしたい方
といった方々ではないかなぁと思います。
本屋さんやインターネットには「学級づくり」「授業づくり」関係の書籍はずらっと並んでいますが,校務分掌関係の書籍は,そう多くは並んでいません。その中でも「学年主任」というジャンルの書籍は数少ないものになっているのが現状です。
しかし,「学年主任」という仕事は,校内でもとても大切な分掌です。
・どの学校にも間違いなく存在する
・一つの学校に基本的には6人は存在する
そんな条件がつく学年主任ですから,最近は,「学年主任の若年化」が進んでいます。いまや40代,30代ではなく,20代の学年主任が当たり前という時代になりました。
学年主任の若年化により学校は変化していますが,変化しているのは学校だけではありません。社会も大きく変化しています。
「VUCA(ブーカ)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
「Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をとったものであり,時代の変化が激しく,予測できないことを表しています。
そのように時代も大きく変化していますから,人の価値観や考え方も大きく変化してきています。
一昔前の価値観や考え,やり方は大きく変わってきています。かつては「学年主任が言うんだから」というスタンスで仕事が進んでいくことも多かったですが,今の時代はそうではありません。学年主任が“絶対的存在”となって何かを決めていくのではなく,学年主任が“ファシリテーター”となって学年のメンバーの思いを引き出したり考えをつないだりしていく必要があるのです。
ゆえに,学年主任に求められる能力は一昔前とは大きく異なっています。
例えば,以下のような能力が学年主任に求められています。
・先を見通す力 【見通し力】
・メンバーの意見をつなぐ力 【ファシリテート力】
・メンバーの意見を引き出す力 【コーチング力】
・メンバーの状態を支える力 【カウンセリング力】
・メンバーと確かな信頼関係をつくる力 【信頼構築力】
子どもたちに21世紀型の力が求められるように,私たち教師にも,これまでにない,これからの力として,新しい力が求められています。
本書では,これまでの私の「コーチング」「カウンセリング」,さらには現場で15年以上実践してきた実践知を余すことなく記させていただきました。
間違いなく,これからの学年主任にとって必要な力やスキルを手にしていただけることと思います。
どうぞ,本書をもとにしながら,新たな時代の学年経営の一助にしてください。そして,1年間という学年の時間を充実させ,同じ学年のメンバー,子どもたち,さらには学年主任であるあなたにとって素敵な学校生活を送っていただければと思っています。
さぁ,本書をめくってみてください。
いっしょに「これからの学年主任」について考えていきましょう。
令和6年2月 /丸岡 慎弥
読み応えのある内容だった。学年主任でなくとも意識していこうと思う内容だった。