- 蕨市立北小学校 3年間の軌跡
- はじめに
- 序章 校内研の常識を覆す6つの視点
- 01 【従来】「やらねばならぬ…」の校内研/【これから】「やってみたい!」の校内研へ
- 02 【従来】こういうもんだ(手段の目的化)/【これから】なんでやるんだろう(目的の問い直し)
- 03 【従来】研修と研究が乖離/【これから】研修と研究が連動
- 04 【従来】研修がインプット主体/【これから】研修がアウトプット主体
- 05 【従来】モチベーションギャップ/【これから】モチベーションベース
- 06 【従来】子どものために身を削る/【これから】教師の HAPPY が児童の SMILE に
- 第1章 校内研の改革に必要な「巻き込み」力
- 01 ボトムサージを起こす
- 02 多様な意見を受け入れるマインドセット
- 03 一人ひとりの強みを生かすアンテナを張る
- 04 「何を」言うかより「誰が」言うか
- 05 校長がすべてを決める≠校長は決裁権をもっているだけ
- 06 研修をマネジメントする3つの心得
- Column 笑顔で学ぶために
- 蕨市立北小学校前校長 /松原 好子
- 第2章 新しい「グループ研究」のススメ
- 01 始めよう、グループ研究!
- 02 必要なのはコーチではなく伴走者
- 03 「積み木型研究」から「ドミノ型研究」へ
- 04 「仮説検証型」から「仮説生成型」へ
- 05 失敗だって立派な成果
- 06 グループ同士をつなぐ
- 07 公開授業はいつでも誰でも
- 08 指導案はA4で1枚
- 09 指導者からファシリテーターへ
- 10 研究授業会から実践交流会へ
- 11 研究紀要って何のため?
- Column キタ研ぶっちゃけトーク
- /下村 由香・三浦 いのり
- Column あなたの楽しいが、学校を変える
- /冨塚 あずさ
- 第3章 職員同士が仲良くなる校内研修へ
- 01 双方向型の研修をデザインする
- 02 場づくりを制する者は、研修を制す
- 03 心地のよい空気づくり
- 04 実践例@ コース別ICT研修
- 05 実践例A サイコロトーク式学級経営研修
- 06 実践例B 働き方改善研修 時短BINGO「KAIZEN24」
- 07 実践例C 職員の関係性を築くPA研修
- 08 実践例D ゆるふわ自主研修「北カフェ」
- 09 実践例E 情報シェアのエース! 研修だより「シェアハピ」
- 10 実践例F 知の宝庫! 「まな本コーナー」
- 11 実践例G 短期集中! SSST
- Column 研究に関わった3年間で見た景色
- /小林 千尋
- 第4章 新時代の研究発表会アップデート
- 01 研究発表会のバイアスを解く
- 02 まるでフェス! NEW研究発表会
- 03 対話型交流会「北フェスタイム」
- 04 新しい研究発表会の形を経験して
- おわりに
- 参考文献一覧
はじめに
「今日の研究協議めっちゃ面白かった!」「もっと話したかったよね!」「いや、研究協議が楽しいって言えるってすごいことじゃない?」
研究2年目、私が所属していた「シェアスタ(学び合い)グループ」の授業検討会後の 会話です。先生方が研究を楽しんでいる姿。学びを楽しんでいる姿。そうあるべきなのに、今までなかなか見ることができなかった景色でした。「教員の学び」も「子どもの学び」 と同じように、もっと主体的で、「やってみたい!」と思えるものにしていきたい。そんな気持ちで始めた研究が、やっと実を結んだ瞬間でした。
さて、突然ですが皆さんに質問です。「校内研究」と聞いた時、どんなことをイメージしますか? あの、研究主題とか、目指す児童像とか、仮説とか手立てとか…。みんなで指導案の検討をしたり研究授業をしたりするアレです…。
「学校で1つの方向に向かっていく大切なもの」
「みんなで指導案を考えたり研究協議をしたり、教員としてのスキルアップのために重要」
など、ポジティブな意見が聞かれる反面、
「指導案づくりが負担」
「自分の学びたいものとは違う」
「研究発表が終わったらそれまでやってきたことも消えていきがち」
「コスパ、タイパが悪い」
といったネガティブな意見が聞かれることも事実です。
本書では、職員が「どんな研究なら幸せか」という問いにみんなで向き合った結果、普通の公立小学校ながら従来の研究から脱却し、そこそこぶっ飛んだ研究&研究発表となった経緯、大切にしてきたマインド、そして実践してきた様々な具体をお伝えします。
…と、こうして書いてみると綺麗なサクセスストーリーが待っているように期待させてしまいますが、正直、そんなことありません(笑)。うまくいかないことだらけで、校内研究のことを考える時はだいたい頭を抱えていました。先生方にもたくさん迷惑をかけながら進めてきました。
しかし、そんな校内研究を通して確実に変わったことが2つあります。1つは、研究・研修に対するトライアンドエラーを繰り返す中で、校内研に臨む先生方の笑顔が増えていったということ。もう1つは、「職員室の先生方をつなぐもの」として、校内研の新しい可能性を見ることができたということです。このことについては、現在の学校現場の研修・研究の在り方として高い価値があるものと信じて疑いません。
本校の研究がよいものか悪いものか、正しいものか間違ったものかという二元論ではなく、校内研究に興味がある先生や、校内研究に悩んでいる先生のヒントになればと思っています。また、校内研究だけではなく、校内研修全般の実践についても多く取り扱っています(詳しい切り分け方は次のページで)。職員室の先生方向けに研修を開くことになった方や、職員室でちょっとした自主研修を開きたい方にもおすすめできます。
先生方の学びの場が、この本をきっかけにほんの少しでも、よりよいものになったとしたら、これ以上の幸せはありません。
2024年5月 /葛原 順也
このたびは本書をご購入いただき、誠にありがとうございます。
本書の初版第1刷において、本文の内容に誤りがございましたので、下記の通り訂正させていただきます。
p.82 本文最終行
誤:豊島区立高南小学校で校長をされている田中博史先生
正:筑波大学附属小学校の元副校長である田中博史先生
また、上記の訂正に伴い、引用文を含む同箇所の訂正用データファイルを作成いたしましたので、こちらのファイルをご参照のうえ、ご利用賜りますようお願い申し上げます。
訂正用データファイル(ファイル名:248826_teisei.pdf/サイズ:105KB)
ご購入いただきました皆様及び関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。
今後このような事態が発生しないよう、細心の注意を払って編集を行って参ります。
何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
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