- はじめに
- Chapter1 中学1年「知識&技能」の教え方ガイド
- 1 「知識及び技能」って何を指導すればいいの?
- 2 「知識及び技能」の指導は,中学校の範囲だけでいいの?
- 3 「音声」は,何を指導するの?
- 4 「符号」は,何を指導するの?
- 5 「語,連語及び慣用表現」は,何を指導するの?
- 6 「文,文構造及び文法事項」は,何を指導するの?
- Chapter2 「音声」の教え方ガイド&ワーク
- 1 文字を正しく発音する
- 2 「はじめの音」を取り出す
- 3 単語の中の1つ1つの音素を取り出す
- 4 つっかえずに音読する
- 5 アクセントをつけて正しく発音する
- 6 イントネーションを理解し,適切に音読する
- 7 2文字綴りを見て,発音する
- Chapter3 「語彙」の教え方ガイド&ワーク
- 1 音素を声に出しながら,単語を書く
- 2 単語の綴りを覚えて書く(小テスト)
- 3 単語の綴りを覚えて書く(25問テスト)
- 4 単語の綴りを覚えて書く(100題テスト)
- 5 覚えた単語を活用する(語彙作文)
- Chapter4 「文法」の教え方ガイド&ワーク
- 1 〔小学校の復習〕I'm .... I'm not ....
- 2 〔小学校の復習〕I like .... I don't like ....
- 3 〔小学校の復習〕I can .... I can't ....
- 4 〔小学校の復習〕Are you ...? Yes, I am. No, I'm not.
- 5 〔小学校の復習〕Do you ...? Yes, I do. No, I don't.
- 6 〔小学校の復習〕Can you ...? Yes, I can. No, I can't.
- 7 〔小学校の復習〕What's this? It's .... What's that?
- 8 〔小学校の復習〕Who's this? That's .... Who's that?
- 9 〔小学校の復習〕What sport do you play?
- 10 〔小学校の復習〕What do you usually do on Sundays?
- 11 〔小学校の復習〕How many dogs do you have?
- 12 〔小学校の復習〕This is my favorite .... He/She/it is ....
- 13 〔小学校の復習〕Where is my ruler? It's on your desk. Where do you ...?
- 14 〔小学校の復習〕What time is it? What time do you get up?
- 15 〔小学校の復習〕When is your birthday? When do you study?
- 16 3人称単数現在形@肯定文
- 17 3人称単数現在形A疑問文
- 18 3人称単数現在形B否定文
- 19 現在進行形@肯定文
- 20 現在進行形A疑問文・否定文
- 21 動名詞 I like watching movies.
- 22 不定詞の名詞的用法 I want to be a YouTuber.
- 23 過去形@肯定文(規則動詞・不規則動詞)
- 24 過去形A疑問文(規則動詞・不規則動詞)
- 25 過去形B否定文(規則動詞・不規則動詞)
- 26 過去形C肯定文・疑問文・否定文(be動詞)
- 27 過去進行形@肯定文
- 28 過去進行形A疑問文・否定文
- 29 接続詞 When I went home, my dog was eating my cake!
- 30 第4文型 SVOO
- ワークシートの解答
はじめに
私たちは日々,目の前の課題を1つ1つ乗り越えるために,授業に工夫を加えている。そして,課題は尽きない。しかし,だからこそ,教育は面白いのだと思う。その課題とはすべて,「生徒に学力をつける」という課題である。どのような学力かは,目の前の生徒の実態や,教師の理想によって異なる。教師は,自分の目指すべき理想を持っていなくてはいけない。こんな授業をしたい,こんな力をつけたい……という理想が,よりよい授業をつくっていく。
さて,新教育課程が始まり3年が過ぎようとしている。学習指導要領の改訂は,私たちに多くの課題と示唆を与えてくれる。そして,私は,学習指導要領の改訂は,最大の研修の場だと,毎回,感じている。いわば,学習指導要領の改訂により,私たちは鍛えられていると思うのである。
そんな,今回の改定の注目は,3つあると考える。
1つ目は,「学習評価」である。
「4観点の評価が3観点」になり,育てたい学力を改めて確認する機会となった。評価を考えると,指導が見えてくる。どのような学力が必要なのかが明確になってくるからである。3観点評価では,教師が作成する定期テストも,「知識・技能」と「思考・判断・表現」の差別化を必要とした。例えば,「読むこと」の問題でも,どこまでが「知識・技能」で,どこが「思考・判断・表現」なのか,区別する必要が出てきた。「関心・意欲・態度」も「主体的に学習に取り組む態度」の名称に変わり,コミュニケーションを図ろうとしている状況を評価することが求められるようになった。評価が明確になると,育てたい力が明確になる。
2つ目は,「思考力,判断力,表現力等」の育成である。
「思考力,判断力,表現力等」を育てるためには,生徒に考えさせる必要がある。ただ機械的に文を言ったり,組み立てたりするのではなく,場面や状況に応じて,コミュニケーションの目的を捉え,適した表現を選び,自らの考えや気持ちを伝える。今回の全国学力・学習状況調査(令和5年実施)の問題も,考える力を必要とした問題が出されていた。まさしく,学習指導要領で求めている学力を体現した問題であったと感じた。
3つ目は,本書のテーマである「知識及び技能」である。
本来,「知識及び技能」の学力があって「思考力,判断力,表現力等」を育成する言語活動がある。「知識及び技能」がなく,「思考力,判断力,表現力等」はできない。このことは,学習指導要領にも書かれている。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
@ 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような言語活動を通して指導する。
『中学校学習指導要領(平成29年告示)』p.148
「(2)に示す事項」は,「思考力,判断力,表現力等」を示す。「(1)に示す事項」は,「知識及び技能」を指す。つまり,「思考力,判断力,表現力等」は,「知識及び技能」を活用して,言語活動を行うということである。当然のことであるが,忘れてはいけない部分である。
上手に,「知識及び技能」と「思考力,判断力,表現力等」を行ったり来たりさせつつ,丁寧に生徒を育てていきたいと思う。本書が少しでも先生方のお役に立てれば幸いである。
なお,Chapter2以降の「評価基準」の「十分に」とは約8割以上,「概ね」とは約6割〜8割の習得状況を指す。
2024年2月 /瀧沢 広人
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- 明治図書
- 指導の流れやワークシートがあるので授業のイメージがしやすく使いやすいです。2024/9/1330代・中学校教員