- はじめに
- 第1章 ネガポジ変換で言葉かけがガラッと変わる!
- 役に立つ場合を考えてみる
- プラスの価値を見いだす
- 言葉の意味を言い換える
- 因果関係を考える
- 第2章 生徒の心にスッと入るポジティブ言葉かけ100
- 1 対人関係【友人】
- 001 いつも同じメンバーで固まる生徒
- 気の置けない友だちと一緒にいるって,安心感があるよね
- 002 友だちが少ないことに悩む生徒
- 友だちの数とその人の価値は関係ないんだよ
- 003 独りでいることが好きな生徒
- 独りが好きなのも個性だよ
- 004 友だちに感情をぶつける生徒
- 自分の思いを伝えるのに一生懸命だったんだね
- 005 周囲とのトラブルが多い生徒
- 自分の考えをしっかりもっているね
- 006 まわりの意見に左右されやすい生徒
- まわりの人の意見を素直に受け入れることができる人だよね
- 007 小さなことを気にし過ぎる生徒
- 気配りの達人になれるかもしれないね
- 008 空気が読めない生徒
- 雰囲気に流されないで自分らしくいられるのもいいことだよ
- 009 自分勝手な生徒
- みんなの意見も聞きながら,自信をもってできるといいね
- 010 友だちに辛辣な生徒
- 伝え方だけちょっと工夫できるといいね
- 011 自分から話をしない生徒
- 聞き上手だね
- 012 人の意見を聞かない生徒
- みんなに新たな気づきを与えてくれる存在だね
- 013 聞く耳をもとうとしない生徒
- 気づかってくれる友だちに気持ちを理解してもらえる伝え方を考えてみて
- 014 他者を気にし過ぎる生徒
- 気にし過ぎじゃなくて,人より心配りができるってことだよ
- 015 友だちとの距離感がつかめない生徒
- だれとでも物怖じしないでつき合えるのは,すばらしいね
- 016 人づき合いが苦手な生徒
- 相手の気持ちを思いやることができる,細やかな人だね
- 017 下級生にいばる生徒
- 責任を果たそうという気持ちはとても立派だよ
- 018 友だちにちょっかいを出す生徒
- だれとでもすぐに打ち解けることができるのは才能だね
- 2 対人関係【教師】
- 019 反抗的な態度の生徒
- 強制はしないから,自分でよく考えて
- 020 改善する意思を示さない生徒
- 先生と一緒に考えてみよう
- 021 揚げ足を取ろうとする生徒
- 目のつけどころがいつも鋭いね
- 022 教師の服装をチェックする生徒
- 先生に関心をもってくれてうれしいよ
- 023 教師によって露骨に態度が変わる生徒
- それだけ意欲高く取り組めることがあるのはすばらしいね
- 024 教師に判断を委ねる生徒
- たまには自分の気持ちに素直になってみるのもいいんじゃないかな
- 3 行動
- 025 持ち物が多い生徒
- きっちり管理したいんだね
- 026 ものの扱いが大ざっぱな生徒
- こだわり過ぎないことが大切な場合もあるよね
- 027 片づけができず身の回りが乱雑な生徒
- このロッカーで困ることがないのなら,視野が広いんだね
- 028 声が大き過ぎる生徒
- 大きい声が役に立つ場面は,たくさんあるんだよ
- 029 言葉がきつい生徒
- 凛としていて,気持ちが引き締まるときもあるよ
- 030 喧嘩っ早い生徒
- 怒りたくなったら,テンカウントしてみよう
- 031 夜更かししてしまう生徒
- それでもやるべきことを,ちゃんとやれるのは立派だよ
- 032 ものが捨てられない生徒
- 先のことまで考えられるのは立派だね
- 033 提出物がなかなか出せない生徒
- 時間はかかっても,中途半端で終わらせない姿勢は立派だよ
- 034 動作が荒っぽい生徒
- 大胆なところも,あなたの魅力の1つだね
- 035 いたずら好きの生徒
- あなたらしい遊び心を,他のことで発揮してほしいな
- 036 けじめがない生徒
- その集中力はすごいね
- 4 性格
- 037 感情的になりやすい生徒
- その感性を表現活動で生かしてみるといいよ
- 038 わがままな生徒
- バランスも考えられるようになるといいね
- 039 自己肯定感が低い生徒
- 謙虚な人は,たくさんのよい学びや人間関係に恵まれるんだよ
- 040 無口な生徒
- みんなの話をよく聞いている分,思慮深いね
- 041 無愛想な生徒
- 正直で信頼できる人だということだよ
- 042 忘れっぽい生徒
- 嫌なことも忘れられて,くよくよしないというよさがあるね
- 043 話し方やしぐさが幼い生徒
- ずっと純粋でいられるのは,うらやましいくらいのことだよ
- 044 素直に謝れない生徒
- 芯が強いことは,自立した生活をするには大事だね
- 045 気が弱い生徒
- まずはそういう自分に自信をもってみるといいよ
- 046 暗い印象の生徒
- 落ち着いているとか控えめと考えれば,それはよさだよ
- 047 はずかしがり屋の生徒
- 相手がどう受け取るかを想像できるのは,すばらしいことだよ
- 048 うっかりが多い生徒
- そういうおおらかなところは,あなたのよさでもあるね
- 5 朝の活動
- 049 活動に取りかかれない生徒
- いろいろなことに気づいて,先の見通しをもとうとしていてすごいね
- 050 すぐに飽きてしまう生徒
- さっと切り替えられるのは,頭の回転も速いからだね
- 051 朝が苦手な生徒
- 脳が活動してくれば,やる気も右肩上がりだね
- 6 授業・学習
- 052 話を聞いていない生徒
- 声が耳に入らないほど集中できるのは,すばらしいことだよ
- 053 おしゃべりが多い生徒
- なんでそう思ったのか,クラスのみんなに教えてもらえますか
- 054 意見や考えを発言できない生徒
- 考えをノートに書いて,まとまったら,後で聞かせてください
- 055 声が小さい生徒
- みんながよく聞くようになるから,小さい声もいいものだよ
- 056 聞きながら書けない生徒
- 同時にできないなら,分けてやってみよう
- 057 屁理屈が多い生徒
- 頭の回転が速いね,先生の負けだ
- 058 字が乱暴な生徒
- 文字を素早く書こうとがんばっているんだね
- 059 話合いで発言しない生徒
- 話合いでは,意見のまとめ役も大切な存在なんだよ
- 060 教科の好き嫌いが激しい生徒
- 興味関心のある分野をもっているのは強みだよ
- 061 集中力がない生徒
- 1つに集中しにくいのは,気づきの範囲が広いということでもあるね
- 062 発表が少ない生徒
- 先生や友だちの話をよく聞いているよね
- 063 間違いが多い生徒
- 何度も間違うってことは,あきらめずに挑戦してるってことだよね
- 064 がんばっても結果が出ない生徒
- がんばって取り組むこと自体に,大きな価値があるんだよ
- 7 テスト
- 065 テストを心配し過ぎる生徒
- 慎重に準備を重ねてきたからこそ心配になるんだよ
- 066 点数にこだわり過ぎる生徒
- 1点にこだわるということは,1点を大事にできるということだね
- 067 よく考えないで答える生徒
- 瞬間的に判断して決断する力が必要なときもあるんだよ
- 068 迷って書けない生徒
- 迷って書けないんじゃなくて,慎重に判断していると考えてみて
- 069 うっかりミスが多い生徒
- 先生になって採点をするつもりで見直してみるといいよ
- 070 覚えることが苦手な生徒
- 忘れやすいということは,新しいことを吸収しやすいということだよ
- 071 結果を過度に気にする生徒
- 努力した分だけ結果は気になるものだよ
- 072 結果に過度に落ち込む生徒
- がっかりするのは,真摯に結果と向き合っている証拠だね
- 8 給食
- 073 食べるのが遅い生徒
- 食事は味わって食べるのが一番なんだよ
- 074 偏食の生徒
- もやし1本でも,がんばって食べているんだね
- 075 食べる量が多い生徒
- しっかり食べられる人は,食べ物を大事にしている人だよ
- 076 食べる量が少ない生徒
- 自分の食べる量がわかっていて,無理をしないことも大事だよ
- 077 片づけが雑な生徒
- 他の人のやり方をよく見て,真似してみよう
- 9 清掃
- 078 不器用な生徒
- 一生懸命さは伝わってくるよ
- 079 ふざける生徒
- 意外な一面を知られてよかったよ
- 080 清掃の必要性を感じていない生徒
- 物事を合理的に考えられるんだね
- 081 遅れて来る生徒
- 遅れてでも参加していることは立派だね
- 082 取りかかりが遅い生徒
- 道具を持つところまでは意識しているから,やる気は十分だよね
- 083 班員に命令してしまう生徒
- 時には優しさやほめることも有効だよ
- 10 放課後
- 084 部活動に悩みを抱える生徒
- 努力家で忍耐強い自分に,もっと自信をもっていいんじゃないかな
- 085 いつまでも教室に残っている生徒
- 教室で安心してくれる人がいて,先生もうれしいです
- 11 服装・容姿
- 086 名札をつけ忘れる生徒
- 存在感100%を目指してね
- 087 外見を気にし過ぎる生徒
- よく気づかいができるなって,関心しているよ
- 088 制服を着崩す生徒
- ルールの中でちょっとした遊び心を発揮できるといいね
- 089 だらしなく見られがちな生徒
- そういうおおらかなところもあなたのよさだよ
- 090 容姿に自信がもてない生徒
- 友だちと比べてしまうのは,「こうなりたい」という目標をもっているということ
- 091 化粧をして登校した生徒
- どんなことでも研究熱心だね
- 12 行事
- 092 おしゃべりが多い生徒
- みんなも知らず知らず助かっているときがあると思うよ
- 093 つまらなそうにしている生徒
- 気が進まないことにもちゃんと取り組めるのは,あなたのよさだね
- 094 何をすればよいかわからない生徒
- 視野が広いから,いろんなところが見えるんだね
- 095 何でも教師に確認しに来る生徒
- 物事を丁寧に進められるのは,あなたのよさだね
- 096 いいかげんな生徒
- おおらかなあなたは,グループのムードメーカーにもなっているね
- 097 本番であがってしまう生徒
- 心配になるほどがんばったんだから大丈夫だよ
- 098 みんなをまとめられない生徒
- 納得するまでみんなの意見を聞いてみよう
- 099 自己主張が過剰な生徒
- 大事なのはタイミングだね
- 100 カッとなってしまう生徒
- 本気でがんばっているからこそ,納得できないことがあるんだね
はじめに
生徒を見ていると,どうしても不足しているところや不十分なところが目についてしまう。
生徒が作業や活動をしているのを見ていると,いらだってきてついひと言言いたくなってしまう。
生徒のネガティブな面ばかり探しているようで,自分が嫌になる。
そんな先生は多いのではないでしょうか。
しかし,ご心配には及びません。
それが普通だからです。
人は,ポジティブな面よりも,ネガティブな面により多く気づくようにできているそうです。その方が,生きていくうえで便利なのです。ネガティブな面にいち早く気がつくことによって,危険を避けることができるからです。
とはいえ,ネガティブな面にばかり着目したり,指摘されたりしていては,楽しくありません。チャレンジする意欲も減退してしまいます。
特に学校では,生徒の意欲を高めて,主体的な活動を促すことも大切ですから,ネガティブな面よりもポジティブな面を認めて励ましていく必要があります。
そこで有効なのが「ネガポジ変換」です。
生徒を見ていて目についたネガティブな面をポジティブな面に変換して伝えます。
ポジティブな面を認め励ますことは,生徒の自己肯定感を高め,活動の意欲を高めることにつながるでしょう。
もちろん,目についたネガティブな面をことごとくポジティブな面に変換して伝えることは難しいと思います。また,そうすることが必ずしもよい結果を招くとは限りません。そうではなく,
生徒の心が疲れているなと思われたとき,
自信を失っているなと感じられたとき,
ネガティブな言葉かけが多いなと気づいたとき,
学校生活の中で,そのような「ここぞ」というときに,意識してポジティブな言葉をかけることができたら,その言葉は生徒の心に染み込むように響いていくのではないでしょうか。
本書の「ネガポジ変換」を有効に活用されることで,先生方と生徒との間に良好な関係が築かれ,生徒の自己実現に少しでもお役立ていただくことができれば,大変ありがたいことと思います。
2022年8月 /山中 伸之
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- 明治図書
- 生徒に言葉がけをする際に意識することや場面、具体例が紹介されていて参考になった。2024/6/2930代・中学校管理職
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