- はじめに
- CHAPTER1 フォーカス・オン・フォームの考え方・捉え方
- 1.コミュニケーション能力と文法能力
- 2.なぜ伝統的な文法指導は効果がないのか
- 3.文法項目に焦点をあてたフォーカス・オン・フォーム
- 4.文法指導のまとめ
- CHAPTER2 フォーカス・オン・フォームの指導法
- 1.Input活動
- 2.Noticing
- 3.Output活動
- 4.理論と指導法を授業に活かす
- CHAPTER3 フォーカス・オン・フォームの発展的な指導と学習評価
- 1.Incidental focus on formとは
- 2.パフォーマンス・テストおよび評価基準
- 3.中学校・高校3年間の指導カリキュラム例
- 4.「指導と評価の一体化」を目指して
- CHAPTER4 フォーカス・オン・フォーム&パフォーマンス・テスト実践例
- 1.中学校のフォーカス・オン・フォームの実践例
- 2.中学校のパフォーマンス・テストの実践例
- 3.高校のフォーカス・オン・フォームの実践例
- 4.高校のパフォーマンス・テストの実践例
- CHAPTER5 フォーカス・オン・フォームについてのQ&A
- Q1 インプット活動は必要なのでしょうか?
- Q2 文法項目の習得順序,発達順序はありますか?
- Q3 英語の力をつけるためにドリルは有効でしょうか?
- Q4 教科書本文理解の指導との時間配分はどのようにすればよいでしょうか?
- Q5 他の教師との協力は必要でしょうか?
- Q6 模試や入試への対策にはなっているのでしょうか?
- Q7 フォーカス・オン・フォームは小学生にも有効でしょうか?
- Q8 フォーカス・オン・フォームは,日本の学習者に適しているのでしょうか?
- おわりに
- 参考文献
はじめに
2012年2月に『フォーカス・オン・フォームでできる! 新しい英文法指導アイデアワーク』のシリーズ(中学1年,2年,3年,高校)が出版されてから10年余りが過ぎた。2012年度から実施された学習指導要領には,「文法については,コミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,言語活動と効果的に関連付けて指導すること」が明記され,コミュニカティブな文法指導であるフォーカス・オン・フォームがモデルとして認知された。そして,この間,このシリーズは何度も増刷され,中学校・高校の英語教員に広く活用されてきた。
また,私自身,愛知県,岐阜県,三重県,静岡県,奈良県,新潟県等の教員研修において,フォーカス・オン・フォームの模擬授業をしてアクション・リサーチの研究結果について報告をしてきた。さらに,ジャパンライム社から,授業DVDとして『中学校におけるフォーカス・オン・フォームの実践』および『高等学校におけるフォーカス・オン・フォームの実践』が出版された。
さらに,2014年には,フォーカス・オン・フォームを評価に結びつけたパフォーマンス・テストの実践を基に,明治図書から『ワーク&評価表ですぐに使える!英語授業を変えるパフォーマンス・テスト』のシリーズ(中学1年,2年,3年,高校)が出版された。そして,2019年には,同じく明治図書から『フォーカス・オン・フォームを取り入れた英文法指導ワーク&パフォーマンス・テスト』のシリーズ(中学1年,2年,3年)が出版された。
こうした中,「初心者の教員でもわかるように,フォーカス・オン・フォームやパフォーマンス・テストについて,理論と具体的な指導方法についての入門書が欲しい」との要望があった。確かに,ここ数年,私自身,研修会においても様々な質問に答えてきた。また,2007年に名古屋外国語大学大学院で現職教員対象のTESOLコースを設立して以来,多くの中学校・高校の英語教員を指導してきた。
そこで本書では,文部科学省が強調している「指導と評価の一体化」を,フォーカス・オン・フォームやパフォーマンス・テストを使用しながら,中学校,高等学校の英語授業の中でどのように実現したらいいのか,また,年間の指導カリキュラム作成についても実際の指導例を基に,解説したい。
本書が,2020年度から実施されている教育課程に合わせて,フォーカス・オン・フォームの実践を目指す現場教員の疑問に答え,フォーカス・オン・フォームの実践を後押しする指南書になることを願っている。
2022年2月 /佐藤 一嘉
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- 明治図書
- 予想よりシンプルな内容でした。フォーカスオンフォームの本は購入して使用したことはあるが、テストのイメージがなかったので興味を持ちました。時間に余裕があるときに挑戦してみたいと思いました。2022/3/4さくすけ
- 佐藤先生が以前執筆された書籍をもとに、実践の現状、実践時の手順の生徒への説明内容、ルーブリックなどを詳細にまとめ、中学だけにとどまらず、高校で扱われている副教材も例に挙げておられるところに、授業との関連性、生徒の意欲向上の参考資料として、大いに活用できるところが大変魅力的だと感じております。2022/2/2340代中学校英語教諭JK