- はじめに
- 第1章 授業の腕をあげる3つのポイント
- ポイント1 「全教科」を教える
- ポイント2 授業者が「わくわく」する
- ポイント3 ちょこっとスキルは「身の回り」にある
- 第2章 授業の腕をあげる「全教科」スキル69
- 国語
- 1 朗読が上手になる「教科書の読み方手本」
- 2 正確な読み取りにつながる「意見は教科書の言葉を使って」
- 3 漢字の構成を学べる「コピー用紙で漢字指導」
- 4 自主的に調べるようになる「机上に辞書を」
- 5 記述問題ができるようになる「文字数制限ノート」
- 6 黒板とノートがリンクする「上下段ノート」
- 社会
- 7 教科書資料に興味がもてる「タブレット&モニターで導入」
- 8 知識の定着を図れる「デジタルフラッシュカード」
- 9 調べ学習の見通しがもてる「高速音読」
- 10 歴史と人物を大切に思える「偉人も“さん”づけ」
- 11 歴史的事象に当事者意識をもてる「立場決め」
- 12 当事者意識・課題意識を育てる「私だったら……」
- 算数
- 13 いつでも振り返りができる「黒板左端で復習」
- 14 具体的なイメージが湧く「問題文にストーリー」
- 15 学習を理解した瞬間がわかる「振り返りの型」
- 16 子どもの学習を支える「貸し出し算数セット」
- 17 学習をしっかり定着させる「共通語→今日のポイント」
- 18 関係性豊かに学び合える「塾の設立」
- 理科
- 19 いつでも確認ができる「実験の手順掲示物」
- 20 雰囲気が出て安全性も増す「白衣を着る」
- 21 じっくり観察記録をかける「タブレットで画像記録」
- 22 長時間の実験が短時間にまとまる「タイムラプス」
- 23 素早く確実に実験できる「ボンベの多用」
- 24 後始末を美しく行える「最後は水拭き」
- 生活
- 25 育てる野菜に愛着をもてる「トマトのトマちゃん」
- 26 気持ちが見える「吹き出し」
- 27 バランスよく,しっかり管理しやすい「日当たり3交代」
- 音楽
- 28 リコーダーの息調節がうまくなる「息の温度を感じよう」
- 29 スモールステップで楽器練習できる「音階を歌おう♪」
- 30 指揮を振りながらできる「クラベスでカウント」
- 31 自然に声が出るようになる「声出しは,は・す・ん」
- 32 ベストパフォーマンスを評価できる「歌と演奏の録音提出」
- 33 リズム以外の指導に集中できる「メトロノームアプリ」
- 図工
- 34 ティッシュですぐできる「簡単タンポ」
- 35 タブレットでわかりやすい「簡単構図の確認」
- 36 歯ブラシ1本でできる「簡単スパッタリング」
- 37 色彩感覚を養え,やり直しも簡単「タブレットで塗り絵」
- 38 作品を手軽に見合える「作品は動画で提出」
- 39 安心して着色できるようになる「試し塗り用の裏紙」
- 家庭
- 40 ミシンのセッティングがわかる「上糸6ポイント・下糸3ポイント」
- 41 目で見て確認できる「タブレットで調理のポイント説明」
- 42 少しだけ濡れ拭きできる「半濡れぞうきん」
- 43 調理実習であると便利「紙コップ」
- 44 調理の機会を増やし技能を高める「宿題・調理実習」
- 45 掃除のモチベーションを高める「1人1つの道具」
- 体育
- 46 素早く並べる「前へならえ!2回」
- 47 目で見て流れを確認できる「体育の流れカード」
- 48 ポイントが明確になる「黒板の言葉で教え合い」
- 49 緊張感を高め,スピード感を出せる「教師の号令」
- 50 実技の見取りがグッとスムーズになる「出席番号の活用」
- 51 子どもの集中力を高める「壁を背にした集合」
- 英語
- 52 外国人講師と子どもをつなぐ「担任教師の立ち回り」
- 53 外国人講師と連携できる「とりあえず語尾をリピート」
- 54 効果がバッチリ出る「英文の練習は後ろから」
- 55 欠席した子のテストがスムーズ「聞き取り・イヤホンセット」
- 56 日常的に英語を用いる機会を増やす「朝の会でミニ英会話」
- 57 ライティング量を保証する「オリジナル英習罫プリント」
- 道徳
- 58 話し合いを加速させる「教師がワルモノ」
- 59 成長が明確になる「振り返りテンプレート」
- 60 子どもに合った文になる「所見は振り返りから」
- 61 学習への心構えができる「内容項目を確認」
- 62 振り返り,関わりを感じることができる「教材同士を天秤にかける」
- 63 本音を引き出せる「授業後のインタビュー」
- 総合的な学習の時間
- 64 新聞がうまくまとまる「真ん中ドッカン法」
- 65 通知表を意識した授業になる「様子の記録」
- 66 わくわく感を高める「コラボシール作成」
- 特別活動
- 67 学級活動が充実する「話し合いテンプレート」
- 68 活動を充実させる「クラブのグラウンドルール」
- 69 学級会の挙手確認にすぐ効く「ICTでアンケート」
- おわりに
はじめに
今でも覚えています。私の初任時代に特に苦労したのが毎日の授業でした。
小学校の授業で教える科目は……
国語・社会・算数・理科・生活・音楽・図工・家庭・体育・英語・道徳・総合的な学習の時間・特別活動……
文字にすると,その多さに目が飛び出るほど驚きます。私が大学生の時に専攻していたのは「算数」です。算数の授業づくりなら,学生時代に何度かしたことがあったので自分の力で授業準備ができたのですが,他の教科は右も左もわからず,手探り状態でした。
しかも,
・教材研究をしても同じ授業ができるのは1回だけ
・科目によって得意不得意がある
・そもそも教材研究をする時間がなかなか取れない
など,困難な毎日の授業をさらに困難にする状態だったので,毎日の授業はなんとか「乗り切る」状態でした。そんな状態ですので,成果のあがる授業なんてできるはずもありません。
そんな中,先輩に教えてもらったり,自分で試行錯誤を繰り返したりする中で,少しずつ手応えのある手法を手にすることができるようになってきました。
すると,十分な授業準備の時間が確保できない時でも少しずつ成果のあがる授業ができるようになってきました。
しっかりと授業準備ができた時は,以前よりも手応えのある授業になってきました。
どの教科でも,ちょこっと知っているだけでじわじわと効果の出るような授業者を助けてくれるスキルがたくさんあります。
今回は全教科のちょこっとスキルを69個集めました。
私も古舘も,得意な教科もあれば,そうでない教科もあります。そんな私たちだからこそ,あえて全教科のちょこっとスキルを集めることにしました。
それは,私たちが苦労しながら学んだり,試行錯誤を繰り返したりすることで身につけられたスキルだからこそ,みなさんの困り感に寄り添えるスキルになりうるかもしれないと考えたからです。
私たちのちょこっとスキルが,毎日行われる多くの授業にそっと寄り添えるスキルになれば嬉しいです。
それでは,ともに学んでいきましょう!
/橋 朋彦
継続して、取り組んでいきたいです。
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