- はじめに
- 本書の使い方
- 第0章 学校で育てたい「非認知能力」とは
- 1.「非認知能力」という力について
- 2.時代に要請される非認知能力の育成
- 3.非認知能力の育成のあり方―働きかけるところは?
- 4.非認知能力の育成のあり方―働きかけるとは?
- 5.チームで非認知能力を育成するために―教育実践ステップ5.0
- 第1章 ステップ1.0 Chunk down 抽象的な教育目標から具体的な行動指標へ
- 1.学校教育目標が「絵にかいた餅」になっていませんか?
- 2.学校教育目標を「絵にかいた餅」にしないために
- 3.アイデアドーナツで抽象と具体の中間をつくる
- 4.小学校,中学校,高等学校,自治体での挑戦事例
- 5.チームとしての軸を作るためのステップ1.0
- 第2章 ステップ2.0 Feedback 日常的な見取りとフィードバックで意識づけ
- 1.直接的な意識づけはまず見取りから
- 2.エピソード記録と4K分析に挑戦
- 3.見取った後はフィードバックで価値を共有
- 4.児童・生徒が自分で見取ってフィードバックできるために
- 第3章 ステップ3.0 Gimmick 意図的な仕掛けと感情への働きかけ
- 1.教師は能動的な仕掛け人になることもできる
- 2.ギミックを使いこなせるようになるために
- 3.授業で認知能力と非認知能力を一体的に育成する
- 4.プロジェクト・ベースト・ラーニングを使いこなすために
- 第4章 ステップ4.0 Assessment 量的×質的な振り返りと定期的な自己評価
- 1.非認知能力をどう評価する?
- 2.振り返りによる評価
- 3.児童・生徒の助けを借りよう!
- 4.振り返りによるログとアセスメント,メタ認知
- 5.非認知能力の定量的な評価への挑戦
- 第5章 ステップ5.0 Reflection 反省的実践者としての教師自身の省察
- 1.教師は反省的実践家なんだから
- 2.教師も環境の一部なんだから
- 3.学級・学校という場を豊かな環境に
- 参考文献
- おわりに
はじめに
小中高すべての校種で学習指導要領が改訂され,早いもので2023年度には,中学校のすべての学年が新課程で進められることになりました。そのような中,児童・生徒たちの「学びに向かう力,人間性等」をいかに学校現場で育み,「主体的に学習に取り組む態度」としていかに評価するのかという課題について,現場にいらっしゃる先生方は日々向き合っていらっしゃることとお察しいたします。
2018年11月に私が上梓した『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(東京書籍)という一冊は,新しい学習指導要領の波が押し寄せようとしていた当時のたくさんの先生方にフックがかかり,以降は校種や地域を問わず本当にいろいろな学校や自治体へ招聘していただき,そこにいる先生方と共に課題解決を進めることができました。
そうしていく内に,現場の先生方に手ごたえを感じていただきながら,実践力をより一層発揮されるようになり,学校や自治体が活性化していくことを私自身もはっきりと実感できるようになっていきました。この先生たちの変化によって,私自身も現場の先生方に負けないように自らを高めていくことができたと思います。お互いの立場は違っていても,共に児童・生徒たちのため,現場の教育のために力を注ぎ合える関係というのは,最高の宝物であると確信できました。
さて,そんな年数を重ねていく内に,これはそろそろより多くの学校や自治体の方々へ発信していく必要があるのではないかと思い始め,この度明治図書出版さんに相談させていただいた次第です。幸いなことに,今回のご提案を快諾していただき,読者のみなさんのお手元に本書をお届けすることが叶いました。本書は,一言で言えば「子どもたちに認知能力と非認知能力の一体的な育成を!」というコンセプトを持っていますが,それはあくまでも個人ではなくチームの実践によってです。
これまで本当にたくさんの学校の先生方と共に行ってきた課題解決の先にあったのは,認知能力と非認知能力は切り離さずに育成すべきであるということ,そして,この育成をチーム学校,チーム自治体で組織的に取り組んでいくためには,ある一定のステップ(段階)が必要になってくるということ……これらを本書では具体的に提案していきます。その際の最大のポイントになるのが「教育実践ステップ5.0」というものです。こちらに関するそれぞれのステップと非認知能力についてのそもそも論を含めて本書は構成されています。これまで共に取り組んできた小中高の各校種の先生方の実践事例や自治体の取組事例なども紹介していますので,少しでも読者のみなさんの「やってみようかな」を誘うことができれば幸いです。
さて,それでは次頁から読み進んでいってください! そして,本書を読み終えたとき,みなさんが私たちのパートナーになってくださっていたら,こんなにうれしいことはありません! どうぞよろしくお願いいたします。
2023年7月 /中山 芳一
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- 明治図書
- 「認知能力×非認知能力を育てる数学授業&教材10のしかけ」の理論的背景を学ぶために購入した。なぜ非認知能力の育成が必要かという点から段階的に丁寧に説明されている。2025/2/230代・中学校管理職
- 予想以上に科学的にまとめられており,テーマ研究に生かしたい。2024/8/850代・小学校教員
- 著者の講演をきいて、もっと詳しく知りたいと思い、購入しました。とてもわかりやすかったです。2024/3/140代・女性
- 非認知能力の知識を得ることができました。また、今後の個人および学校での課題も浮き彫りになり、大変参考になりました。2023/10/1640代・高校教員
- 現場でぜひとも実践してみたいと思わせてくれる一冊でした。2023/9/22ぴくみん