- まえがき
- 第1章 書けない子も書く力がつく!作文の基本テクニック
- 初級
- 1 書くことを見つける
- 2 五つの感覚を使って取材する
- 3 「始め―中―終わり」を意識する
- 4 常体・敬体を区別する
- 5 主語・述語を整える
- 6 短い文で書く
- 7 5W1H1Rを意識する
- 8 「 。」を入れる
- 9 つなぎ言葉を正しく使う
- 10 原稿用紙の使い方を理解する
- 中級
- 1 書く内容の中心を明確にする
- 2 起承転結、起承束結について知る
- 3 段落を意識する
- 4 書き出しを工夫する
- 5 最後の文を工夫する
- 6 修飾語に気を付ける
- 7 簡単な動詞や形容詞の表現を工夫する
- 8 自分だけの題名を工夫する
- 9 自分だけのオノマトペを工夫する
- 10 ナンバリング・ラベリングを使う
- 上級
- 1 適切な文章構成法を使う
- 2 対比と類比を活用する
- 3 データを活用する
- 4 三角ロジックを意識する
- 5 エピソードを入れる
- 6 「反論」や「例外」を想定する
- 7 比喩を使う
- 8 修辞法を使う
- 9 視点を工夫する
- 10 情景描写を使う
- コラム1 読点はどう打つの?
- 第2章 子どもが書きたくなる!低学年の作文アイデア
- 1 おたよりノート
- 2 ハテナ作文
- 3 再生作文・再話作文
- 4 言葉図鑑作文
- 5 えんぴつ対話
- 6 ふくろの中は何だろう作文
- 7 おおきいみかん作文
- 8 なぞなぞ詩
- 9 新出漢字作文・新出熟語作文
- 10 他己紹介作文
- コラム2 漢字で書いたほうがいい? ひらがなで書いたほうがいい?
- 第3章 子どもが書きたくなる!中学年の作文アイデア
- 1 キーワード作文
- 2 ルーブリック作文・ふりかえり俳句
- 3 変身作文
- 4 よーく見ました作文・Q&A作文
- 5 三角ロジック作文
- 6 説得作文
- 7 国語辞典作文
- 8 オリジナル四字熟語作文・四字熟語作文
- 9 おかしの袋よく見て作文
- 10 キャッチコピー作文
- コラム3 助詞「へ」と「に」、「は」と「が」の使い方の違いは?
- 第4章 子どもが書きたくなる!高学年の作文アイデア
- 1 スペースキー作文
- 2 なたもだ作文
- 3 分析作文
- 4 小説風作文
- 5 新聞記事作文
- 6 インタビュー作文
- 7 反論作文
- 8 リレー作文
- 9 ベン図作文
- 10 三つあります作文・くじびき作文
- コラム4 「ので」と「から」はどう違う? 三つ以上の語句を並べるときは?
- 第5章 子どもの学びを深める!作文指導ツール&アイデア
- 1 思考ツールを活用した作文アイデア
- 2 協同学習を活用した作文アイデア
- 3 タブレットを活用した作文アイデア
- あとがき
- 参考文献
まえがき
国語教育に携わってきて、「書くことは考えることだ」と実感することが多々ありました。そこで、「書くこと」の重要性を常に感じて、書くことを大事に学級づくり、授業づくりを行ってきました。
毎日日記を書かせたときもありました。毎回テーマを決めて、週に二回ほど書かせたときもありました。低学年では、有田和正氏から学んで「はてな帳」を書かせたときもありました。上條晴夫氏の「見たこと作文」を続けてやったこともありました。自分の成長を中心に書かせていったときもありました。
「書く力は書くことでしか身につかない」という思いから、あらゆる場面で書かせてきたように思います。国語科以外の他の教科でも、書くことを大事にしてきました。話したり聞いたり読んだりすることを、できるだけ書くことにつないで実践していきました。
書くことを実践しているうちに、子どもたちに書き方の技能への意識をもたせることの大切さを感じてきました。ただ繰り返し書くだけではなく、授業等で学習したことを「書き方のワザ」として学級で蓄積し、それを活用して書いていくようにしました。ワザを使うことで、書くことが上達することを自覚できるようにしました。授業以外でも、書くためのテクニックを計画的に子どもたちに教えていく必要性も感じました。
先日、田村学氏の「深い学び」についてのお話を聴く機会に恵まれました。田村氏は、「深い学び」を考える際のキーワードとして「つなぐ、つながる、つなげる」を示されています。「『深い学び』とは、『知識・技能』が関連付いて、構造化されたり身体化されたりして高度化し、駆動する状態に向かうこと」だと述べておられます。「深い学び」に向かうためには、知識を活用・発揮することが重要であり、知識をまとめたり考えたりして、それをアウトプットする学習が有効であるのではないかと私は考えました。つまり、話したり聞いたりする活動や書いて伝える活動が知識を駆動する状態に向かわせ、深い学びにつなげられるのではないかと感じたのです。以前からやってきた、話したり聞いたり読んだりした学習の学びを書くことにつないで実践していくことは、田村氏の言われる「深い学び」につながるのではないかと思います。
作文教育に関しては、先達の素晴らしい実践がたくさん残されています。今の時代でも基本的な知識として知っておきたい実践が多くあり、素晴らしい先達の実践を若い先生方に伝えたいという思いです。
また、授業改善が望まれる今、新しい指導観に基づいた授業の工夫が必要になってきます。これまでの一斉指導が中心の授業からは転換を図った、授業の工夫が必要になります。
そこで今回、私が先達から学んで、自分で実践してきた様々な作文の実践を、できるだけ新しい授業観に沿うようにアレンジしてまとめてみました。テクニックに関しても、計画的に教えておくと子どもが作文を書きやすくなるような事項をまとめました。
最近、私が興味をもって実践している「思考ツール」と「協同学習」、そして今後ますます必要になる「ICTの活用」についても少し入れさせていただきました。今度、さらに作文指導との関連を図って実践を深めていきたいと思います。
書けない子をなくすために、本書が少しでも役に立てば幸せです。
二〇一九年五月 /橋本 慎也
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- 明治図書
- 作文指導のヒントを得ることができる。2024/3/960代・小学校教員
- 作文の自分なりの流れを持ってる先生が、自分の実践の整理として、また違う視点の参考にしたい時におススメの本です。2020/2/1530代・小学校管理職
- これまで、tossの実践を元に、作文指導を行っていましたが、最近手詰まり感があり、他の指導法がないか模索していました。そして、この本に出会いました。この本には、多彩な実践例が載っており、すぐに現場で使える方法でもあり、とても役立ちました。2019/8/7まさる