- まえがき
- 第1章 「個別の保育・指導計画」とは?
- 1 「個別の保育・指導計画」の位置づけ
- 2 「個別の保育・指導計画」を作った方がよい子ども
- 3 「個別の保育・指導計画」の作成方法
- 4 「個別の保育・指導計画」の活用方法
- 第2章 子どもの苦手さからみる保育・指導計画大全
- 1 基本的生活習慣
- (1)考えられる背景要因
- (2)苦手のみとりポイント
- (3)具体的な指導・支援例
- @トイレで排泄ができない
- A食事に時間がかかる
- B着替えができない・遅い
- C活動の切り替えが苦手
- 2 運動(粗大・微細)
- (1)考えられる背景要因
- (2)苦手のみとりポイント
- (3)具体的な指導・支援例
- @よくぶつかる・こける
- A高いところや揺れる遊びを怖がる
- Bはさみがうまく使えない
- C運動遊びが苦手
- 3 社会性(人間関係)
- (1)考えられる背景要因
- (2)苦手のみとりポイント
- (3)具体的な指導・支援例
- @友達と遊べない・一人遊びをしている
- A友達とよくケンカをする
- B自分が勝たないと気が済まない
- Cルールが守れない
- 4 言葉(コミュニケーション)
- (1)考えられる背景要因
- (2)苦手のみとりポイント
- (3)具体的な指導・支援例
- @言葉がうまく話せない
- A聞き返しや聞き誤りが多い
- Bおしゃべりが止められない
- Cうそをつく
- 5 遊び(表現)
- (1)考えられる背景要因
- (2)苦手のみとりポイント
- (3)具体的な指導・支援例
- @いつも同じ絵ばかり描く
- A絵本や紙芝居の時に保育室から出てしまう
- B歌や手遊びが苦手
- C園の行事にうまく参加できない
- 第3章 発達障害のある子の個別の指導計画&指導実践例
- 1 言葉の遅れがあり,ぼんやり過ごすことの多いけいくん
- (私立保育園・2歳児)
- 2 自分の世界に没頭する空想家まいちゃん
- (市立保育園・2歳児)
- 3 思い通りにならないと泣き叫ぶかいくん
- (私立保育園・3歳児)
- 4 難しい言葉は知っているのに気持ちは伝えられないおとくん
- (認定こども園・3歳児)
- 5 じっと座れず,力加減のできないりゅうくん
- (市立幼稚園・4歳児)
- 6 気になることがあると動けなくなるさゆりちゃん
- (認定こども園・4歳児)
- 7 上靴を履けない,不器用なうらくん
- (私立保育園・5歳児)
- 8 まじめで頑張り屋,だけど絵が苦手なあやちゃん
- (市立幼稚園・5歳児)
- 〈資料〉
- アセスメントシート:発達目安表
- 個別の保育・指導計画
- 参考文献
まえがき
本書でご説明する「個別の保育・指導計画」は,2018年4月に施行された「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の3法令のねらいを踏まえています。日本の就学前教育を担う施設は,保育園・幼稚園・幼保連携型認定こども園です。それぞれの施設の始まりの時期や受け入れる子ども達の生活スタイルは少し違いますが,どの保育施設も目指すべき幼児像は同じです。乳幼児期は,「生涯にわたる人格形成の基礎を培う」大事な時期です。どこにいても必要な指導や支援が受けられ,全ての子どもが自分らしさを損なわず,長いこれからの人生に向かって生き生きと,社会に関わる人として成長していくように,保育者は日々の保育に取り組んでいます。
どの園の保育者も,子ども一人一人の特性や発達に応じ,その子どもの発達の課題に応じた保育を心がけています。しかし,熱心な保育者が,「障害?気質?特性?育ち方?」と戸惑われるタイプの子ども達がいます。そうした子ども達を理解し,支援するためには,子どもへの愛情・熱意だけではうまくいきません。ニュージーランドのネスト幼稚園の園長先生が,「保育には3つのHが必要」と言われていました。「Head, Heart, and Hand:子どもを冷静に見て理解する頭,子どもへの分け隔てのない豊かな愛情,必要な子どもに必要な時に差し伸べる手,援助」です。理解するためには,しっかりと子ども一人一人を見て,その背景にある特性を見極める力が必要です。そして,保育者は一人ではなく,保育者同士,保護者も含めた子どもを取り巻く人達と協力して「子育ち・子育て」をサポートしていくのです。その共通理解のためには,この「個別の保育・指導計画」は必要不可欠なツールなのです。
本書は,この「子ども理解」と「子どもへの支援」をできるだけ具体的にまとめました。忙しい保育者がパッと見て,手立てとして取り入れやすく,「個別の保育・指導計画」がまとめられるよう,順を追って説明しています。また,困った行動の背景にある原因もあげて,その原因別の手立ても解説しています。同じ行動に見えても,要因が違えば対応も違います。子どもが本当に困っているサインに気づき,適切に対応するためのヒントにしていただければと思います。
ぜひ,皆さんの園にいる特別なニーズを持った子ども達を理解し,手を差し伸べていく保育を目指し,一人一人の子どもに合わせた「個別の保育・指導計画」を作成してください。
著者を代表して /高畑 芳美
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内容 | ファイル名 | サイズ | |
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資料 | hoikukeikaku.zip | 1,147KB |
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