- はじめに
- 序章 授業の腕前次第で子どもの学びは変わる
- 子どものアクティブな学びを引き出すには
- 算数授業は導入で8割決まる!?
- つぶやきを生かせる教師生かせない教師
- 第1章 問いの引き出し,つなぎがもっとうまくなる4の技
- 1 友だちの考えとのズレを引き出す
- 2 予想とのズレを引き出す
- 3 感覚とのズレを引き出す
- 4 既習とのズレを引き出す
- 第2章 課題づくり・発問がもっとうまくなる12の技
- 5 先行学習で対応できないしかけをつくる
- 6 似て非なる問題を扱う
- 7 情報を整理し過ぎない
- 8 認識の曖昧さを自覚させる
- 9 安定感を崩す
- 10 自由実験でしかける
- 11 拡がりのある課題でしかける
- 12 大量の情報を提示する
- 13 見せ方を変える
- 14 条件不足にする
- 15 既習内容が使えそうで実は使えない課題を扱う
- 16 答えがありそうで実はない課題を扱う
- 第3章 子どもの見とりがもっとうまくなる4の技
- 17 算数が苦手な子どもに注目する
- 18 先行学習をしている子どもをゆさぶる
- 19 「わかりました」に騙されない
- 20 瀬戸際に立たせることで意思表示させる
- 第4章 話し合いの授業がもっとうまくなる10の技
- 21 マイチョークで参加意欲を高める
- 22 板書した子以外の子どもを巻き込む
- 23 友だちの気持ちを語らせる
- 24 わからなさを表現させる
- 25 本時のポイントを2つの方法で全員に再現させる
- 26 念押し発問で話し合いをまとめる
- 27 子どものつぶやきに食らいつく
- 28 価値あるつぶやきを共有する
- 29 一般化の考えを使わせる
- 30 教師が親切に解説しすぎない
- 第5章 ノート指導がもっとうまくなる5の技
- 31 「思考の検索先」という意識で指導する
- 32 ていねいさと自由さのバランスをとる
- 33 振り返りの目的を意識させる
- 34 振り返りでは目標数値を提示する
- 35 ノートはその日に返す
- 第6章 数学的な考え方の育成がもっとうまくなる7の技
- 36 相反する2つの「だったら」
- 37 混沌を打開する「例えば」
- 38 実験範囲の拡張を促す「たまたまじゃないの?」
- 39 表現したいことの高まり「絶対に」
- 40 一般性の吟味「もし…だったら」
- 41 素直な疑問「でもさぁ」
- 42 数学的な考え方への確信「やっぱり」
- 第7章 板書がもっとうまくなる4の技
- 43 検索インデックスとなる1行目にこだわる
- 44 めあてとまとめの扱いを工夫する
- 45 子どものつぶやきを色チョークで明示する
- 46 1時間の流れを1枚で見せる
- 第8章 教科書の使い方がもっとうまくなる4の技
- 47 教科書の見せ方を少しだけ変える
- 48 教科書の考え方を予想させる
- 49 教科書の展開を少しだけ変える
- 50 単元末の練習問題の扱い方を工夫する
- 読めば算数の授業がもっとうまくなるおすすめの20冊
- おわりに
はじめに
ある学校で授業を参観しました。指導案がまったく同じクラスが3クラスありました。これがチェーンのファーストフード店のメニューであれば,3店舗でまったく同じ商品が提供されます。
さて,この3クラスでも同じ授業が展開されたのでしょうか…?
いいえ,同じ指導案で授業を進めたにもかかわらず,展開された授業はまったく別物でした。
指導案通りに淡々と展開するクラス。
指導案通りにならず,教師が右往左往するクラス。
指導案通りではないものの,子どもの素直なつぶやきに寄り添って柔軟に展開を修正しているクラス。
子どもが生き生きと学んでいたのは,3つめのクラスでした。
この差はどこから生まれるのでしょうか?
ひと言で言えば,教師の授業力の差です。
決められた手順通りに料理をつくることと,子どもたちを相手に授業をすることは大きく異なります。授業力には,一つひとつの指導技術だけではなく,教師の思い通りにはならない子どもに寄り添いながら授業を進める姿勢なども含まれます。
そんな授業力を身につけ,子どもたちともっと算数の授業を愉しみたいと考える多くの先生方の一助となることを願い,本書を提案します。
2017年5月 /尾ア 正彦
とてもわかりやすい。
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