- はじめに
- 第1章 小1担任の仕事と基本的な指導の姿勢
- 小1担任の仕事
- 基本的な指導の姿勢
- 第2章 1年生の担任に決まったら
- 入学式までの準備
- やることのリストアップと入学式までのスケジュール作成
- 配慮が必要な子を確認する
- 学年間の共通理解を図る
- 学年・学級経営案作成の準備をする
- 教室環境を整備する
- 子どもの名前を覚える
- 資料を準備する
- 入学式当日の流れを確認する
- 入学後1週間の時間割を作成する
- 入学式前日準備のための準備をする
- てきぱきと指示を出す
- 教室の飾りつけをする
- 配付物を確認する
- 最終チェックをする
- 入学式当日
- 入学式でのあいさつ
- 入学式後の教室でのあいさつ
- 第3章 入学式から1週間の仕事
- あいさつ、返事の仕方
- 靴箱、傘立ての使い方
- 教室に来たらすること
- ランドセルのしまい方
- 連絡帳、提出物の出し方
- 道具箱の使い方
- 健康観察のやり方
- トイレの使い方
- 手紙、プリントのしまい方
- 帰りの支度
- 下校の仕方
- 並び方
- 教室移動、廊下歩行の仕方
- 発表の仕方、話の聞き方
- 鉛筆の持ち方
- 体操着の着替え方
- 遊具の使い方
- 休み時間の過ごし方
- 給食の準備
- 第4章 入学式から1か月の仕事
- 日直のシステム
- 朝の会、帰りの会のシステム
- 係活動のシステム
- 掃除のシステム
- 宿題(家庭学習)のシステム
- 教室環境の整備
- 学級通信の発行
- 子どもの実態把握
- 保護者会
- 家庭訪問
- 運動会指導
- プール指導
- 保護者面談
- 第5章 1年生入門期の授業づくり
- 国語の授業づくり
- 算数の授業づくり
- 生活科の授業づくり
- 音楽の授業づくり
- 図工の授業づくり
- 体育の授業づくり
- 第6章 覚えておくと必ず役立つ小1担任の小ワザ集
- 掃除ロッカーが整頓できる小ワザ
- 漢字の指導で使える小ワザ
- 子どもの誕生日を祝う小ワザ
- 時間を意識させる小ワザ
- 姿勢がよくなる小ワザ
- 気づいて行動するようになる小ワザ
- 観察が上手になる小ワザ
- ノートの使い方が上手になる小ワザ
はじめに
この本を手に取ってくださった方は、「4月から小学1年生の担任をすることになったが、これからどんな指導をしていけばよいのかわからない」と困っている先生や、「今後1年生の担任をやりたい」と考えている先生だと思います。
1年生の教室は「ワンダーランド」です。
想定外のことがたくさん起こります。毎日が新鮮な驚きでいっぱいです。
ぜひ、1年生の子どもたちと一緒に楽しい毎日を送ってほしいと思います。
私は、もう20年以上前、教師になって6年目ではじめて1年生の担任をすることになりました。教師という仕事にも慣れ、授業にも学級経営にも、ある程度の自信がついてきた時期でした。
「1年生の担任ははじめてでも、2年生の担任をしたこともあるし、なんとかなるだろう」と思っていました。
しかし、小1担任の仕事は、他の学年とは違いました。
入学式までの膨大な仕事量、どこから手をつけたらよいのかわかりません。
入学式後も、勉強以外に教えることがたくさんあり、なかなか授業が進みません。
子どもたちは指示を出してもなかなか動いてくれません。
国語の教科書を見ても、絵ばかりで文字が少ししか書いてありません。「これでどうやって45分も授業をするのか…」と途方に暮れてしまいました。
とにかく自分の学級だけ遅れてしまっては困るので、学年の先生の様子を見たり、教育書を読んだり、サークルで先輩からアドバイスを受けたりしながら、毎日必死でした。しかし、何が何だかわからずバタバタしているうちに、4月、5月が終わってしまったことを覚えています。
でも、安心してください。
はじめての小1担任でも、次の2つのことを心がけ、準備しておけば大丈夫です。
●入学式までの流れを把握し、しっかりと準備する。
●はじめの2か月で学校生活、学習の基礎・基本を教え、身につけさせる。
小1担任になると、4月のはじめはとにかくやることがたくさんあります。次から次へと仕事が出てきます。だからこそ、入学式までに何をしなければならないのかを把握しておくことが大切です。やるべき仕事がわかれば、後は優先順位をつけて手際よく進めていくだけです。
入学したばかりの1年生は、小学校のことは何も知りません。本当に一から順に丁寧に教えていきます。ですから、何をいつまでに教えるかを意識して指導していく必要があります。はじめの2か月で小学校生活に慣れさせ、小学生らしくしていきます。
1年生にとっては、国語や算数だけが学習ではありません。「靴箱の使い方」「ランドセルのしまい方」「トイレの使い方」「給食の準備、片づけ」「掃除の仕方」など、学校生活のすべてが大切な学習です。2年生以上の子には当たり前のことも、1年生にとってははじめての経験であり、当たり前ではないのです。ですから、何を指導するのかを理解しておくことが必要です。
4月、5月の2か月間で学校生活の基礎・基本をしっかりと指導しておけば、6月くらいには、1年生もある程度のことは自分の力でできるようになります。ここまで来れば、あとは他の学年と同じように指導していくことができます。
本書では、私の今までの経験から、小1担任をするために知っておきたいことや、その具体的な方法をまとめました。
小1担任は、特に4月に何をするのかが重要です。そこで、「入学式まで」「最初の1週間」「最初の1か月」に、「何を」「どのようにするのか」を中心に書いています。小1担任になって不安な気持ちの先生は、本書を読んで興味をもったこと、参考になることがあったら、ぜひ実践してみてください。本書が小1担任の先生方のお役に立つことを期待しています。
最後になりましたが、このような執筆の機会を与えてくださった明治図書の矢口郁雄氏と、いつも一緒に学び、すばらしい実践で刺激を与えてくれる、静岡教育サークル「シリウス」の先生方に深く感謝申し上げます。
2019年1月 /渡邊 朋彦
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- 明治図書
- 一年生の指導のしかたが分かった。2021/2/13リクガン
- 初めて1年生を担任する先生にうってつけの本だと思います。買ってよかったです。2019/3/1230代・小学校教員