- はじめに
- 序章 「ちょい技」が生きる授業構想5つのポイント
- (1)「学ばせたいこと」を明確にする
- 1 授業後の感想を思い描き,ゴールから授業を考える
- 2 ねらいから曖昧な言葉を取り除く
- 3 領域を貫く考えを捉える
- (2)「学ばせたい」を「学びたい」にする
- 4 一番教えたいことを,子供に発見させる
- 5 夢中になれる教材かを,4点でチェックする
- コラム 授業構想 技の心
- 1章 授業準備のちょい技
- (1)アイディア発想のちょい技
- 1 算数のアンテナを立てて,生活の中から教材を見つける
- 2 まわりを巻き込んで,発想を広げる
- 3 本質を捉えて,内容を発展させる
- 4 目的を捉えて,活動を充実させる
- 5 常識を疑って,発想を広げる
- 6 逆思考で考えて,発想を広げる
- コラム 授業準備 技の心
- 2章 教材・教具のちょい技
- (1)矛盾・驚きを生み出すちょい技
- 7 予想外の結果で,「あれ?」を生み出す
- 8 数値にしかけをして,「あれ?」を生み出す
- 9 「○○なのに△△」の形をつくり,「どうして?」を生み出す
- 10 矛盾した考えが生まれるように仕組み,「どうして?」を生み出す
- 11 「○○なのに」を固めて,「どうして?」を大きくする
- 12 既習との違いから,「どうして?」を生み出す
- (2)切実感を生み出すちょい技
- 13 生活と結びつけて,切実感を生み出す
- 14 ゲーム性をもたせて,夢中にさせる
- 15 手間がかかる場面を生じさせて,「簡単にしたい」を引き出す
- 16 煩雑な場面を生じさせて,「整理したい」を引き出す
- 17 困る場面を生じさせて,「解決したい」を引き出す
- (3)適度な負荷を生み出すちょい技
- 18 適度な難しさにして,やる気を引き出す
- 19 説明させて,負荷を与える
- (4)多様な考えを生み出すちょい技
- 20 提示の仕方を工夫して,多様な考えを生み出す
- 21 活動を制限して,多様な工夫を引き出す
- (5)教材を味つけするちょい技
- 22 目先を変えて,意欲を引き出す
- 23 勝負させて,意欲を引き出す
- コラム 教材・教具 技の心
- 3章 導入・課題提示のちょい技
- (1)一気に授業へ集中させるちょい技
- 24 すぱっと本題に入り,ひきつける
- 25 物を使って,ひきつける
- 26 「静かに」を言わずに,静寂をつくる
- (2)問題場面をイメージし,解決の見通しをもたせるちょい技
- 27 問題文を4行で板書して,理解しやすくする
- 28 既習を想起させて,考える武器をもたせる
- 29 問題文に□を入れて,既習と未習を明確にする
- コラム 導入・課題提示 技の心
- 4章 自力解決のちょい技
- (1)自分なりの考えをつくり上げるちょい技
- 30 相談をOKにして,考えやすい空気をつくる
- 31 目的が明確な机間指導で,子供の考えを深める
- (2)考えをつくるノート指導のちょい技
- 32 ノートは必ずチェックして,全員を参加させる
- 33 問題文を3行で要約させ,問題場面を整理させる
- 34 矢印関係図を使って,把握しやすくする
- 35 メモ感覚で図をかかせ,動き出しをつくる
- コラム 自力解決 技の心
- 5章 話合いのちょい技
- (1)発言を活発にするちょい技
- 36 自信をもたせて,発言しやすくする
- 37 ペア・グループ学習で,考えを深める
- (2)考えのよさを引き出すちょい技
- 38 図と式と言葉を結びつけて,理解を深める
- 39 ずばり一言で名前をつけ,本質を捉えさせる
- 40 Aでない考えと比較して,Aのよさを引き出す
- 41 立場を決めさせて,全員を当事者にする
- 42 違いと共通点を明確にして,よさを浮き彫りにする
- 43 焦点をうんと絞って,話合いを深める
- 44 わざと間違えて,「違うよ,だって…」を引き出す
- 45 次の言葉を引き出す問いかけで,説明しやすくする
- (3)間違いを生かすちょい技
- 46 間違いを生かして,考えを深める
- 47 予期せぬ考えを取り上げて,考えを深める
- 48 間違いを予想させて,取り上げる
- (4)考えを揺さぶるちょい技
- 49 矛盾する考えと出会わせ,考えを揺さぶる
- 50 曖昧さを浮き彫りにして,考えを揺さぶる
- 51 同じことを3回言って,考えを揺さぶる
- 52 話合いを交通整理し,考えることを明確にする
- コラム 話合い 技の心
- 6章 まとめ・振り返りのちょい技
- (1)確実な定着を図るちょい技
- 53 計算練習のルールを工夫して,飽きさせない
- 54 深まったきっかけを振り返り,着想の引き出しを増やす
- (2)もう1歩考えを深めるちょい技
- 55 「だったら」を体験させ,楽しさを味わわせる
- 56 はじめの条件を明確にして,条件をアレンジさせる
- 57 観点に応じた振り返りで,時間を有効に使う
- コラム まとめ・振り返り 技の心
- 7章 隙間時間のちょい技
- (1)算数好きを育てるちょい技
- 58 おまけの話で,算数好きにする
- 59 おまけの話で,発展的に考える
- 60 人生の話に算数を盛り込み,説得力を増す
- おわりに
- 付録 紹介事例一覧 〜学年別早見表〜
はじめに
感動ある授業を!
「深い学び」という言葉が巷を賑わしています。「深い学び」が大切なことは,何となく分かります。しかし,「深い学び」とは,一体,どういう学びのことなのでしょうか。そう問われると,答えるのが難しい言葉です。
反対に「浅い学び」について考えた方がイメージしやすいのではないでしょうか。「浅い学び」というと,「知識だけを教え込まれた,つまらない学び」といったことがイメージされます。「深い学び」は,その反対ですから,「感動を伴った,能動的で楽しい学び」ということになるでしょう。「あれ?」「どうして?」と心が揺さぶられ,「なるほど」と納得し,「だったら」と考えを発展していく学びです。
本書は,「あれ?」「どうして?」「なるほど」「だったら」といった感動が生まれる授業を目指して,書いた本です。
ちょっとした技で子供は変わる!
「感動が生まれる授業」というと,大それたイメージを与えてしまうかもしれません。日々の授業の中に感動を生み出すことを,難しく感じる方もいるでしょう。しかし,そうではありません。ほんの些細なことで,子供の反応が変わることがあるのです。
例えば,説明をさせる際に,たった一言「先生になったつもりで」と添えるだけで,説明の質が高まります。さらに,「○年生に教えるつもりで」という言葉を添えれば,「既習を生かして」と教師が言わなくても,子供は既習を生かして説明することでしょう。
本書では,そんなちょっとした些細な技を,60個紹介します。明日からの授業にすぐに使える技ばかりです。気負わずに読んでいただければと思っています。
自分なりの「ちょい技」を!
本書は書名に「ちょい技」とありますから,ハウツー本ということになります。どのページから開いていただいても,必要に応じた「ちょい技」と出会えるようになっています。
ハウツー本ではあるものの,別の使い方もできるように書いたつもりです。教育技術の裏には,その技に至る授業観があります。本書を全て読んでいただければ,「ちょい技」の裏に潜む授業観を感じてもらえるはずです。そうした授業観に共感いただき,それを基に,自分なりの「ちょい技」をつくっていっていただければ,幸いです。
授業に感動を!
そう願って…。
2019年6月 /前田 正秀
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- 明治図書
- ちょい技をちょいちょい使っています。ふとしたときに思い出して技を使うと、子どもの反応が変わりました。使える一冊です。2021/2/13リクガン
- 算数の授業で使える技について学ぶことができました。2020/8/640代・小学校教員
- 自分の授業の足りている点、足りていない点を整理してふりかえるのにわかりやすい本だと思います。2019/12/1730代・小学校管理職
- わかりやすくて、とても参考になった。2019/11/830代・小学校教員