- はじめに
- 第0章 とはいえ、やっぱり「4月」は大事だ
- 学級開き≠ナ打つべき7つの布石
- 1 安定した環境をつくる
- 2 意識的にゆっくりテイクオフする
- 3 「1つのこと」で突破させる
- 4 所属意識をもたせる
- 5 「待たない指導」を効果的に活用する
- 6 日案ノートを作成する
- 7 保護者の目線を意識する
- 第1章 魔の「6月」≠ェやって来た!
- はじめての正念場を乗り切る戦略・戦術
- 1 まずは6月の特徴を理解する
- 2 子どもの前に教師の乱れを点検する
- 3 「小さな重大問題」に気づく
- 4 場を整えることで心を整える
- 5 リーダーとして振る舞う
- 6 自分の「ほめる」「しかる」を見つめ直す
- 7 瞬発力のある指導をする
- 8 言葉に責任をもつ、もたせる
- 9 最後までしゃべらせる
- 10 「小さなトラブル備忘録」をつくる
- 11 「すぐできる、簡単、楽しい」遊びを取り入れる
- 12 安定した授業に軌道修正する@―傍観者をつくらない
- 13 安定した授業に軌道修正するA―時間管理を徹底する
- 14 安定した授業に軌道修正するB―指名の仕方を工夫する
- 15 安定した授業に軌道修正するC―メモを生かしてノート指導をする
- 16 安定した授業に軌道修正するD―発問を正確に、明確に示す
- 第2章 2学期への架け橋をつくる「7・8月」
- 充実の秋につなげる戦略・戦術
- 1 ゆとりをもって1学期を締めくくる
- 2 ポイントを押さえた夏休みの宿題指導をする
- 3 はがき作戦で子どもたちへアプローチする
- 4 2学期に向けた新しい戦略の構築をする
- 第3章 リスタートの「9月」は教師の腕の見せ所
- 学級再始動で意識したい戦略・戦術
- 1 2学期は教師の覚悟が問われる
- 2 ガミガミクラスへ進まないために
- 3 原理原則を見つめ直す
- 4 大事な話はもう一度する
- 5 習慣を一つひとつ見直す
- 6 BeingとDoingを使い分ける
- 7 「空気」をコントロールする
- 8 子どもの見方を変える
- 9 横のつながりを深める
- 10 簡単エクササイズでコミュニケーション力を高める
- 第4章 創造性・協働性を高める「10・11・12月」
- マンネリを打破する攻め≠フ戦略・戦術
- 1 行事指導は学級経営のためにある
- 2 係活動の見直しで創造性・協働性を高める
- 3 自主学習のレベルアップで自主性・学力を高める
- 4 年末の大掃除で教室をピカピカに
- 5 クイズで楽しく一年を締めくくる
- 第5章 学級の完成に向かう「1・2月」
- 早足の3学期を失敗しないための戦略・戦術
- 1 1・2月の特徴を理解する
- 2 教室の監督者として振る舞う
- 3 焦らず、地道に継続する
- 第6章 感動・感謝・充実の「3月」
- 子ども・保護者・教師を笑顔にする学級納め≠フ戦略・戦術
- 1 脅さず焦らさず、認めることを大切にする
- 2 最後は自分らしさで勝負する
- 3 卒業式で自主性・意欲を最大限に高める
- 4 振り返り作文で学年末に向けて気持ちを高める
- 5 「最後の保護者会」で演出する
- 6 「学級納め」で演出する
- 1年間崩れないクラスをつくるためのお役立ち書籍
- おわりに
はじめに
はじめまして、須永吉信と申します。
私は地方都市の公立小学校に勤務する、大卒上がりの教職10年目、どの職場にもいるミドルリーダーに片足を突っ込んだ、いたって普通の青年教師です。
プライベートでは家庭をこよなく愛する子煩悩な32歳の家庭人であり、これまた普通の父親です。
附属小に勤めて研究したり、セミナーの講師に呼ばれて講座をしたり、各地を飛び回って勉強したり…ということはありません。
「なぜそんなヤツが本なんか書くのか」
とつっこみたくなると思いますが、そんな私だからこそ伝えられることがあると思っています。
はじめにはっきりと書きます。
今の学校は一部のスター教師、できる教師だけが燦然と輝くようではダメなのです。
強烈な一等星だけではなく、夜空を様々な星が彩り、夜空を賑わせるようでなくてはなりません。
画家は、様々な絵の具を見事に配置し、1つの美しい絵画を仕上げます。「絵具だけでこんなに美しい作品が描けるのか」と思うほどです。
教師もまた、お互いの個性を生かし、時にお互いをフォローし合い、協働性を発揮して、個々人では考えられないような1枚の絵―「学校」をつくり上げていく時代だと思います。
ところが、今の学校の現状はどうでしょうか。
未だに一部のできる教師―燦然と輝く一等星―にすがる、頼る、任せすぎてしまうことが多いのではないでしょうか。時には、そんな一等星が、他の星を焼き尽くしてしまうケースも見られます。
繰り返しになりますが、僕はどこにでもいる普通の教師です。
いえ、かつては普通以下の、五等星にも届かないダメ教師でした。多くの知り合いは「なんであいつが…」と怪訝に思うほどでしょう。
僕は、「できる教師」が当たり前に身につけていることはおろか、普通の教師が感覚的にできてしまうようなことも、一から学ばなくてはいけませんでした。
だからこそ、どん尻教師だった僕だからこそ、書けることがあるのです。
この本はあなたを一等星にはできません。
一等星になりたいのなら、同じく一等星が書いた他の有名な先生の本を読んでください。
しかし、私と同じく、日々の学級経営をどうしたらよいか悩んでいる先生には、きっとお役に立てるはずです。
「本の通りにはとてもじゃないけどできない!」
「本の通りに実行してもうまくいかない!」
「なぜそうするのか、どうしてそうするのか、いまいちよくわからない!」
私自身、何十、何百と本を読み、悩みながら実行に移してきたので、何度もこのような経験をしてきました。
このような経験を生かして、本書では1年間の学級経営の勘所を押さえるだけでなく、原理原則をなるべく明確にするよう心がけました。あなたの「なぜ」「どうして」にきっと答えられることと思います。
私は、志を同じくする若い世代の教師、いや日本中すべての教師に、「もっともっと元気になってほしい!」と心より願っています。
そのために自分のできることはなんでもしたい。
この本は、そのための「下地」です。
先生方の学級経営を支える「下地」になるつもりで書きました。どうぞ存分に踏みつけ、読み倒してくださればと思います。
「なるほど! 明日の学校がちょっと楽しみになったかも!」
本書にそのささやかなお手伝いができれば幸せに思います。
2019年4月 /須永 吉信
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