- はじめに
- 1 事実は小窓からの景色ととらえる
- 2 子どもを曇りなき眼(まなこ)で見る
- 3 連絡帳を見たらすぐに保護者へ電話する
- 4 まずは保護者の思いを受信する
- 5 Q&Aでなく,Q&Qで展開する
- 6 「なぜ?」と問わない
- 7 「○○のように見えたよ」などと言う
- 8 医療から手順を学ぶ
- 9 見えているのは一部分だけだと認知する
- 10 「大丈夫だよ!」には,注意する
- 11 人を好きになり人に興味をもつ
- 12 今この場をいろいろな人が見ているように感じる
- 13 1本の電話で,ピンチが一転する
- 14 常に子どもを中心に置いているイメージで保護者と話す
- 15 ダメージへの共感が対応のスタートとなる
- 16 常に問題の本質とは何かを見極める
- 17 問題要因の整理整頓や条件整理をする
- 18 新鮮な感覚で人と向かい合う
- 19 もう大丈夫でなく,まだまだだと考える
- 20 情報は求める人だけに集まる
- 21 行動療法は自動販売機をイメージする
- 22 報連相だけでは栄養不足と考える
- 23 自分からでなく相手から喋ってもらう
- 24 当事者の目から第三者の目に転換する
- 25 開かれた学校にする
- 26 アナログ対応とデジタル対応を使い分ける
- 27 解決の最重要点は,始めの一歩にある
- 28 子どもは思ったとおりに育つのではなく,言われたとおりに育つもの
- 29 愛情の充電をする
- 30 子どもから豊かに学ぶ
- 31 子どもの心の中は見透かせない
- 32 成長して大きく変容する
- 33 本当の親切とは何かを追究する
- 34 起きた事案は理由を追究する
- 35 自分の言葉がどう伝わったかを把握する
- 36 多様性への柔軟性をもつ
- 37 必要なわがままもあると考える
- 38 お礼を言われるまで問題対応をする
- 39 保護者は協働行動の同志である
- 40 本当に子どものためになるかを考える
- おわりに
はじめに
子どもたちや保護者から信頼される教師になりたい…これは,すべての教師の願いです。そうなるためには,どうすれば伝わるか,理解されるかと,課題意識をもつこともあることでしょう。
これまでの長い現場経験から痛切に感じることは,経年とともに,教師は発信力(発信スペック)が強くなります。どう伝えられるか,どう噛み砕いてメッセージを伝えればよいかの研鑽を積み,全体を仕切り,的確な話や指示を明確に伝える発信力(発信スペック)に力を注ぐことが大変多いと思います。
このことは,親としても同じことが言えます。第1子の生まれたときには,親としてもスタートしたばかりで,どうしたらいいか分からないことの連続ですが次第に落ち着いてくると,「ちゃんとしつけなきゃ!」という責任感と自覚で,子どもへの発信が多くなります。
本書では,長い教師経験と親としての経験を踏まえて,発信力(発信スペック)を発揮するためには,大前提として聞く力,受けとめる力,感じとる力,即ち,受信力(受信スペック)が大事ということを主張しています。しっかりと受信力(受信スペック)を磨き続け,豊かな受信力(受信スペック)によって子どもを把握することができれば,発信力(発信スペック)も効果的に発揮されます。
豊かな受信力(受信スペック)を取得すればするほど,おのずと必要な発信力(発信スペック)は身についていきます。受信力(受信スペック),これは学級担任や校長,教頭,教務主任などの役職者や養護教諭,栄養教諭など教師全員,さらに,これから教職をめざす学生の皆さんにも,ぜひ磨いていただきたいことです。
2018年5月 金城学院大学教授 /森上 一美
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- 明治図書
- 基本的な内容で分かりやすいと思います❗2018/6/2750代・小学校管理職