- まえがき
- Chapter1 プレゼンテーションを位置付けた国語授業の理論と方法
- 1 プレゼンテーションで身につけたい力
- 2 プレゼンテーションに必要な言語意識
- 3 プレゼンテーションを位置付けた国語授業の学習過程
- 4 プレゼンテーションを支えるフレームワーク
- 情報収集に用いるフレームワーク
- KJ法
- ツリー図
- SW法
- ペイオフマトリクス
- マインドマップ
- 論理構築に用いるフレームワーク
- ロジックツリー
- ピラミッドストラクチャー
- SDS法
- PREP法
- DESC法
- TAPS法
- 4つの質問シート
- AIDMAの法則
- Chapter2 プレゼンテーションを位置付けた国語授業の実践
- 1年
- 話すこと・聞くこと
- 1 故事成語で童謡をつくろう
- 2 ブックトークで本の魅力を伝えよう
- 書くこと
- 3 旅行のオプションを提案しよう
- 4 ポスターのボディコピーをつくろう
- 読むこと
- 5 新版「ちょっと立ち止まって」を提案しよう
- 2年
- 話すこと・聞くこと
- 6 お国自慢―福岡県をPRしよう―
- 7 車を売り込もう
- 書くこと
- 8 架空美術館―開催したい展覧会のチラシをつくろう―
- 9 店頭ボードをつくろう
- 3年
- 話すこと・聞くこと
- 10 誕生日プレゼントにスマートフォンをもらおう
- 11 試食販売のデモンストレーションをしよう
- 書くこと
- 12 小中交流会での授業を提案しよう
- 読むこと
- 13 教科書に載せる文章の改善案を提案しよう
- あとがき
まえがき
中学校学習指導要領(平成29年告示)解説国語編には,以下のように中央教育審議会答申における国語科の改善の基本方針が示されています(一部掲載)。
子どもたちの発達の段階を踏まえた学習の系統性を重視し,学校段階・学年段階ごとに,具体的に身に付けるべき能力の育成を目指し,重点的な指導が行われるようにする。その際,中学校においては社会生活に必要な国語の能力の基礎をそれぞれ確実に育成するようにする。
解説の中では,「社会生活に必要」とされる国語の能力を育成するために,「発表,討論,解説,論述,鑑賞などの言語活動を行う」ことが記されています。しかし,本書では,少し視点を変えて,言語活動としてプレゼンテーションを位置付けた授業を提案しています。
この授業を行うために,本書では2つの工夫を施しています。
1つは,単元を貫く学習課題の設定です。単元のゴールとなるパフォーマンス(言語活動)を意識させることと,「やってみたいな。考えてみたいな。」と学習意欲を触発・持続させることをねらいとしています。
2つは,フレームワークの活用です。プレゼンテーションでは,ターゲットに行動を起こさせる情報の提供の仕方が問われます。ここで有効に働くツールがフレームワークです。本書では,2つの場面(@情報の収集・分析・整理 A論理構築)に応じたフレームワークの活用を通して,ターゲットを行動に移させる説明ができるようになることをねらいとしています。
本書が「社会生活に必要な国語の能力の基礎」の育成のあり方を考える一助となることを願っています。
2019年8月 /永野 恵美
さまざまな方法があり、いろいろな教材で活用してみたいと思います。