- 監修の言葉
- はじめに
- 序章 なぜ「メモ指導」が必要なのか
- COLUMN ICT 機器を活用したメモって,どんなもの?
- 第1章 実の場で伸ばす!メモ技 日常指導編
- 01 メモを取るために正しく聞き取ろう〜1文字から[1年]
- 02 メモを取るために正しく聞き取ろう〜単語・短文[低・中]
- 03 5W1Hを聞き分け,メモに取ろう T[低]
- 04 はやく書いてしりとりリレーをしよう[低・中]
- 05 仲間分けをしながらメモに取ろう[低・中]
- 06 だれがどんなことを話しているか,聞き分けよう[低・中・高]
- 07 正しく聞き取ってお話ビンゴをしよう[低・中]
- 08 諸感覚を使って観察したことをメモしよう[低・中]
- 09 ペアでインタビューし,質問したことをメモしよう[低]
- 10 メモに取ってまちがいをさがそう[低・中・高]
- 11 グループ分けをして,仲間にしよう[低・中・高]
- 12 お話を聞いてメモに取り,あらすじをつくろう[低・中・高]
- 13 つけ加えて分かりやすいメモにしよう[中・高]
- 14 話の中心を聞き分け,メモに取ろう[低・中・高]
- 15 感想や疑問,ひらめきをつぶやきメモとして残そう[低・中・高]
- 16 知りたいことをインタビューし,メモしよう[低・中・高]
- 17 話を聞いて,要約しながらメモに取ろう[中・高]
- 18 5W1Hを聞き分け,メモに取ろう U[中・高]
- 19 相手の反応を見ながらインタビューし,メモしよう[中・高]
- 20 取材したメモを再構成し,スピーチメモをつくろう[中・高]
- 21 調べたことを白地図にメモしよう[中・高]
- 22 創作メモをつないで昔話をつくろう[中・高]
- 23 テーマに合うメモを選び,俳句・川柳をつくろう[中・高]
- 24 メモを使って構成し,感謝を伝えよう[低・中・高]
- 25 マイ・メモ帳をつくろう[中・高]
- COLUMN メモって,どんなふうに取っているの?
- 第2章 系統的に育てる!メモ技 教科書教材編
- 01 動物になりきって話したことをメモに取り,物語をつくろう[記録]
- 1年「どんな おはなしが できるかな」
- 02 メモの取り方を学び,大事なことを聞き取る力をつけよう[記録]
- 2年「ともだちは どこかな」
- 03 メモする視点を学び,たくさんの情報をあつめよう[記録・伝達]
- 2年「メモを とる とき」
- 04 質問し合ったことをメモし,さらにくわしくしよう[記録・伝達]
- 2年「あったらいいな,こんなもの」
- 05 メモを活用して,もっと知りたいことを広げよう[記録・整理(まとめ)・伝達]
- 3年「もっと知りたい,友だちのこと」
- 06 メモを活用して内容を明確にし,報告する文章をつくろう[記録・整理(まとめ)・伝達]
- 3年「仕事のくふう,見つけたよ」
- 07 メモを活用しながら,条件と照らし合わせ,考えをまとめよう[整理(まとめ)]
- 3年「おすすめの一さつを決めよう」
- 08 話のまとまりを意識して聞き取り,分かりやすいメモにしよう[記録・伝達]
- 4年「聞き取りメモのくふう」
- 09 メモに整理しながら,複数の基準と照らし合わせ,話し合おう[記録・整理(まとめ)]
- 4年「クラスみんなで決めるには」
- 10 調べて分かったことをメモし,メモを活用して報告しよう[記録・整理(まとめ)・伝達]
- 4年「調べて話そう,生活調査隊」
- 11 目的に合わせたきき方とメモの取り方を考えよう[記録・整理(まとめ)・伝達]
- 5年「きいて,きいて,きいてみよう」
- 12 伝記を読み,観点別メモをつくって自分とのつながりをまとめよう[記録・整理(まとめ)]
- 5年「やなせたかし―アンパンマンの勇気」
- 13 メモを活用しながらインタビューし,考えたことを伝え合おう[記録・整理(まとめ)・伝達]
- 6年「聞いて,考えを深めよう」
- 14 メモに整理しながら,経験と考えを伝えよう[記録・伝達・創造]
- 6年「大切にしたい言葉」
- おわりに
監修の言葉
メモ指導の実態を見ますと,教科書に記載されているメモの指導はされていますが,余剰時間がない理由もあり,メモについての意図的に継続した指導や支援があまりなされていないように思います。
そのようなこともあってか,児童にとったアンケート(p.68参照)でメモが苦手な理由として,
「どのような場面でメモをしたらよいか分からない」
「何が大事な言葉なのか分からない」
が多かったです。これは,このアンケートをとった学校だけでなく,他の学校でも同じ傾向が見られるかもしれません。一度,実態把握をされてはいかがでしょうか。
いずれにしても,豊かな言語生活に必要なメモ指導でありますので,メモの目的や場面に対応したメモの種類やポイントなどを指導することが必要です。その際には「学んだことを誰かに伝える」「伝えられる何かを得て役に立った」など,メモを取ったことによる成功体験と如何に絡ませていくかが大切だと思います。
本書は,場面に応じたメモ活動事例があまり見られない現状から,指導法の紹介とその整理を重点に編集しました。
特徴として整理した4つのメモ機能【「記録」「整理(まとめ)」「伝達」「創造」】をもとに「日常のメモ指導」「教科書を活用したメモ指導」の2つに分けました。日常のメモ指導では学習場面,朝の会,終わりの会などで,できるだけ活用しやすいよう提案しています。教科書を活用したメモ指導では,指導プランに合わせたメモ機能を取り入れた指導例を提案しています。この指導例からクラスに合わせた指導をしてくださることを願っています。
最後になりますが,提案したメモ指導をされる際には,その背景にあるキーワードを捉えることや話のまとまりを意識するなど,各学年の聞く能力を意識していただきたく思います。
聞く力は,受動的に見られがちですが,表現力の源であり,極めて能動的です。メモ指導に着目されることが,話す力,書く力,読む力につながります。
2024年9月 /長谷 浩也
-
- 明治図書