- はじめに
- 1章 図解でわかる!豊かで楽しい家庭科授業づくりのヒント
- 1 2年間で押さえる家庭科授業づくりのポイント
- 1 総説
- (1) 児童の生活から始まり,児童の生活にもどす学び
- (2) ゴール(家庭科が育てる資質・能力)をしっかりとつかもう
- 2 家庭科の目標及び内容
- (1) 教科目標のツボ―家庭科における「知識及び技能」
- (2) 教科目標のツボ―家庭科における「思考力,判断力,表現力等」
- @ 家庭科での問題解決的な学習とは?
- A 「問題」とは何か?
- (3) 各内容のツボ
- @ 「A 家族・家庭生活」
- A 「B 衣食住の生活」より「食生活」
- B 「B 衣食住の生活」より「衣生活」「住生活」
- C 「C 消費生活・環境」
- 3 ICTを活用した授業づくりのポイント
- 2 家庭科授業のヒヤリハットを防ぐ安全指導
- 1 リスク・マネージメント(事前の事故防止計画)
- 2 リスク・マネージメントの具体例
- (1) 食物アレルギーによる事故を防ぐために
- (2) 調理での火傷やけがを予防するために
- (3) 裁縫やミシン縫いでの事故を防ぐために
- 3 クライシス・マネージメント(適切な事後対応計画)
- (1) 必ず行うべき対処
- (2) 保護者への事故報告
- 3 特別支援の必要な児童への配慮
- 1 周りの環境(物と仲間)を整える
- 2 作業の予定やゴールが見て分かる工夫をする
- 3 小さな「できる」を積み重ねられるようにする
- 4 3観点を意識した評価のアドバイス
- 1 題材の目標を確認し,評価規準をつくる
- 2 題材の指導と評価の計画を立てる
- 3 児童の変化を記録する
- 5 年間指導計画作成のポイント
- 1 指導計画の基本的な考え方
- 2 題材構成に当たって留意すること
- 3 題材の配列に当たって留意すること
- 4 年間指導計画の例
- (1) 第5学年
- (2) 第6学年
- 2章 主体的・対話的で深い学びを実現できる!授業アイデア&ワークシート
- ○学習準備
- 1 さあ 家庭科の学習を始めよう
- 2 進め!家庭科室探検隊
- 3 お茶名人からの挑戦状
- A 家族・家庭生活
- 4 班対抗!お茶トリビアクイズで楽しもう
- 5 「家庭の仕事」と「お手伝い」ってどこが違うの?
- 6 家庭の仕事を探検だ
- 7 家庭の仕事弟子入り講座を開こう
- 8 わが家でお茶を楽しもう
- 9 炊飯器ケーキと紅茶で団らんしよう
- 10 お手玉を作って1年生と遊ぼう
- B 食生活
- 11 ゆで野菜の実験調理―ゆでて切る?切ってゆでる?―
- 12 ゆでて楽しむお菓子(豆腐白玉)を作ろう
- 13 包丁にチャレンジ!―ひと口サイズ切りで皮むきもらくらく―
- 14 包丁にチャレンジ!―たこウインナー,かにウインナー―
- 15 包丁にチャレンジ!―野菜スープ―
- 16 りんごで学ぶ食物繊維とビタミンCのひみつ
- 17 じゃがいものゆで方マイスターになろう
- 18 君の好きなだしはどれ?―作って比べて味わおう―
- 19 手前味噌を作ろう
- 20 何人分でもどんとこい!のご飯炊きに挑戦
- 21 心ほかほか「いももち」で団らんを楽しもう
- 22 炒める調理のおいしいひみつ―オニオンスープ作り―
- 23 お昼ご飯はまかせて!―1食分の献立―
- B 衣生活
- 24 チーム「手洗い名人」虎の巻―ジグソー学習で進めよう―
- 25 かっこいいリストバンドを作ろう
- 26 ナゾ解きクイズ ボタン付け
- 27 ハートをつなぐポケットティッシュ入れwith〇〇券
- 28 布を観察してみよう―布に方向はあるのかな?―
- 29 歌ってミシンのワザをマスターしよう
- 30 バンダナで手さげ袋を作ろう
- 31 自まんの家庭科袋を作ろう
- 32 チームでミシンの使い方プレゼンテーションを作ろう
- B 住生活
- 33 できるかな?「雑巾名人」の5つのワザ
- 34 仕切りの工夫で整理・整頓を楽しもう
- 35 1年生のためのお掃除講座を開こう
- 36 夏の生活アドバイザーになろう
- 37 どっちの着方が暖かい?実験してみよう
- 38 すだれって涼しいのかな?実験してみよう
- 39 ペットボトルで窓開け実験をしよう
- 40 冬の生活アドバイザーになろう
- 41 生活と音―心地よい音,気になる音―
- 42 ご近所からの手紙―どうする?こんなとき―
- C 消費生活・環境
- 43 NEEDSとWANTSに分けてみよう
- 44 あなたの買い物はどのタイプ?―衝動買い派?冷静派?―
- 45 これって返品できるのかな?
- 46 買い物ゲームでかしこくお買い物
- 47 マークをうまーくマークしよう
- 48 あなたならどれを選ぶ?
- 49 わたしの生活版SDGsゲームを作ろう
- 50 調べよう!環境に配慮するとこうなる…実験
- ○ 学習まとめ
- 51 家庭科すごろくで学習をふり返ろう
はじめに
子どもを「生活の主人公」にする家庭科授業をつくるために
子どもは家庭科が大好きです。それは,「こうなったらいいな,こうしたいな」という自分の思いや願いを自ら手を働かせて実現していく,手応えのある教科だからです。私が尊敬している元筑波大学附属小学校家庭科教諭の町田万里子先生はそれを,「生活の主人公になる」と表現されておられました。なんと夢のある素敵な言葉なのでしょうか。衣食住に関わる仕事は,まさに「生活の主人公」となって自分の生活をつくる仕事です。「分かる」「できる」だけに留まらない「生かす」喜び,「創る」楽しさ。それが家庭科の特色であり醍醐味なのです。
また,生活はひとりでは立ちゆきません。多くのつながりに支えられ,支え合う中で営まれていきます。家庭科で取り上げる消費や環境の学習は,一人ひとりの生活が地球全体にまでつながっていることを子どもに教えます。多くのつながりに気付き,「生活の主人公」として学び,家庭という小さなつながりの中で活かした力を,共に支え合う社会へ,地球へと広げていく子どもたちが育つことを願います。そのためには,先生方ご自身が家庭科を楽しみ,子どもの姿を見つめ,その力を引き出す魅力ある授業を創り出されることが一番の近道です。
本書は,初めて家庭科を教える先生や学生の皆さんからベテランの先生方まで,家庭科の学習を豊かで楽しいものにしたいと願う方々のニーズに少しでもお応えしたいと執筆したものです。初めて家庭科を指導される皆様のことを考え,学習指導要領の目標との対応や学習の進め方,評価規準や方法についても記してあります。何度か指導された経験のある先生方にとっても新たな授業開発のヒントにしていただけるように,学習指導の具体的な方法やワークシートを載せてあります。また,本書では,日常生活に係わる課題解決力の育成を明確に目標に掲げた新学習指導要領に対応させ,「『考える家庭科』実現のヒント」の欄を設け,主体的・対話的で深い学びを実現する具体的な手立てについても記しました。本書が多くの方々に活用され,子どもが輝く家庭科の授業づくりに少しでも資することができましたら幸いです。
〈本書の構成について〉
・1章では,家庭科の目標や特色,各内容の要点などを図解を基に解説しています。
・2章では,学習指導の展開例とワークシート例を載せています。いくつかのワークシートには解答例も記載しました。必要に応じて解答例は消してご活用ください。
最後になりましたが,素晴らしいアイデアを本書のためにご提供くださった岡部雅子先生,小清水貴子先生,近藤典子先生,仙波圭子先生,福井博美先生,に深く感謝申し上げます。また,粘り強く編集の労をとり支えてくださった明治図書の木村悠様に心から御礼申し上げます。
2022年5月 /勝田 映子
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- 明治図書
- 家庭科の指導法に困っている先生およびベテランの先生にもおすすめの本です。2022/7/2640代・小学校管理職