- まえがき
- 第1章 給食指導のシステムづくり
- 給食当番のシステムづくり
- 給食の配膳・後片づけシステム
- 給食当番の衛生チェックシステム
- 給食目標の活用システム
- 給食指導とは何か
- コラム 杓子(しゃくし)
- 第2章 正しい給食指導のポイント
- 1 配膳指導のポイント
- 机の配置の指導
- 着替え指導
- 手洗い指導
- 台拭き指導
- ごはんのよそい方指導
- おたまの使い方指導
- 食器の並べ方指導
- 2 食事中の指導のポイント
- 「いただきます」指導
- お椀の持ち方指導
- おかわり指導
- 果物の食べ方指導
- 食事の時間配分の指導
- 噛む指導
- 食べ方のマナー指導
- 3 後片づけの指導のポイント
- 「ごちそうさま」指導
- 食器の片づけ方指導
- 食べこぼしへの指導
- 食べ残しへの指導
- ごみの処理の指導
- 嘔吐物の処理
- 歯みがき指導
- コラム アレルギーと宗教に配慮した給食
- 第3章 学年別 給食指導のポイント
- 1・2年生の給食指導のポイント
- 3・4年生の給食指導のポイント
- 5・6年生の給食指導のポイント
- 交流給食・ふれあい給食のポイント(給食週間)
- 交流給食・ふれあい給食のポイント(異学年同士)
- コラム 全国学校給食週間
- 第4章 給食指導をさらに円滑にするアイデア
- 1 給食の時間を楽しくするアイデア
- 特別感や楽しさが増す演出をするアイデア
- おもしろクイズなどを行うアイデア
- 何気ないところにひと手間かけるアイデア
- 誕生日をお祝いするアイデア
- 2 子どもの食事マナーがよくなるアイデア
- 早食いをしなくなるアイデア
- 箸の持ち方を教えるアイデア
- 食べる時の音に関する指導のアイデア
- 肘をつかないことを指導するアイデア
- 3 偏食・残滓を減らすアイデア
- 食べきれる量を自己決定させるアイデア
- 給食に関わる人・食べる量の見える化をするアイデア
- 言葉・歴史の指導などを行うアイデア
- 主体的に食べる量の調節をさせるアイデア
- 4 家庭と連携した偏食・マナー改善のアイデア
- 給食だよりや学級通信を活用するアイデア
- 給食をきっかけにマナーを親子で見つめ直すアイデア
- 授業参観などを生かすアイデア
- 手づくりする機会をつくるアイデア
- コラム 給食ハラスメント―「完食」の強要はパワハラ!?―
- 第5章 教師が身につけておくべき対応術
- 1 給食中の事件・事故を未然に防ぐ
- 給食中の危機管理
- 窒息事故の防止
- 異物混入への対応
- 給食中の子どもの動きの把握
- 2 命に関わる食物アレルギー(1)食物アレルギーとその対応
- 食物アレルギーの種類
- 食物アレルギーの症状
- 基本的な食物アレルギー対応
- 緊急時の食物アレルギー対応
- 3 命に関わる食物アレルギー(2)事故を未然に防ぐ心がまえ
- 学校給食による食物アレルギー事故
- 事故につながるヒューマン・エラー
- 担任が教室で行う食物アレルギーの対応
- 要注意! 事故が起こりやすい「こんな時」の対応
- あとがき
まえがき
毎日行われている教育活動
小学校や中学校で,遠足や運動会などの特別な日以外は,毎日行われている教育活動があります。
毎年,基本的に同じことの繰り返しなので,初めて取り組む1年生以外は特に指導しなくてもなんとなくできてしまいます。
そのため,「できて当たり前」と捉えられがちで,ていねいな指導がなされていないこともあります。
この教育活動は,何だと思いますか?
それは,掃除と給食です。
毎日,当たり前のように繰り返されている学校掃除や学校給食ですが,次のような問題点があります。
教師間で研修をすることがほとんどない
教科指導と違って,校内研修で掃除や給食を取り上げて研修をしたり,お互いの指導の仕方を検討したりすることはありません。
それは,教師であれば知っていて当然という前提があるのかもしれません。しかし,初任者はもちろん,ベテラン教師の中にも正しい掃除の仕方や食事のマナーなどを知らない教師もいるのです。
だから,掃除や給食の指導があいまいだったり,うまくいかなくても「こんなものだ」と思ってだれに相談することもなく,そのまま続けていたりすることがあります。
その教師にしてみれば,「教科指導でさえ大変なのに,掃除や給食のことまではとても手がまわらない!!」というところかもしれません。
しかし,教師が知らなければ,子どもに教えることも,子どもの間違いを正すこともできません。
子どもたちが同時に別々の動きをしている
正しい掃除の仕方や食事のマナーを知っていても,それだけで子どもたちを動かすことはできません。
掃除や給食が教科指導と違うのは,教室の内外で子どもたちが同時に別々の動きをしていることです。
かぎられた時間の中で多人数の子どもたちがばらばらに動くわけですから,ちょっとしたことで様々なトラブルが発生します。
時間内に,トラブルなく掃除を行い給食を終えるには,意図的なシステムが必要です。
教師の意識が低い!?
初任者であっても食育やマナーのことをよく知らなくても,学級担任であれば給食の時間は毎日おとずれます。
「給食の時間なんて,単に盛りつけて配膳して食べるだけ。その間に宿題やテストの丸つけをしなきゃ」という教師もいることでしょう。
たしかに,給食の時間は他教科の時間ほど大事にされていないのかもしれません。忙しい担任はちょっとの時間でも宿題やテストの丸つけに活用したい気持ちもわかります。
しかし,給食の時間には,正しい盛りつけや配膳の仕方,食べる際のマナー,給食中の事故や食物アレルギーの対策……等々,指導したり配慮したりすることがたくさんあります。
特に,食物アレルギーについては,よく知らなかったり,いざという時の対応もわからなかったりという教師がまだまだ多いのが現状です。
本書の特徴
今回,刊行する
『給食指導 完ペキマニュアル』
は,給食指導の正しい知識や基本的なシステムを押さえ,当たり前すぎるくらい当たり前なことから解説をした書です。若い教師にもわかりやすく書かれています。
給食の時間における担任の指導すべき内容や心がまえを1冊にまとめています。(専門的な内容については,紙幅の関係もあり,教師としてひと通り知っておいてほしいことに絞って掲載しています)
今まで,給食指導をあまり意識していなかった教師にとっても,あらためて自分の指導を見直すことができます。
担任が取り組むべき給食指導について,この1冊があればOK!と言えるものです。
また,給食は子どもたちにとって学校の活動の中でも「楽しみ」なことの1つです。指導すべきことはたくさんありますが,そればかりやかましく言っていては,「楽しさ」が失われてしまいます。
「マニュアル」と銘打っていますが,本書は,数々の多彩なアイデアも掲載しています。
給食指導に困っている教師や,楽しく取り組ませたい教師にとって,すぐに試したくなる事例をたくさん取り上げています。
本書が,楽しい給食指導の一助となれば幸いです。
/辻川 和彦
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- 明治図書
- 毎日、必ず行われる給食指導に特化して、多くの具体的事例を用いて説明されているので、即実践できて大変役に立ちました!2021/6/740代・小学校管理職
- 給食は、とっても大事な時間だからこそルールが大切だと思います。とてもわかりやすくやり方が載っているので参考になります。2019/6/920代・小学校教員