- はじめに
- 第1章 どの子もわくわく楽しめる 絵の指導の基礎基本
- 1 教科の重要性を押さえる
- 2 表現者としての子どもを尊重する
- 3 描くこと,つくることを通して集団をつくる
- 4 図工の授業の型をつくる
- 5 題材を吟味する
- 6 子どもの表現(絵)をよむ
- 第2章 絵の指導テクニック&題材48
- 1 クレヨン・パス・コンテで描く題材
- クレヨン・パス・コンテの指導テクニック
- 1 たけのこを描く@[低学年]
- 2 カメを描く[低学年]
- 3 なりきりはめ絵[低学年]
- 4 物語の絵を描く 〜『スイミー』レオ・レオニ〜[低学年]
- 5 パイナップルを描く[中学年]
- 6 ひまわりを描く[高学年]
- 7 樹木を描く[高学年]
- 2 ペン・マーカーで描く題材
- ペン・マーカーの指導テクニック
- 8 カラフル手ぶくろ[低学年]
- 9 自分の名前を変身[中学年]
- 10 生駒山への遠足 〜共同制作〜[中学年]
- 11 レースを描く[高学年]
- 12 たけのこを描くA[高学年]
- 3 鉛筆・色鉛筆で描く題材
- 鉛筆・色鉛筆の指導テクニック
- 13 家族スケッチ[低学年]
- 14 自然スケッチ[低学年]
- 15 くわしい自分の名刺[中学年]
- 16 自分の上着を描く[高学年]
- 17 震災絵本 〜自分たちにできることは〜[高学年]
- 4 水彩絵の具で描く題材
- 水彩絵の具の指導テクニック
- 18 世にもふしぎな●●かいじゅう[低学年]
- 19 どろどろ・さらさら・しゃぶしゃぶ絵の具[低学年]
- 20 めざしを描く[中学年]
- 21 自分の靴を描く[中学年]
- 22 友だちを描く[中学年]
- 23 空豆を描く[中学年]
- 24 車エビを描く[高学年]
- 25 ジーンズを描く[高学年]
- 26 学校の風景を描く 〜「自分がいた時間」〜[高学年]
- 27 物語を描く 〜『よだかの星』宮沢賢治〜[高学年]
- 28 生活の絵を描く 〜「これがウチの家族です。」〜[高学年]
- 29 今,いちばん残したい手を描く[高学年]
- 30 今を生きる自分の幸せを描く[高学年]
- 31 紫陽花三部作 〜蕾・盛花・枯花〜[高学年]
- 5 身近なもの・自然物で描く題材
- 身近なもの・自然物の指導テクニック
- 32 手形動物園[低学年]
- 33 落ち葉や枝でつくる動物[中学年]
- 34 うさぎを描く[高学年]
- 35 ネコジャラシを描く[高学年]
- 6 紙版画の題材
- 紙版画の指導テクニック
- 36 神社での節分豆まき[低学年]
- 37 冬休みの生活[中学年]
- 7 木版画の題材
- 木版画の指導テクニック
- 38 浮世絵を描く 〜一版多色刷り〜[中学年]
- 39 自然からの贈り物 〜一版多色刷り〜[中学年]
- 40 自画像版画 〜12歳の節目に〜[高学年]
- 41 工場で働く人々 〜共同制作〜[高学年]
- 8 モダンアートの題材
- モダンアートの指導テクニック
- 42 どろどろ・ぐちゃぐちゃ 〜アクションペインティング〜[全学年]
- 43 出てくるシルエットは何? 〜スパッタリング〜[全学年]
- 44 手の指紋を描く 〜スクラッチシートを使って〜[高学年]
- 45 バラを描く 〜アクションペインティング〜[高学年]
- 46 空と雲[高学年]
- 47 自画像になりきろう[高学年]
- 48 紫陽花を描く 〜たらし込みの技法〜[高学年]
- おわりに
はじめに
あなたは図工の授業で何をしようか悩んだことはありませんか?
日々の忙しさに忙殺され,図工の教科書さえ目を通す時間もなく,気がつけば図工の時間は明日に迫っている。ひどいときには当日の朝。というような現場の状況もあって,これまで『1〜2時間でできあがる図工題材』と銘打った書籍がたくさん世に送られてきました。
しかし今回のこの拙著,ただ単に作品をつくるだけのマニュアル本ではありません。
第1章では「子どもたちにとって図工科とは?」「子どもたちにとって表現するということは?」に始まり,第2章では主に小学校において子どもたちが扱うであろう描画材別の指導テクニックと,低・中・高の学年別に題材を取り上げました(題材に関してはすべてではありません。私の実践や他の先生方との共同研究の中で生まれてきたものです)。さらに題材のページでは,ねらいや題材設定の理由はもちろんのこと,授業を行う際の準備や注意点も可能な限り網羅し,実際の授業を想定して題材の提示から制作,鑑賞までを記しました。
この本はズバリ,「先生方が図工という教科の本質を知ることにより,絵を描いたりものをつくったりすることが子どもたちの豊かな成長に必要不可欠なものであり,ひいてはこの国の未来につながるということを知っていただく」ことについて書かれた本です。
教職に就いておられる方なら誰しも「ここだけは譲れない」というものを,一つは抱いているのではないでしょうか。私の場合,その譲れないものが図工の授業です。
これまで私は多くの実践報告や様々な研究会で発表の機会をいただく中で,子どもたちの作品とともにその子やその周りの子たちの変容や集団づくりの観点からも話をしながら発表を重ねてきました。すると発表後に多くの先生方から「こんなに子どもたちが集中して制作している図工の授業は見たことがありません」「どうしたらこんな絵を描かせることができるのですか?」など日々の授業に悩んでいる質問が数多くありました。こういった先生方と出会わせていただくにつれ,「小学校において図工科の本質が見えないまま,マニュアル型の授業,市販のセット教材を与えているとするならば,これは教科存亡の危機につながる」と感じるようになりました。そしてただでさえ授業時数が少なく,行事などで割愛されることの多い図工の授業をもっと大切に,もっと子どもたちが「図工って楽しくて,奥が深い」と思ってもらえる授業を一つでも多く実践してもらいたいと願ってこの本を書かせていただきました。
この拙著を読まれた後,図工の授業の中で「うまい・うまくない」「似ている・似ていない」で評価するのではなく,子どもが一生懸命描いた(つくった)ものに心から共感し,その子に寄り添ってあげる場面が一つでも増えることを心から願っています。
2020年3月 大阪府東大阪市立英田北小学校 /北村 仁
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- 明治図書
- 学年、季節ごとに系統的に整理されていて、すぐにやってみたくなった。具体的な写真も多く、図工が苦手が方でも取り組みやすいのではないかと感じました。2021/5/240代 今後について悩み中
- 授業の参考になった2020/12/2630代・小学校教員