- まえがき
- 第1章 教務主任をしっかりこなすためのマインドセット&整理術
- マインドセット
- 1 「5つのワーク」を頭に刻め
- 2 学級担任・学年主任との違いを理解せよ
- 3 校長・教頭(副校長)の一番の理解者となれ
- 4 学級担任だったときのことを振り返れ
- 5 児童生徒と共に活動せよ
- 6 忙しいときこそ,笑顔で過ごせ
- 整理術
- 1 大量の書類はその都度さばけ
- 2 予定黒板は見やすく記入せよ
- 3 行事予定はパソコン上に絶えず開いておけ
- 4 大切な情報ほど共有せよ
- 5 起案文書を真っ先に処理せよ
- 6 帰宅する前に,机上を整理せよ
- 第2章 Q&Aでよくわかる 教務主任の全仕事
- 教務主任のスケジュール帳
- 1 教務主任の年間スケジュール
- 2 教務主任の週間スケジュール
- 教務主任になったらまずやること
- 1 教務主任の仕事とは?
- 2 前任者から引き継ぐことは?
- 3 校長・教頭(副校長)との連携手段は?
- 4 忙しい4月を乗り切るには?
- 5 必要な情報を収集するには?
- 6 朝と帰りのルーティーンは?
- 教育課程にかかわること
- 1 教育課程とは何か?
- 2 学校教育目標はどう設定する?
- 3 年間指導計画の作成で気を付けることは?
- 4 地域の特性を生かした教育計画をつくるには?
- 5 時間割の編成基準は?
- 6 日課表の作成で気を付けることは?
- 7 補助教材の選定・購入で気を付けることは?
- 8 “スクールスタンダード”をどう確立する?
- 9 授業改善にどう取り組む?
- 10 “アクティブ・ラーニングの推進”どう進める?
- 11 “特別支援教育”どう進める?
- 12 “キャリア教育”どう進める?
- 13 “小学校外国語・外国語活動”どう進める?
- 14 “特別の教科 道徳”どう進める?
- 15 指導要録の作成と管理で気を付けることは?
- 組織運営にかかわること
- 1 望ましい職員集団を築くためには?
- 2 適正な校務分掌にするには?
- 3 連絡ミスをなくすためには?
- 4 職員会議の議題をどう考える?
- 5 職員会議をスムーズに進めるコツは?
- 6 職員から相談を持ちかけられるようになるためには?
- 7 担任の抱え込みをなくすためには?
- 8 建設的な意見を集められるようにするためには?
- 9 いじめの早期発見・早期対応ができる組織にするには?
- 10 学校の休校にどう対応する?
- 11 不祥事を起こさない学校にするには?
- 12 個人情報の管理をどう徹底する?
- 13 「チームとしての学校」を進めるためには?
- 14 学校評価を学校改善につなげるには?
- 15 次年度の校務分掌の引継はどうする?
- 人材育成にかかわること
- 1 校内研修を活性化させるには?
- 2 公開授業での“指導助言”どうする?
- 3 若手教師の“指導力向上”何から始める?
- 4 “指導力不足な教員”への対応はどうする?
- 5 “一匹オオカミ”の教師とどうかかわる?
- 学校行事にかかわること
- 1 儀式的行事はどこで何をする?
- 2 授業参観で保護者の信頼を得るためには?
- 3 運動会準備・片付けで配慮すべきことは?
- 4 宿泊を伴う行事で配慮すべきことは?
- 5 地域と共に行う行事で配慮すべきことは?
- 対外関係にかかわること
- 1 近隣校との関係づくりでしておくべきことは?
- 2 保護者から問い合わせがきたら?
- 3 児童生徒の転入があったら?
- 4 児童生徒の転出があったら?
- 5 外部人材をどのように活用する?
- 6 警察から連絡が入ったら?
- 学校変革にかかわること
- 1 “カリキュラム・マネジメント”推進のための役割は?
- 2 “働き方改革”何から進める?
- 3 “コミュニティ・スクール”どう進める?
- 4 “統合型校務支援システム”が導入されたら?
- 5 “GIGAスクール構想”にどう対応する?
- 6 “withコロナ”の新しい生活様式を定着させるには?
- あとがき
まえがき
新型コロナウイルスの広がりにより,学校教育は変革を余儀なくされました。本来なら,新しい学習指導要領のもとで,豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手となることが期待される児童生徒に,生きる力を育むことを目指す教育が推進されることに注力されるはずでした。それが,学校の休校,再開によって,感染予防対策を第一に考えたカリキュラムの作成,実施が必要になったのです。
しかし,考え方を変えれば,この新型コロナウイルス禍で,社会の変化がさらに加速することが予想される中,未来社会の担い手を育む教育のあり方を求める取組が,ますます重要になることは必至であり,教育改革を推進するチャンスだと捉えることもできます。
実際に,学校では,授業のオンライン化に取り組むなど,GIGAスクール構想のもとでの取組が急速に進んでいます。また,1年前までは,学校でオンライン会議が行われることは想定していませんでした。
感染予防対策を行いながら,地域に開かれた学校をどのようにつくっていくかも課題となりました。運動会などの学校行事は中止となり,入学式や卒業式は縮小されて行われることとなりました。今後も保護者や地域の方々と連携しながら,どのように学校教育を進めていくかを考え,模索する年となました。
こうした急激な変化があった年だからこそ,学校における教務主任の役割の重要性を再確認することができました。学校経営の責任者は校長です。しかしながら,変化に対応できる指導体制を築くために,中心となって動くのは,教頭(副校長)であり,教務主任であると思います。
コロナ禍によって,健康チェックや消毒などの感染予防,三密を避けるためのカリキュラムの調整,分散登校による日課表や時間割の改訂,行事の調整や授業時数の確保など教務主任がかかわる仕事は格段に増えました。さらに,感染状況に応じて,その対策は何度も変更が必要でした。
現在は教務主任の職を離れ,生徒指導主事を務めている私は,教務主任の仕事ぶりを見ながら,「お疲れ様です。何でも協力します。一緒にこのコロナ禍を乗り越えていきましょう」と毎日思い続けていました。
教務主任が明るく元気で,生き生きと仕事をしている学校は活力があります。しかしながら,やる気と元気だけでは,事が進みませんし,教務主任が大変なだけです。ベテラン教師の叡智を集め,若手教師のバイタリティを活用して,この危機を乗り越えていきたいのです。コロナ禍の今だからこそ,管理職のリーダーシップのもと,教務主任の知恵と工夫によって,学校がコロナに負けない元気を取り戻していけたらよいと願っています。
本書は,学校の大黒柱ともいえる教務主任が,気持ちよく,充実感を持って仕事に勤しめるようにと,私の拙い経験をまとめたものです。新型コロナウイルスが広がる以前の実践についても取り上げておりますので,現状を踏まえつつ,参考になれば幸いです。
2021年4月 /草野 剛
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