- はじめに
- 巻頭鼎談 GIGAスクール「最初の一歩」を踏み出すには
- 堀田龍也(東北大学大学院)×佐藤和紀(信州大学)×三井一希(常葉大学)
- インタビュー GIGAってどうしてやるんですか?
- 中川 哲(株式会社EdLog代表取締役社長/文部科学省初等中等教育局視学委員)
- Chapter1 小学校の1人1台端末活用Q&A
- 端末の環境
- Q1 端末の準備に時間がかかります。工夫できることはありますか?
- Q2 教科書やノートを開いた上で端末を置くには机が狭いです。どうすればいいですか?
- Q3 端末を持ち運んだり,保管したりするための工夫はありますか?
- Q4 児童が端末を壊さないか心配です。何か良い方法はありますか?
- Q5 ネットワーク回線のつながりが悪く,授業が止まってしまうときはどうすればいいですか?
- Q6 家庭にネットワーク環境がない家はどうすればいいですか?
- 情報モラル
- Q7 情報モラルを指導した経験がありません。何から始めればいいですか?
- Q8 初期指導はどうしたらいいですか?
- Q9 最低限身につけさせたい情報モラルにはどんなものがありますか?
- 学習規律・ルール
- Q10 どんなルールを決めておけばいいですか?
- Q11 1人1台端末になるとどのような学習規律が必要になってきますか?
- Q12 休み時間や放課後の利用はどうすればいいですか?
- Q13 授業中におすすめの学習規律はありますか?
- Q14 プライベートのアカウントでログインをしてもいいですか?
- Q15 家庭での利用は目が届きません。どんなルールを決めればいいですか?
- 児童のスキル
- Q16 児童のタイピングが遅くて授業が進みません。どうすればいいですか?
- Q17 タイピング練習の時間を確保できません。何か良い方法はありますか?
- Q18 低学年はタイピングをすることが難しいです。どうすればいいですか?
- 健康面
- Q19 画面を見ることにより児童の視力の低下が心配です。どうすればいいですか?
- Q20 端末を使うときの姿勢はどのように指導すればいいですか?
- Q21 端末ばかり使うようになって体力低下等が心配です。どのように指導するのがいいですか?
- 保護者や家庭との連携
- Q22 端末を活用することに否定的な保護者がいます。どうすればいいですか?
- Q23 保護者は端末を使った授業がイメージできないようです。端末を使った授業の様子を伝える良い方法はありますか?
- Q24 家庭で身につけておきたいこと,指導をお願いしたいことにはどんなことがありますか?
- Q25 学習以外で端末を使ってしまうのではないかと心配になりますが,家庭での活用の工夫はありますか?
- Q26 宿題ではどのような活用の方法がありますか?
- 授業づくり
- Q27 どのくらいの頻度で端末を使えばいいですか?
- Q28 どんなことから授業で活用を始めればいいですか?
- Q29 授業づくりの参考になる実践例はどのように集めればいいですか?
- Q30 授業中に端末を使って児童が何をしているのかを把握することができません。どうすればいいですか?
- Q31 端末内でつくった学習成果物の評価はどのようにすればいいですか?
- Q32 低学年ではどんな実践ができますか?
- Q33 特別支援学級ではどんな実践ができますか?
- 教師の意識・教師の活用
- Q34 そもそもICTが苦手です。どうすればいいですか?
- Q35 端末について勉強する時間がなかなか取れません。何か良い方法はありますか?
- Q36 校内での研修をどのように進めればいいですか?
- Q37 端末の活用に関して教師間で温度差があります。温度差を埋める方法はありますか?
- Q38 端末活用が苦手で及び腰の教師をどのように巻き込んでいけばいいですか?
- Q39 児童が家庭からも端末を活用できるようになると,帰宅後の仕事が増えませんか?
- Q40 校務分掌で情報教育を担当している教師に負担が集中しがちです。何かいい方法はありますか?
- Q41 校務ではどのような活用が考えられますか?
- Chapter2 中学校の1人1台端末活用Q&A
- 端末の環境
- Q1 端末のセキュリティは大丈夫ですか?
- Q2 端末を家庭に忘れてきた生徒にはどのように対応すればいいですか?
- Q3 端末の機能制限はどこまですればいいですか?
- 情報モラル
- Q4 チャット機能やコメント機能を介したトラブルが起きないか心配です。事前の防止策はありますか?
- Q5 設定を勝手に変更しようとする生徒がいます。どのように指導していけばいいですか?
- 学習規律・ルール
- Q6 中学生へのルールはどのように決めていけばいいですか?
- Q7 授業中は教師の指示があったときのみ,利用を認めたほうがいいですか?
- Q8 家庭で利用するにあたって必要なルールはどんなものがありますか?
- 生徒のスキル
- Q9 中学生にはどんなスキルを身につけさせればいいですか?
- Q10 小学校ではどのようなことを身につけて進学してくるのですか?
- Q11 高校へ向けてこれだけは身につけておきたいスキルにはどんなものがありますか?
- Q12 中学校ではタイピングを練習する時間がなかなか取れません。どうすればいいですか?
- Q13 家庭で日常的に端末に触れている生徒もいて,操作スキルに関して個人差がとても大きいです。どうすればいいですか?
- 授業づくり
- Q14 これまでの授業に端末が入ると,授業はどのように変わっていきますか?
- Q15 校内に教科担当が自分ひとりで,授業を相談できる相手がいません。情報を共有できる方法はありませんか?
- Q16 教科担任制により,教科による活用のばらつきが大きいです。どうすればいいですか?
- Q17 端末を効果的に活用した授業が思いつきません。どうすればいいですか?
- 教師の意識・教師の活用
- Q18 これまでICTを使わずに,授業をやってきて,これからもICTを使わず授業ができそうです。それでもいいですか?
- Q19 端末が入ることにより教師の負担が増えませんか?
- Q20 導入しているアプリケーションがたくさんあり,全部の操作を覚えられません。どうすればいいですか?
- Q21 校務ではどのような活用が考えられますか?
- Chapter3 管理職の1人1台端末活用Q&A
- 校長
- Q1 端末の扱いに慣れていない教員が活用していけるようにするにはどうすればいいですか?
- Q2 良い実践をしている教員もいますが,どのように校内全体に広げていくといいですか?
- Q3 市内全体で取り組んでいくには,どのような仕組みをつくるといいですか?
- Q4 まず,はじめにどのようなことを保護者に伝えるといいですか?
- 教頭
- Q5 端末の持ち帰りをさせなくても,家庭の端末からアクセスしてもいいですか?
- Q6 学校全体で取り組んでいくための仕組みはどのように構築するのですか?
- Q7 なかなか時間が確保できませんが,どのように研修を進めるといいですか?
- Q8 長期入院や欠席している児童生徒にはどのように対応するといいですか?
- 指導主事
- Q9 1人1台端末になります。これまでと何が変わりますか?
- Q10 GIGAスクール構想の実現に向けて,先生方に求められることは何ですか?
- Q11 児童・生徒に端末の利用を進めていくときに重要なことは何ですか?
- 教務主任
- Q12 何をどうしたら良いか,全くわかりません。102
- Q13 第1段階として,何から始めればいいですか?
- Q14 職員が授業で使うようにしたいのですが,何から始めればいいですか?
- Q15 日々の準備に時間がかかります。工夫できることはありますか?
- Chapter4 1人1台端末をもっと使いこなすためのQ&A
- もっと使いこなすために
- Q1 1人1台端末をもっと使いこなすためのヒントはありますか?
- Q2 自分の使いやすい設定にする工夫はありますか?
- Q3 活用に慣れてきたら,次はどんなことをすればいいですか?
- Q4 より良い使い方を考えていくために,どういったことから始めればいいですか?
- 見方・考え方の働かせ方
- Q5 見方・考え方を働かせるとはどういうことでしょうか? またそのために,1人1台端末はどう役立ちますか?
- 情報活用能力・思考ツール
- Q6 1人1台端末を活用して,どのように情報活用能力を育んでいけばいいですか?
- Q7 1人1台端末は「思考力,判断力,表現力等」の育成につながりますか?
- Q8 1人1台端末で思考ツールはどのように使っていけばいいですか?
- Q9 1人1台端末や思考ツールの活用によって,育成を目指す児童生徒の姿とはどのようなイメージですか?
- STEAM教育・プログラミング教育
- Q10 1人1台端末があると,プログラミング教育にどんな変化が期待できますか?
- Q11 1人1台端末はSTEAM教育にどのように活用できますか?
- Q12 1人1台端末を活用したSTEAM教育の事例にはどのようなものがありますか?
- Q13 1人1台端末にふさわしいプログラミング教材にはどのようなものがありますか?
- 学級経営
- Q14 1人1台端末が配られるとこれまでの学級経営と何が変わりますか?
- Q15 端末操作の得意不得意の児童がいる中で,どのように集団をつくっていけばいいですか?
- Q16 1人1台端末を持ち帰れば,不登校や休んだ児童へのケアができると思いますが,好事例はありますか?
- Q17 オンラインで集団づくりや人間関係の形成はできますか?
- ネットワーク整備・運用・トラブル
- Q18 端末がネットワークにつながりません。どのように対処したらいいですか?
- Q19 ネットワークが遅くて授業になりません。どうしたら改善できますか?
- Q20 ブロック画面が表示されYouTubeのコンテンツがみられません。どうしたらいいですか?
- Q21 家庭等でのオンライン授業を実施するため,どのような点に気をつけたらいいですか?
- おわりに
- 執筆者一覧
はじめに
■GIGAスクール構想が本格的に始まった?!
新型コロナウイルス感染症対策の一貫として,GIGAスクール構想が前倒しになりました。2021年3月までには多くの自治体が端末の整備を完了させ,4月から本格的にGIGAスクール構想が始まりました。のはずでしたが,多くの自治体,学校,先生方が足踏みしている声が届くようになってきました。
小学校学習指導要領(平成29年告示)総則編解説(文部科学省 2017)には「学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力の育成」が記述されています。また,「各教科等の学習においてコンピュータや情報通信ネットワークを活用していくに当たっては,少なくとも児童が学習活動に支障のない程度に情報手段の操作を身に付けている必要がある」とも書かれています。しかし,これまで端末が十分に導入されていなかった自治体やその学校では,たまにしか使えないパソコン室をわざわざ予約し,たまにしか触らない端末に四苦八苦しながら,手間をかけて取り組むようなことはあまりされてきませんでした。その結果,情報手段の操作に慣れたり,活用したりする活動がされてきませんでした。
そして,全ての子どもたちに端末がやってきて,いつでも使える状況になりました。しかし,先生はどの場面で使えば良いかがイメージできず,子どもたちは十分に文具や教具として扱えない,だから躊躇するという状態に陥っています。取り組んだことがないクラウドでの活動には,セキュリティへの過度な不安も感じます。いざ使ってみたら,ネットワークの整備が不十分なために,インターネットに繋がらない,繋がったけれどとてもスピードが遅くてやっぱり使えない,という状況もあります。新型コロナウイルス感染症対策もまだまだ続く中で,遠隔オンライン授業を実施に踏み切る地域もあります。家庭での使い方や約束事は何が正解なのかもわからず,家庭への持ち帰りもなかなか進みません。保護者の皆様もはじめてのことばかりで,戸惑いも多いことでしょう。
このように「何をはじめの一歩として踏み出せばいいか」に困っている状況が,全国各地で見られるようになってきました。
■情報端末が文房具化し,効果を発揮するために
そもそも道具というのは,慣れるまで練習して,何も考えずに使えるようになったときに,ようやくその効果を発揮します。例えば,ほとんどの大人は自動車を運転する際,特に操作のことは考えず運転できます。もちろん運転免許を取得した頃は,意識して操作をしたかもしれません。余裕がなくて,運転しながら飲み物を飲むようなことすらできませんでした。しかし,徐々に操作のことを考えることはなくなり,安全のことに集中できるようになっていきます。自動車は安全に運転できないといけません。安全に集中できるようになったときこそ,自動車の効果は最大限に発揮されます。それは,自動車学校で練習を重ね,日常的に運転することを繰り返してきたからです。つまり,運転技能(方法)が気にならないくらいのレベルになることで,ようやく安全配慮(内容)が伴ってくると言えるでしょう。運転が苦手,と思う人は,苦手だと思わないくらい繰り返して慣れる必要があります。
したがって,学校で端末を活用して,学習で効果や成果を上げたり,学校生活をより豊かな時間にしたりしていくためには,まずは使い始める,そして毎日使い続け,やがて鉛筆のように,何も考えずに使えるようになっていく必要があるでしょう。そのときに,ようやく教科等の資質・能力を育めるようになりますし,見方・考え方が働くようになっていきます。
私たち教員は,子どもたちに毎日のように鉛筆を正しく持つように指導し,毎日漢字や日記,作文,感想を繰り返し書くことを指導し,その結果,子どもたちはある程度何も考えずに鉛筆を使って文字を書いたり,文章を書いたりできるようになっていきます。鉛筆の使い方も文字の書き方も「急にできるようにはならないこと」を肌で感じてきました。とはいえ,端末は鉛筆ほど単純な道具ではないことも確かです。様々な機能を一歩一歩教え,慣れていかないといけませんし,日常的に使わないと決して文房具化することはありません。
GIGAスクール構想以前から端末を日常的に活用し,授業や学校生活で子どもを成長させてきた学校や先生方もいます。このような学校や先生方はどんな工夫をしてきたのでしょうか。
■先行して取り組んだ先生は何を見聞きしてきたか
そこで,昨年以前より,1人1台の端末,あるいは1人1台に近い環境で実践を進めてこられた先生,2020年4月の緊急事態宣言に伴う休校期間において遠隔オンライン授業を取り組まれてきた先生に協力をいただき,本書の作成をスタートさせました。
まずはじめに,先生方に学校等で,1人1台の端末について「よく質問されること」「周りの先生が授業で困っていること」「授業以外の場面で困っていること」の3項目についてアンケートを行いました。
「よく質問されること」について,教員からは「そもそも,何をどう使っていけばいいのかわからない」「端末で一体何ができるのか」「これまでの授業からどのように変わっていくのか」「キーボード入力をいつ練習させるのか」等がよく聞かれていることがわかってきました。また,保護者からも「家で,さらに動画サイトや端末ばかりにならないか心配だ」「視力や健康面への配慮はどのようにしていけばいいか」「子どもたちの学習が端末を使うことでどのように変わっていくのか」「学校だけでなく家庭で取り組んでおくことはあるか」という質問が寄せられていることもわかってきました。
また,「周りの先生が授業で困っていること」については,「授業者のICT活用指導力の差があると,活用頻度や活用場面に学級や学年によって差が出ること」「小学校低学年のタイピングはどのように指導したらいいのか」「端末が思ったよりも重く感じることが多く,小学生にとって取り回しがしづらいこと」「学校のネットワークの強さによって,オンライン授業の練習を校内で行うだけでネットワークが不安定になってしまうこと」「活用が進んでいない学校・地区から転入生が来たときの子どもの情報活用能力の差がかなり大きいこと」「端末を活用した授業を行ったときに,これまでの授業観から否定的な意見が寄せられることがあること」「学習の基盤となる情報活用能力が発揮された学びに対して,教師のイメージや感覚の差があること」等,授業に留まらず,困っていることは多岐にわたっていました。
さらに「授業以外の場面で困っていること」については,「カリキュラムマネジメントの必要性を感じるが,管理職の理解とリーダーシップ等,校内の事情によって実現できていないことが多い」「端末についてはICTの部会が全て担うものという職員のイメージが強く,担当者や部会の仕事量が大幅に増えて負担になっている」「端末の文房具化を目指したいが,休み時間の過ごし方についての認識が職員間で違う。端末の自由度と外遊び等の運動量の確保のバランスが難しい」「端末を活用した学びに対する保護者のイメージが,良い場合と良くない場合がある」「1人1台を学校教育で活用する意義・必要性に対する教職員の根本的な理解が十分でない」等,管理職の理解が得られず,マネジメントに苦しい思いをしている先生が多いこともわかってきました。
先生方の具体的な記述を整理・分類していくと,端末の環境,情報モラル,学習規律・ルール,児童・生徒のスキル,健康面,保護者や家庭との連携,授業づくり,教師の意識・教師の活用の8つに分類することができました。これらの項目について,本書では,第1章は小学校の先生方に「小学校の1人1台端末活用Q&A」として,41項目の質問についてご執筆いただきました。また,第2章は中学校の先生方に「中学校の1人1台端末活用Q&A」として,21項目の質問についてご執筆いただきました。
■先行して取り組んだ管理職や指導主事は何を見聞きしてきたか
学校をマネジメントする校長先生や教頭先生,教務主任の先生,GIGAスクール構想を担当する指導主事の先生方は何を感じてきたかについても質問しました。
「パスワードなどの管理方法はどうすればいいか」「教室移動時の持ち運び用の鞄はどのようなものがいいか」「教職員にどのように説明して導入に至ったのか」「研修をどのように計画し実施したのか」「持ち帰りでどのような運用をさせているのか」「新1年生への導入の時期はいつか」「持ち帰り時の充電方法はどうしているか」「各学年もしくは低中高学年で到達目標はどうするか」「職員の多忙感を端末でどう解消するか」など,学校運営上のこととして,よく聞かれたり,悩んだりしていることがわかってきました。
こうした管理職や指導主事の視点からは,長年にわたってICT活用授業や情報活用能力の育成を学校運営に取り入れて実践されてきた愛知県春日井市立高森台中学校・校長の水谷年孝先生と,愛知県春日井市立出川小学校・教頭の仲渡隆真先生,地方自治体のGIGAスクール構想を推進してきた長野県教育委員会学びの改革支援課・指導主事の松坂真吾先生,早い段階から遠隔オンライン授業やGIGAスクール構想の体制を校内で整えてきた山梨県南アルプス市立落合小学校・教務主任の望月健先生にご執筆いただいきました。
■先行して取り組んできた学校を観てきた専門家は何を感じ,何を必要だと感じてきたか
本書の巻頭鼎談として,情報教育の第一人者である東北大学大学院・教授の堀田龍也先生と編著者の佐藤和紀と三井一希が,「GIGAスクール構想のはじめの一歩を踏み出すための考え方」ついて議論しております。また,IT企業で教育機関担当を務め,その後,文部科学省へ入省し,初等中等教育局・プログラミング教育戦略マネージャーとして活動してきた文部科学省初等中等教育局・視学委員の中川哲氏に「GIGAスクール構想をどのような考え方で進めていけばいいか」についてインタビューしました。
GIGAスクール構想を促進するためには,授業や学校マネジメントの視点以外にも,各教科の見方・考え方を働かせていくための工夫や,情報活用能力や思考力,STEAM教育の視点からも考えていく必要があります。そこで,東京学芸大学教育学部・准教授の高橋純先生には「見方・考え方の働かせ方」,鳴門教育大学教職大学院・准教授の泰山裕先生には「情報活用能力・思考ツール」,宮城教育大学教育学部・専任講師の板垣翔大先生には「STEAM教育・プログラミング教育」についてご執筆いただきました。
また,端末をもっと使いこなすための工夫について,1人1台の端末の実践経験が豊富な文部科学省初等中等教育局教育課程課・専門職の堀田雄大先生に,ネットワークの整備・運用・トラブルの解決方法について,信州大学教育学部・准教授の森下孟先生にご執筆いただきました。
さらに,GIGAスクール構想時代の学級経営はどうしていく必要があるか,上越教育大学教職大学院・教授の赤坂真二先生にご執筆いただきました。一見して,1人1台の端末と学級経営は関わりのないような印象があるかもしれません。しかし,学級担任がきちんと端末を運用していくためには,学級をいかにマネジメントできるか,その上で端末をいかに学級経営に生かせるかが大きなカギとなるはずです。
本書は,GIGAスクール構想に足踏みしている先生の「はじめの一歩」を踏み込むためのヒントがたくさん詰まったものとなりました。お読みいただく皆様の一助となれば幸いです。
2021年8月 /佐藤 和紀
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- 明治図書