- はじめに
- 小学校児童劇指導のポイント
- 1 大きな木とぼく・わたし
- 主 題 出会いと成長
- 対象学年 低学年
- 時 間 30分
- 2 らぶシン
- 主 題 夢
- 対象学年 中学年・高学年
- 時 間 20分
- 3 カラー
- 主 題 多様性
- 対象学年 中学年・高学年
- 時 間 35分
- 4 ONE〜ひとつになる〜
- 主 題 多様性
- 対象学年 中学年・高学年
- 時 間 35分
- 5 ウォール(壁の先)
- 主 題 挑戦
- 対象学年 高学年
- 時 間 35分
- 6 時をかける School Girls
- 主 題 友情
- 対象学年 高学年
- 時 間 30分
- 7 わたしと不思議な時間
- 主 題 挑戦
- 対象学年 中学年・高学年
- 時 間 35分
- 8 花一華〜あなたが好きです〜
- 主 題 友情・恋
- 対象学年 高学年
- 時 間 60分
はじめに
演劇は「PLAY」=「あそび」です。演劇は英語でPLAY。そして日本語であそびです。
わたしたちは演劇(あそび)を通して「対話力」を育み、「共感力」を身につけていきます。
お芝居はウソの世界。そのウソの世界で本気で表現すれば、そこは本物の世界へと変わります。舞台は通常板張りの床です。でも、役者が「ここは海の上だ!」と言えばそこは海になります。もう一人が「嵐が来るぞ! みんな船から落ちるなよ。」と言えば彼らは嵐の大海原で、船から落ちないように踏ん張っている船員になります。彼らは嵐の海を想像・表現をして観客に伝えるのです。ウソの世界ですが、そこで必死になる船員たちを見て観客は「がんばれっ!」という気持ちになります。
その瞬間、舞台に魔法がかかるのです。
わたしは20代をイギリスとアメリカで過ごしました。生まれた環境も価値観も違う人たちの中で暮らすことはとても刺激的でしたが、大変だったのを覚えています。その中で演劇活動を通してお互いを知り、理解し、分かち合っていきました。自分が作品に関わる中で他者と「対話」をし、自分の演じる役と「対話」します。自分に似た部分と違う部分を「どうしてこんなことを言うんだろう。」「どんな考えをもっているのだろう。」と考えるのです。そして自分とは全く違う環境・性格をもった役を理解し、「共感」していくのです。
ここで言う「共感」とは自分とは違う人を理解することです。「同じ感情(同情)」ではなく、「共に感じてあげる」ということです。
子供たちは演劇を通して、自分に似た役や、違う役をやりながら「どうしてこの子はこんなことを言うんだろう。」「どんな気持ちなんだろう。」と「対話」をしていくことで、役の想いに「共感」していくのです。
学校生活の中で、様々な人たちと過ごす彼らにはとても必要な要素です。
そして、演出家(指導者)に大事なのは、子供たちに「教える」のではなく、子供たちと一緒に「対話」することです。「どうしてこんなことを言うんだろうね?」「どんな気持ちなのかな?」と聞いて、彼らの考えを待ってあげることが大切です。
8本の作品のほとんどは、小学校演劇クラブで子供たちと共に考え、語り合って生まれた作品たちです。
演劇は「あそび」。子供たちがイキイキ楽しい時間を過ごしてくれることを願っています。
/原田 亮
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- 明治図書