- まえがき
- 本書の使い方
- 第1章 都道府県の名前と位置・産業 ワーク&アクティビティ
- ○「都道府県」の学習での指導ポイント
- 1 日本の地域区分 地域区分を確かめよう
- 2 日本の地域区分 地域区分を覚えよう
- 3 日本の地域区分 クロスワードパズルにチャレンジしよう
- 4 九州地方 県名を確かめよう
- 5 九州地方 県名を覚えよう
- 6 九州地方 クロスワードパズルにチャレンジしよう
- 7 九州地方 クイズにチャレンジしよう〜農業・漁業編〜
- 8 九州地方 クイズにチャレンジしよう〜工業・ものづくり編〜
- 9 中国・四国地方 県名を確かめよう
- 10 中国・四国地方 県名を覚えよう
- 11 中国・四国地方 クロスワードパズルにチャレンジしよう
- 12 中国・四国地方 クイズにチャレンジしよう〜農業・漁業編〜
- 13 中国・四国地方 クイズにチャレンジしよう〜工業・ものづくり編〜
- 14 近畿地方 府県名を確かめよう
- 15 近畿地方 府県名を覚えよう
- 16 近畿地方 クロスワードパズルにチャレンジしよう
- 17 近畿地方 クイズにチャレンジしよう〜農業・漁業編〜
- 18 近畿地方 クイズにチャレンジしよう〜工業・ものづくり編〜
- 19 中部地方 県名を確かめよう
- 20 中部地方 県名を覚えよう
- 21 中部地方 クロスワードパズルにチャレンジしよう
- 22 中部地方 クイズにチャレンジしよう〜農業・漁業編〜
- 23 中部地方 クイズにチャレンジしよう〜工業・ものづくり編〜
- 24 関東地方 都県名を確かめよう
- 25 関東地方 都県名を覚えよう
- 26 関東地方 クロスワードパズルにチャレンジしよう
- 27 関東地方 クイズにチャレンジしよう〜農業・漁業編〜
- 28 関東地方 クイズにチャレンジしよう〜工業・ものづくり編〜
- 29 東北・北海道地方 道県名を確かめよう
- 30 東北・北海道地方 道県名を覚えよう
- 31 東北・北海道地方 クロスワードパズルにチャレンジしよう
- 32 東北・北海道地方 クイズにチャレンジしよう〜農業・漁業編〜
- 33 東北・北海道地方 クイズにチャレンジしよう〜工業・ものづくり編〜
- 34 都道府県名 まとめてチェックしよう
- アクティビティ1 都道府県で動物見つけゲーム
- アクティビティ2 3つのとびら都道府県ver.
- アクティビティ3 手話で都道府県を表そう
- アクティビティ4 都道府県陣取りゲーム
- アクティビティ5 トレーディングカードを作ろう
- アクティビティ6 都道府県の形で遊ぼう
- アクティビティ7 何のランキング?
- Column ランキングを使った別アクティビティ&おすすめ資料
- 第2章 都道府県庁所在地の名前と位置 ワーク&アクティビティ
- ○「都道府県庁所在地」の学習での指導ポイント
- 1 九州地方 県庁所在地を確かめよう
- 2 九州地方 県庁所在地を覚えよう
- 3 中国・四国地方 県庁所在地を確かめよう
- 4 中国・四国地方 県庁所在地を覚えよう
- 5 近畿地方 県(府)庁所在地を確かめよう
- 6 近畿地方 県(府)庁所在地を覚えよう
- 7 中部地方 県庁所在地を確かめよう
- 8 中部地方 県庁所在地を覚えよう
- 9 関東地方 県(都)庁所在地を確かめよう
- 10 関東地方 県(都)庁所在地を覚えよう
- 11 東北・北海道地方 県(道)庁所在地を確かめよう
- 12 東北・北海道地方 県(道)庁所在地を覚えよう
- 13 都道府県庁所在地 まとめテストにチャレンジしよう@
- 14 都道府県庁所在地 まとめテストにチャレンジしようA
- 15 都道府県庁所在地 まとめテストにチャレンジしようB
- 16 都道府県庁所在地 まとめテストにチャレンジしようC
- アクティビティ1 都道府県庁所在地名ダウト
- アクティビティ2 都道府県庁所在地の市章を調べよう
- アクティビティ3 3つのとびら都道府県庁所在地ver.
- Column 都道府県学習の素材
- 第3章 地図の基礎知識 ワーク&アクティビティ
- ○「地図の基礎知識」についての指導ポイント
- 1 基本事項 地図について知ろう
- 2 縮尺 距離を確かめよう
- 3 方位 方位について知ろう
- 4 方位 方位を覚えよう
- 5 地図記号 地図記号について知ろう
- 6 地図記号 地図記号を覚えよう
- 7 地形 等高線について知ろう
- 8 位置 緯度・経度について知ろう
- 9 まとめ テストにチャレンジしよう
- アクティビティ1 道案内をしよう
- 解答
- あとがき
まえがき
○社会科の学習は好きですか?
はじめまして,大阪の公立小学校で教師をしている永井健太と申します。本書を手に取っていただきありがとうございます。私自身,社会科が好きなので,子どもたちにも社会科の学習が好きになってほしいという願いをもち,試行錯誤する日々を送っています。
さて,私はよく社会科の授業で関わる子どもたちに,「社会科の授業は好き?」「社会科の授業は楽しい?」と質問をしています。「ちょっと好きになってきたかも」とか「○○について調べるのは楽しい」という感想を聞くと嬉しくなるのですが,多くは「おもしろくない」「嫌い」という感想です。また,教師からも「社会の授業は苦手」「どのように教えればよいかわからない」と聞くことがあります。なぜ,子どもにとっても,大人にとっても社会科が苦手な教科・嫌いな教科となってしまうのでしょうか。この問いについては少し後で触れます。
○地図帳に魅了されて
小学生の頃の私は,社会科の時間にずっと地図帳を眺めているような少年でした。先生から声をかけられるまでずっと地図の中を旅していたことを記憶しています。そんな少年が青年になって行動範囲が広がると,地図の中だけでは物足りなくなり日本中を回るようになっていました。青春18きっぷを使って東北地方や北海道を巡ったり,大好きな単車に乗って四国・九州をぐるりと周遊したり,時にはヒッチハイクをしたりして全国を旅していました。
そんな地図帳が大好きだった少年は教師になり,その魅力を伝える立場になりました。日本には素敵な場所がたくさんあり,その情報が地図帳に詰まっています。そんな魅力を子どもたちが味わえるような授業がしたいですし,私の授業をきっかけで,子どもたちが大人になった時に実際にその目で確かめるようになっていたら嬉しいと思っています。
○実際の現場では
一方で,そんな魅力をじっくりと語る時間や子どもたちが地図帳をぼんやりと眺める時間が少ないというのが現場のリアルな状況です。4年生で学習することになった都道府県の漢字を教え,都道府県について授業で取り上げたらすぐにテストで暗記しているかどうかを確かめる。さらに必要があれば学習プリントを用意して……といった感じです。子どもたちからすると,都道府県の学習が怒涛のように押し寄せて,一気に過ぎ去っていくような印象でしょう。きっと「覚えなければならない知識」として認識しているに違いありません。先述した願いとは裏腹に,私もそのような学習をしてきたことがあるので,正直申し訳ない気持ちでいっぱいです。
もちろん覚えること,暗記することはいいことだと思います。都道府県の位置と名前のように暗記できるような知識は,都道府県の特色という高次の知識を獲得するための道具的な知識となるからです。でも,どうせ覚えるなら楽しく,子どもたちが進んで学べるようにしたいというのは,私だけではなく,本書を手に取ってくださったみなさんも同じ思いではないでしょうか。本書は私の社会科指導の経験をもとに,できる限り「楽しく,主体的に学ぶ」ということをイメージして作成しております。お役立ていただければ幸いです。
○暗記教科といイメージ
さて,はじめの問いに戻ります。
「社会科は内容教科である」と聞いたことがあります。これは子どもたちが身に付けるべき知識が明確であるということを表していて,学習指導要領にも子どもたちが獲得すべき知識が書かれています。その知識には本書で扱う「都道府県の名前と位置」や「方位」のように基礎的な知識もあれば,「◯◯県◯◯市は自然豊かな環境を生かした産業を行い地域の活性化に努めている」といった抽象的な知識もあります。自分が子どもの頃に受けてきた社会科の授業を思い返すと,基礎的な知識に限らず,抽象的な知識についても暗記することを求められることが多かったように思います。そのような学習を通して,社会科の学習は“暗記することが中心”であるというメッセージを知らず知らずのうちに受け取っていたことでしょう。この「社会科=暗記教科」というイメージが,子どもたちの社会科嫌いの原因の1つになっていると考えられます。
また,子どもたちが楽しみながら自分で知識を獲得していく社会科の授業をしたいという思いをもちながらも,自分が受けてきた社会科の授業のイメージを払拭することが難しく,教科書の内容をなぞるような授業になってしまうという悩みをもつ教師も多いのではないでしょうか。
○まずは子ども観の転換を
この「社会科=暗記教科」というイメージを拭い去るためにはまず,次のような子ども観をもつことが大切になると考えます。
子どもたちはきっかけさえあれば,自分で知識を獲得することができる。
必要な知識を教え込むのではなく,知識を獲得できるようにきっかけをつくってあげることが教師の役割だと考えることが,楽しく,進んで学ぶ社会科学習の第一歩だと思います。「与える」「やらせる」存在としてではなく,自然と教科書や地図帳を開くような手立てを講じようとすることが大切です。子どもたちは私たちが考えている以上に学びを進めていく力をもっています。その力を信じて,ちょっとだけ背中を押す存在になることができれば,社会科の授業はもちろんのこと,他の学習のデザインも変わっていくことでしょう。「ちょっとだけ背中を押す」とはどういうことか,それは私も日々悩んでいます。ぜひ一緒に考えていきましょう。
教師がこのような子ども観をもち,子どもたちと関わったり授業と向き合ったりしていれば,きっと子どもたちも「学びは与えられるものではなく,自分たちで進めていくものだ」と感じてくれることでしょう。
○イメージする姿
書店に行けば,都道府県や地図に関する書籍をたくさん目にします。きっと本書よりも詳しくわかりやすいものはたくさんあるはずです。私は本書を執筆するにあたって,編集担当の中野さんに伝えたことがあります。それは「教師だからこそつくれるワークシート集にしたい」ということです。この目標を実現するために,本書を活用される教師の姿,そしてワークシートやアクティビティに取り組む子どもたちの姿をイメージして作成しました。
教師が子どもたちの意欲を高めて学習へと向かうようにし,子どもたちが楽しく,そして主体的に学びを進め,達成感を味わう。その姿を見て教師が喜び,子どもたちも喜ぶ。本書をきっかけにそのような姿が教室の中に生まれたら嬉しいなと思っています。
本書が全国の先生,子どもたち,保護者のみなさまのお役に立つことを願っております。
ではまた,「あとがき」でお会いしましょう。
2022年8月 /永井 健太
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- 明治図書
- 使いやすいワークシートいっぱいです。ありがたいです。2024/8/230代・小学校教員
- 社会科の授業にて活用させていただきます。都道府県の学習においてのアクティビティを子供達と楽しみたいです。ありがとうございます。2024/3/3150代・小学校勤務
- 社会の学習課題が終わった児童に出す課題として最適でした。2023/12/1740代・小学校教員
- 地図の活用という点で便利。2022/9/2おがちん