- はじめに
- 序章 発問から文学の授業づくりを考える
- 文学的文章の価値に迫る発問をつくるには、まず教材研究
- 発問は、4つの層で、広く、深く
- 発問の観点は、5W1H
- 第1章から第11章は、それぞれ以下のような構成になっています。
- 1 教材解釈と単元構想
- @単元の中心発問につながる教材解釈
- A単元構想と発問
- B発問で見る単元の見取図
- 2 発問を位置づけた単元計画
- 3 授業展開例
- 第1章 シンシュン
- 第2章 さんちき
- 第3章 星の花が降るころに
- 第4章 少年の日の思い出
- 第5章 盆土産
- 第6章 字のない葉書
- 第7章 卒業ホームラン
- 第8章 走れメロス
- 第9章 握手
- 第10章 形
- 第11章 故郷
はじめに
生徒が、自分たちで協働して課題を解決する力をつけるために「対話的な学び」は重要です。
自分で見つけた課題に対して、少人数で話し合いながら結論を導き、プレゼンテーションソフトに載せ、いきいきと発表をする。自分で課題を見つけ、話し合いをして、発表をして…と、生徒が活躍する授業は、大変魅力的に映ります。
けれども、管見の限り、未熟な読み手である彼らの発表内容は、実に浅く、拙いものになりがちです。
一方で、文学的文章を教材にした単元になると、教師が自身の読みに基づいた解釈を延々と生徒に説明するような授業も見受けられます。教師の解釈自体はすばらしいものだとしても、自分でたどり着いた解釈ではないものを聞かされるだけの生徒に何が残るのか、甚だ疑問です。
優れた文学作品を教材とした授業を行っていく中で、生徒にその作品ならではの世界を捉えさせ、教材文の内容を解釈させていきたいものです。そのために教師にとって必要なことは、教師自身が教材文と対峙した後、考える価値のある「発問」をつくり、投げかけ、生徒たちの力で読み取らせることでしょう。
本書では、そのような発問づくりの具体を、11の教材を通して提案しています。作品の価値に迫る授業づくりの一助になれば幸いです。
2022年5月 /小林 康宏
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- 明治図書
- 教材研究の参考になります。2024/6/5maron