- はじめに
- 1章 板書型指導案のススメ
- 板書型指導案って何?
- 板書型指導案の歴史
- 板書型指導案の特長(よさ)
- 板書型指導案の読み方・書き方
- 板書型指導案を使った授業デザイン
- 板書型指導案を活用するときのコツ
- 2章 授業の流れが一目でわかる! 社会科6年板書型指導案
- 1 わたしたちのくらしと日本国憲法(10時間)
- 1時 まちの様子から,どのような考えでまちづくりが行われているか考え,学習問題をつくろう。
- 2時 日本国憲法はどのようなものなのだろうか。
- 3時 憲法の基本的人権の考えは,わたしたちのくらしにどのように実現されているのだろうか。
- 4時 憲法の平和主義の考えは,わたしたちのくらしにどのように実現されているのだろうか。
- 5時 国民主権の考えは,わたしたちのくらしにどのように実現されているのだろうか。
- 6時 国会は,だれが,どのように,何をしているのだろうか。
- 7時 内閣は,だれが,どのように,何をしているのだろうか。
- 8時 裁判所は,だれが,どのように,何をしているのだろうか。
- 9時 日本国憲法と国の政治について関係図に表し,学習問題の結論を考えよう。
- 10時 日本国憲法や国の政治のしくみについて,自分の考えをスピーチに表そう。
- 2 願いを実現する政治(7時間)
- 1時 現在,日本はどのような状況なのだろうか。
- 2時 川口市の課題について話し合い,学習問題をつくろう。
- 3時 児童センターでは,どのような活動が行われているのだろうか。
- 4時 子育て支援の願いは,どのように実現させていくのだろうか。
- 5時 子育て支援のための費用はどうなっているのだろうか。
- 6時 他の地域では,どのような活動が行われているのだろうか。
- 7時 調べたことを関係図にまとめ,学習問題の結論を考えよう。
- 3 縄文のむらから古墳のくにへ(7時間)
- 1時 縄文時代の人々は,どのような生活をしていたのだろうか。
- 2時 弥生時代の人々は,どのような生活をしていたのだろうか。
- 3時 縄文時代と弥生時代の生活の様子を比べ,学習問題をつくろう。
- 4時 米づくりが広がったことで,むらの生活はどのように変わったのだろうか。
- 5時 大仙古墳はどのような墓なのだろうか。
- 6時 古墳がつくられたころ,世の中はどのような様子だったのだろうか。
- 7時 むらからくにへ変化した様子を整理し,学習問題に答えよう。
- 4 天皇中心の国づくり(6時間)
- 1時 法隆寺を建てた聖徳太子は,どのような働きをした人物なのだろうか。
- 2時 聖徳太子が活躍した当時の世の中の様子について調べ,学習問題をつくろう。
- 3時 中大兄皇子は,どのようにして天皇中心の国づくりを進めたのだろうか。
- 4時 聖武天皇はどのようにして世の中を治めていったのだろうか。
- 5時 聖武天皇の時代にはどのような国際交流が行われていたのだろうか。
- 6時 人物の役割を考えて,学習問題の結論を考えよう。
- 5 貴族の生活と文化(4時間)
- 1時 平安時代の貴族のくらしについて調べ,学習問題をつくろう。
- 2時 平安時代はどのような文化が栄えたのだろうか。
- 3時 平安時代の仏教はどのようなものだったのだろうか。
- 4時 今日に残る平安時代の文化について考え,学習問題の結論を考えよう。
- 6 武士による政治(6時間)
- 1時 武士はどのようなくらしをしていたのだろうか。
- 2時 武士と貴族の関係について調べ,学習問題をつくろう。
- 3時 平氏と源氏はどのように勢力をのばしたのだろうか。
- 4時 頼朝が開いた幕府は,これまでの政治とどのようなちがいがあるのだろうか。
- 5時 幕府は元とどのように戦い,その後,どうなったのだろうか。
- 6時 武士の世の中絵巻をつくり,学習問題のまとめを考えよう。
- 7 今に伝わる室町文化(4時間)
- 1時 京都に幕府が置かれたころ,どのような文化が生まれたのか考え,学習問題をつくろう。
- 2時 室町時代に生まれた文化は,どのような文化なのだろうか。
- 3時 武士が中心の室町時代,庶民の生活はどのようなものだったのだろうか。
- 4時 調べたことを整理して,学習問題の結論をまとめよう。
- 8 織田・豊臣の天下統一(5時間)
- 1時 戦国時代の勢力図を読み取り,学習問題をつくろう。
- 2時 織田信長は戦国大名とどのような戦いをしたのだろうか。
- 3時 信長はどのようにして勢力を広げていったのだろうか。
- 4時 豊臣秀吉は,天下統一後,どのように全国を支配したのだろうか。
- 5時 織田信長と豊臣秀吉の天下統一重大ニュースを考え,学習問題をまとめよう。
- 9 江戸幕府の政治(6時間)
- 1時 徳川家康は信長や秀吉と同じような政治をしたのだろうか。
- 2時 日光東照宮をつくった3代将軍徳川家光について調べ,学習問題をつくろう。
- 3時 幕府はどのようにして大名を支配したのだろうか。
- 4時 幕府はどのようにして人々を支配したのだろうか。
- 5時 幕府はなぜキリスト教を禁止したのだろうか。また外国との関わりはどうなったのだろうか。
- 6時 家光の業績をまとめ,学習問題のまとめを考えよう。
- 10 江戸の町人文化(6時間)
- 1時 江戸時代の人々の様子を話し合い,学習問題をつくろう。
- 2時 江戸時代の百姓や町人はどのような生活をしていたのだろうか。
- 3時 江戸時代の町人たちはどのような文化を楽しんでいたのだろうか。
- 4時 江戸時代の学問は,社会にどのような影響をあたえたのだろうか。@
- 5時 江戸時代の学問は,社会にどのような影響をあたえたのだろうか。A
- 6時 調べたことを整理して,学習問題に答えよう。
- 11 明治維新と近代化(8時間)
- 1時 江戸の終わりごろと明治のはじめごろの様子を比べて学習問題をつくろう。
- 2時 ペリーの来航は,世の中の変化にどのような影響をあたえたのだろうか。
- 3時 強い日本にするために,どのような人たちが,どのような考えで行動したのだろうか?
- 4時 明治政府はどのような改革を行い,どのような国を目指したのだろうか。
- 5時 明治時代になり,人々のくらしや考えはどのように変わったのだろうか。
- 6時 政府の改革に対して不満をもった人々は,どのような行動をしたのだろうか。
- 7時 自由民権運動の結果,明治の日本の政治のしくみはどのようになったのだろうか。
- 8時 調べてきたことを整理し,学習問題のまとめを考えよう。
- 12 世界に歩み出した日本(6時間)
- 1時 日本の立場を向上させる方法を話し合い,学習問題をつくろう。
- 2時 日本は不平等条約によってどのような影響を受けていたのだろうか。
- 3時 日清戦争,日露戦争によって日本はどのようになっていったのだろうか。
- 4時 戦争に勝った日本はどのようになっていったのだろうか。
- 5時 国際的に地位が向上しても,人々はどのような不満をもっていたのだろうか。
- 6時 調べたことを整理して,学習問題に答えよう。
- 13 戦争と人々のくらし(7時間)
- 1時 戦争について知っていることや考えたことをもとに学習問題を考えよう。
- 2時 長く続いた昭和の戦争は,なぜ始まってしまったのだろうか。
- 3時 戦争はどのように世界に広がっていったのだろうか。
- 4時 戦時中,人々はどのような生活をしたのだろうか。
- 5時 日本各地の都市は空襲によってどのような被害を受けたのだろうか。
- 6時 長く続いた戦争はどのように終わったのだろうか。
- 7時 学習問題についてまとめ,戦争について自分の考えを書こう。
- 14 戦後復興(6時間)
- 1時 戦後の日本の様子から,学習問題を考えよう。
- 2時 戦後,日本はどのような国を目指したのだろうか。
- 3時 日本と世界の関係や,国内の様子はどのようになったのだろうか。
- 4時 東京オリンピック・パラリンピックが開催された日本はどのような国になったのだろうか。
- 5時 戦後の日本がどのように歩んできたかふり返り,学習問題の結論を考えよう。
- 6時 これからの日本は,どのような国になっていくべきだろうか。
- 15 「世界の中の日本」(1時間)
- 1時 日本と世界はどうつながっているのだろうか。
- 16 「日本とつながりの深い国々」(6時間)
- 1時 日本は特に,どの国とつながりが深いのだろうか。
- 2・3・4時 日本とつながりの深い国々はどのようなくらしをしているのだろうか。
- 5・6時 日本とつながりの深い国々の様子から,これからのことを話し合おう。
- 17 世界の未来と日本の役割(8時間)
- 1時 世界の様子を話し合い,学習問題をつくろう。
- 2時 世界にはどんな問題があり,だれがどのように解決しているのか調べる計画を立てよう。
- 3時 国際連合は世界の様々な問題にどのような役割を果たしているのだろうか。
- 4時 日本はどのような国際的な活動をしているのだろうか。
- 5時 平和な世界を実現するために,どのような活動をしているのだろうか。
- 6時 地球の環境を守るために,世界でどのように取り組んでいるのだろうか。
- 7時 なぜこのチョコレートは高いのだろうか。
- 8時 学習問題の結論を考えよう。
- おわりに
はじめに
本書を手に取られた先生方の中には,もしかして日々,次のような悩みを抱えておられる方がいらっしゃるかもしれません。
・毎日の忙しさの中で,満足に教材研究ができていない。
・1時間の社会科の授業をどう流したらいいか,わからない。
・学年の先生方と,授業の流れを共有する時間が取れない。
・教師用指導書だけでは,細かい指示や発問がわからない。
・板書が整理できず,用語や説明の羅列になってしまう。
本書が提案する「板書型指導案」は,このような悩みを解消する特効薬になり得る,学習指導案の形式です。
わたしたち自身も以前まで,このすべての悩みを抱える一人でした。そんな中,「板書型指導案」の先行実践に出合い,シンプルな形式と利便性に感銘を受けました。そして,わたしたちなりに,さらに「毎日の教材研究の過程で作成でき,日常的に使える」実用的な形式を目指して,検討を重ねました。具体的には,「1枚を1時間程度で作成できるようでなければ,多忙な毎日の中でつくれない」と考えて形式を整え,改善と実践を積み重ねて蓄積してきました。
我々が実感する「板書型指導案」の効果は,以下の通りです。
・職員室から教室に行くまでに,一目見てわかる。
・学年の先生方に配布することで,十分に情報を共有できる。
・作成する過程で,板書や授業の流れが整理される。
・「1時間の授業をデザインする力」が磨かれる。
・次年度以降に「すぐに使える」授業記録として残る。
本書の特長として,6年生の社会科において,資料から児童が問いをもち,学習問題や学習課題を設定できるような授業を目指しました。さらに,高学年にありがちな難しい用語を覚えるだけの授業にならないよう,調べたことの意味や特色について児童が考えられる授業展開を意識しています。また,平成29年版学習指導要領に対応した単元構成で作成しました。具体的には,次の通りです。政治先行を想定した単元配列にしたこと。「わたしたちのくらしと日本国憲法」を第一小単元に設定したこと。世界との関わりや現在とのつながりを意識した歴史学習。「三人の武将」を「織田・豊臣の天下統一」,「江戸幕府の政治」に分けたこと。国際単元は,将来のグローバル社会の担い手として,参画意識につながるような学習展開にしたことなどです。本書が先生方の一助となれましたら,幸いです。
2019年3月 /紺野 悟・海老澤 成佳
指導に役立つ。
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