- はじめに
- 第1章 「予防」術
- 生徒指導上の問題など起こさせない
- 「いじめ」の陰には「学級崩壊」がひそむ
- 残念だが、トラブルにつける「万能薬」はない
- 問題を引き起こしそうなものは全てツブせ
- 暴力は「負け!」と教え込め
- 子どもの背後にいる保護者の顔色をうかがえ
- 防犯カメラで万引きが減れば夏休みは快適
- 「靴隠し、キモッ!」と言い放て
- 「いじめ」をする子は教師の「敵」と叫べ
- 「スパイ」を育てよ
- 第2章 「対応」術
- どんな問題も全てまるめられる
- 先手必勝で保護者の「ご満足」を引き出せ
- 子どもより先に保護者に取り入るべし
- クレーマーのお怒り具合をはかれ
- 丁寧な対応をしているように演出、最大限アピールせよ
- 「冤罪」は保護者を「敵」に回す
- たとえ警察案件でも一方の意見だけを信じるな
- 子どもでも性的な問題は一大事、侮るなかれ
- クレームが嬉しくなれば、ブラック一流
- 相手に報告のひと手間を押し付ければ楽できる
- 謝らない親を諭すより、代わりに謝ってしまえばおさまる
- 現場に走って顔を見せておけば、信頼は勝ち取れる
- 学校が低姿勢の時代は終わった
- 第3章 「指導」術
- 子どもに二度と問題を起こさせない
- イチャモンをつけてから、指導せよ
- 存在だけで恐ろしい「説教部屋」をつくれ
- 叱る時は、怒りのオーラをまとえ
- うるさい保護者の子は叱ってまで成長させる必要なし
- ムダなので理由は聞かない
- 不登校の理由はさらに聞いてなどやらない
- 重大事件は「真実は1つ」で落とす
- 多人数でも「真実は1つ」で個別に攻めて落とす
- 問題がおさまるなら「真実が2つ」でもよしとする
- 「相手の弱み」を握って再発を止めよ
- 生き残るためには「裏取引」にも応じよ
- 大人の余裕で笑って切り返せ
- 全校全て「ブラック」に巻き込め
- 第4章 おかわりブラック
- やめられない腹黒さ…
- 夏休みの宿題は許してやれ
- 「コール&レスポンス」で子どもはノセられる
- 教師も子どもも楽が一番
- 「正しいラジオ体操」なんてあきらめてよい
- 「フレーム」を使って手を抜け
- 良いクラスなんて、つくらなくてよい
- 若者がこぢんまりとまとまった日本に未来はない
はじめに
「管理職になりませんか?」
こう声をかけられることが増えてきた。有難いことである。
私も来年で50歳になる。同期には、管理職になった友人も多い。
そんなベテランの私なのだから、管理職への誘いがあるのも当然といえば当然だ。
でも、自由でいたいのが本音かな。30人の子どもたちと保護者に責任を持つだけでも、精一杯である。管理職になってしまったら、学校全体の子どもたちと保護者に責任を持たなくてはならない。また、職場の同僚たちにも責任を持たなくてはならない。
私は、故・植木等氏を敬愛している。そして、最も好きな芸能人は、高田純次氏である。
私は、こういう「軽い」大人でありたい。「無責任な」大人でありたい。
もちろん、植木氏や高田氏が、「軽い」「無責任な」大人を演じているのは、承知の上だ。彼らは、腹黒い。ブラックだ。彼らが、実は真面目で誠実なのが、私には分かっている。分かった上で、彼らのように見せかけは「軽い」「無責任な」大人として振る舞いたいと思っているのだ。そんなポリシーを持っている私に、管理職は似合わない。
だから、私は生涯現役、生涯学級担任として過ごすつもりだった。しかし、私の歳から、定年が65歳になるらしい。
60歳で、学級担任として働く自分は想像できた。昼休みに子どもたちと遊んで、グラウンドを走り回る60歳の自分も想像できた。
しか〜し!65歳である。65歳まで学級担任として働けるのか?子どもたちと遊び続けられるのか?走り回れるのか?不安がある。そもそも、生きているのか?
中村の今後は、どうなるのか?管理職になっていたら、笑って欲しい。まあ、教頭を飛ばして、いきなり校長になってくれと言われたら、今すぐOKだけどね。
誘いに乗って、管理職になるべきなのか?それとも、学級担任であり続けるのか?正直、迷う。同じ悩みを持っているアナタ、文通しましょう(笑)。
または、大学の先生にでもなるかなあ。大学の先生にお誘いいただける方は、私の携帯にお電話ください。いや、私は、携帯電話を持っていなかった。
そんな私の今のポジションは、生徒指導主任。教務主任だと、担任を外される可能性がある。そこで、生徒指導を希望している。
しかし、生徒指導主任は、私に向いていた。これが、楽しい。実に、楽しい。お陰で今回の『ブラック生徒指導』は、会心の作になりそうだ。
なんせ、書きたいことが多すぎる。伝えたいことが多すぎる。
本書『ブラック生徒指導』は、『ブラックシリーズ』の中でも一番の作品になると確信している。
『ブラック学級づくり』が爆発的に売れた。『ブラック保護者・職員室対応術』も売れた。『ブラック授業づくり』も売れた。『ブラック学級開き』も、毎年4月に売れ続けている。
そして、前作『ブラック運動会・卒業式』が、……こけた。見事に売れなかった。
ということで、今回の『ブラック生徒指導』は、起死回生を狙っての1冊である。
この本が売れなければ、次の『ブラック』はないだろう。読者にも、その辺りの危機感を持って、本書を読んで欲しい。そして、『ブラックシリーズ』が続くように、お仲間に、お友達に、ご家族に、親戚に、他人に、薦めて欲しい。
2019年7月17日 令和最初の夏休み3日前に 夏休み大好き教師 /中村 健一
実践していきます。
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