- ようこそ マジックフレーズの世界へ
- 第1章 「低学年の子ども」ってどんな人?
- 1 「低学年」ってこんな人たち
- 2 マジックフレーズが低学年に効くワケ
- Column 「べんきょうってたのしいんだよ!」
- 第2章 授業で使えるマジックフレーズ
- 1 はじまりのチャイムの直前に 〇〇さん,正解!
- 2 まだ,席についていない子がいるとき きのせいかなー?
- 3 おしゃべりが止まらないとき そらみみかな?
- 4 授業の始まりに ミッションはこれだ!
- 5 手を挙げ,発表するのを躊躇する子に 教室はまちがうところ!
- 6 不適切な発言を制止するとき 授業っぽいものにしてね
- 7 子どもが答えをまちがえたとき 誰もまちがえないなら先生はいりません
- 8 詩や絵の課題が苦手な子に うまいとか下手とかありません
- 9 課題を提示するときに やりかたはこうだよ&あと○分だよ
- 10 字を書くのが雑な子に もっときれいな字を書けること,知っているよ
- 11 課題に向かえない子に これじゃあ○○(名前)の無駄遣い!
- 12 進度の差ができたとき “お助け”お願い!
- 13 時間内に課題が終わらない子に …のときにやりましょう
- 14 授業の終わりに …がわかったかな?
- Column 「そのまんまでいい」なら学校はいらない。
- 第3章 日常場面で使えるマジックフレーズ
- 15 いつでも,どこでも,何度でも みんなを幸せにするためにここにいるよ!
- 16 望ましい行動を求めるとき お天道様が見ています!
- 17 「どうすればいいですか?」と聞かれたとき どうすればいいと思いますか?
- 18 「〜していい?」と個人的に聞かれたら みんなに聞いてみよう
- 19 悪口をたしなめるとき 悪口を言うのは,天に唾を吐くのと同じ
- 20 言葉使いをたしなめるとき どこで覚えたのですか? 今すぐ忘れなさい!
- 21 不適切な言葉を言いたがる子に お下品禁止!
- 22 ルールを逸脱したとき 知っていましたか? 知りませんでしたか?
- 23 思い通りに行かなかった子に 人生には,そういうこともある!
- 24 小さなことで不満を言うとき ちっぽけなことでは怒りません!
- 25 投げやりになっている子に あなたが〇〇なのは,先生がイヤです!
- 26 子どもが話を聞けないとき マミ先生は,ゴキゲンナナメ!
- 27 ぶったりけったりしてしまう子に どんな理由があっても,暴力した方が悪いです
- 28 いじめ防止を目指して さとうたえこちゃんの話をするよ
- 29 「先生キライ!」と言われたら… 先生はあなたがだーいすき!
- 30 すこしの機会があるたびに あいしてる。ありがとう。あなたのおかげ。
- Column みえないけれどたいせつなものもつたえたい
- 第4章 けんかやトラブルで使えるマジックフレーズ
- 31 トラブルを訴えられたとき その1 給食を食べているときに聞きます
- 32 トラブルを訴えられたとき その2 「なんで」を使わないで伝えましょう
- 33 順番を争う子どもたちに ゆずれた人が幸せになれます
- 34 イヤなことを言われた子に 言った人が間違い。本当は違うよ。
- 35 けんかの解決法 その1 次の3つから選びます
- 36 けんかの解決法 その2 悪いことしたなあと思う人は手を挙げて
- 37 けんかの解決法 その3 この先,ふたりはどうなりたいの?
- 38 けんかの解決法 究極 もういい! 思う存分やりなさい!
- 39 ものかくし・らくがき・いじめ などがあったとき やった人が幸せじゃないのかなって,心配です
- 40 暴言・暴力のある子に ちがう言い方・ちがうやり方を練習するよ
- Column 「楽しかったです,また行きたいですって書いとけ!」
- 第5章 行事で使えるマジックフレーズ
- 41 待機や鑑賞の態度を指導するとき その1 みんなが「いい子」って思われないのはイヤ!
- 42 待機や鑑賞の態度を指導するとき その2 まぼろしかなー?
- 43 運動会・学芸会で演技を教えるとき 鬼先生にヘンシン!
- 44 動きや演技に自信がない子に そうそう! それでいいんだよ!
- 45 きちんと並べてないことを叱るとき できない人には,言いません
- 46 練習中の態度が良くないとき もしかして,うっかりしちゃった?
- 47 演技に磨きをかけるとき これじゃあ,先生は満足しないよ!
- 48 本番の直前に 見ている人を幸せにするよ!
- Column どの子も1/30
- 第6章 通常級での特別支援のマジックフレーズ
- 49 クラスの子どもたちへ 大目に見よう & 応援してあげよう
- 50 やることを説明するとき @・・・A・・・B・・・
- 51 他の子と同じ行動を促すとき できますか,できませんか
- 52 ルールを伝えるとき いけません。ダメです。
- 53 問題行動のその後で ……我慢できなかったんだね
- 54 事情のある家庭の子どもに おうちのひとができなかったら先生とやろう
- Column 保護者へのまなざしをアップデート
- 第7章 おうちのひとにもマジックフレーズ
- 55 学年がはじまるときに 私たちは,同じ目標をもつ仲間です
- 56 連絡帳のやりとりで ご連絡ありがとうございます
- 57 おうちのひとと共有したいこと その1 きっと,だいじょうぶ
- 58 おうちのひとと共有したいこと その2 子どもは3つの顔を持っています
- 59 おうちのひとと共有したいこと その3 子どもの話は小さな「曇りガラス」
- 60 家族支援者としてのメッセージ 子どもの“いる”を喜んで
- 『低学年担任のためのマジックフレーズ』制作裏話
ようこそ マジックフレーズの世界へ
この本に載っているマジックフレーズはすべて,私の現場経験から編み出したものです。
……なんて言うとカッコいいけれど,実際には,子どもとまみれる日々の中で苦し紛れに口から出た言葉が,思いのほか効果的だったので,だんだん定番化していった,というほうが真実に近いかな。
だから,“立派”な先生が読んだら,眉をひそめるようなフレーズもあるかもしれません。
とはいえ,私は,誰になんと言われようと,私なりのポリシーをもって,日常的にこれらの言葉を使っています。だから,この「低学年担任のための マジックフレーズ」を,自信をもってここに発表します!
嘘です。
こんな,学校的価値から外れ気味のアイデアを,苦し紛れの現場アイデアを,公にしてしまっていいのだろうか,いったい,誰になにを言われてしまうのだろうと,実は戦々恐々としています。
それでも,そんなドキドキを超えて,皆さんの前に私の手の内をさらけ出すのは,「これによって,少しでも,学級経営がラクになる先生がいたらいいなあ」と夢見るからです。
著作権とか知的財産権とか,いろいろ世知辛い世の中で,学校の先生の,自分のアイデアを惜しげもなく皆に分け与える文化は,とても貴重なものだと私は思います。
学芸会の台本から,授業のアイデアや当番のやり方に至るまで,「それは私が考えたのだから,使用料をください」なんて言う先生はいません。
それどころか,教師から教師へと,いいアイデアは,どんどん,どんどん拡がっていく。「あー,そのワークシート使わせて」「どーぞ,どーぞ」という会話は,どこの学校にもある日常風景です。
私は,先生方のこの優しさが大好きです。
そしてその後ろ側にあるのは,子どもに少しでもいいものを届けたいという想い。自分が教えている子でもそうでない子でも,それは同じこと。
というわけで,私もこの文化の一端を担って(端っこにかろうじてぶら下がっているくらいでしょうが),この本を通じて,いくばくかでも,先生方のお役に立てるアイデアが提供できていたらいいなあ,と強く思っています。
2020年12月 /林 真未
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- 明治図書
- 低学年向けの言葉がけに特化しているため、日々の関わりの中で役立ちました。2021/4/1720代・小学校教員