- はじめに
- 最高の教室をつくる言葉かけ
- 「規律と楽しさ」のある学級をつくる言葉かけ
- 個と集団を育てる365日の言葉かけ
- 授業開始
- 「これは何でしょう?」
- 「これが見えるところまで出てきなさい。(問い)わかった人から戻りなさい」
- 「もう,書いているでしょうね?」
- 「読める人は最高の姿勢をします」
- 「友達の作文を読みます」
- 「全員起立。残念,揃っていません」
- 「やる気ある?」
- 「○○さん,厳しく成長する授業がいいですか,甘っちょろい成長しない授業がいいですか? みんなは?」
- 「○○さん,あなたの姿勢と表情がいい」
- 「やる気のある人とだけ今から勉強します」
- 話す
- 「右手の中指の先を天井に突き刺せ」
- 「少ないなあ……隣としゃべれ!」
- 「ハキハキとした美しい日本語で」
- 「よくないトートロジーを使わない」
- 「当てずっぽうで話すのです」
- 「これが寄りかかる。これが気をつけ」
- 「音読の声で話しなさい」
- 「君は誰に話しているの?」
- 「例えば?」
- 「手にも話をさせましょう」
- 聞く
- 「君は○○君が嫌いなのですか? そうでないなら体で聞きましょう」
- 「心の芯をビシッとさせて聞きなさい」
- 「『あるある』と反応しましょう」
- 「後で質問(感想)してもらいます。話を聞くことと質問(感想)はセットです」
- 「話を聞けない人と一緒にいるのは時間の無駄です」
- 「君たちは○○君を仲間だと思っていないのか?」
- 「コピーするつもりで聞きなさい」
- 「○○さんは3つのことを話しました。言える人?」
- 「低学年は5分,中学年は10分,高学年は15分。常識です」
- 「違いが言える人? 比べながら聞くのです」
- 書く
- 「書けたら『書けました』と言いましょう」
- 「箇条書きでたくさん書きます」
- 「1分59秒で書きましょう」
- 「ズバリと書きなさい」
- 「書かないと後の話し合いでは相手になりませんよ」
- 「○○選手,もう5つ目です」
- 「まず量です。質は後でいいのです」
- 「一心不乱に書くのです」
- 「5分で1ページを書きましょう」
- 「書ける人は成長していく人です」
- 読む
- 「はっきりと,そしてスラスラと」
- 「汗が出るまで音読します」
- 「1回読んだら『読みました』と言いにきなさい」
- 「この意味は? 辞書を引かないから知っていると思った」
- 「最後の一人になっても声を落としません」
- 「読めない言葉をジャンジャン聞きにきなさい」
- 「いい声だ。君らしい読み方だ」
- 「眼球を動かしなさい」
- 「日本人が日本語を読めないでどうする」
- 「言葉で考えるのが人間です」
- ペア学習
- 「お願いします」「ありがとうございました」
- 「パッと向かい合いなさい」
- 「傾聴しなさい。そっくりそのまま話せるようにしなさい」
- 「相手から『ありがとう』と言っていただける人になろう」
- 「意味の含有量(話の密度)を増やしなさい」
- 「人間が好きなのですね。一番人間らしいですね」
- 「対話力はその人の成長のバロメーターです」
- 「向かい合わない……そんなに彼(彼女)のことが好きなのか?」
- 「あなた以外が相手だったら……目の前の人が幸せになる……それでいいのか」
- 「空白の沈黙はあなたの力不足です。にやけないで耐えなさい」
- グループ学習
- 「10秒以内に机を移動させます」
- 「よい話し合いができるチームは笑顔です」
- 「5分間で100以上の意見を出そう」
- 「秘密会議にしなさい」
- 「フォローしなさい。つなぎなさい」
- 「『イエーイ』と言ってハイタッチをしましょう」
- 「『いいねぇ,いいねぇ』を合言葉にしなさい」
- 「後でチームのMVPを発表してもらいます」
- 「交流戦をします」
- 「なぜグループなのか? 全員参加者になれるからだ。参加者になれ」
- 授業中の生徒指導
- 「○○さんの聞き方がいい。ここに名前を書いておこう」
- 「やめ! なぜ先生がやめと言ったのかわかる人?」
- 「○○君の行為をよいと思う人? よくないと思う人?」
- 「相手のよいところを2つ,アドバイスを1つ言いなさい」
- 「彼はAとBという2つの道を選ぶことができる。みんなはどっちを選ぶと思う?」
- 「○○さんの〜な話し方がいい。全員ノートにそう書きなさい」
- 「昨日とつないで,この時間は成長したと言える人?」
- 「○○さんらしい,○○君らしい意見を発表したのは誰でしょうか?」
- 「○○さんの〜がすばらしい。そのことを□□さんは校長先生に報告に行きなさい」
- 「成長のために今からどんなことに気をつけて取り組みますか?」
- ほめる
- 「君は本当に○年生か? □年生かと思った」
- 「すばらしい。拍手の用意。もう一度発表して。拍手!」
- 「あっ,今のもう一度! 写真に残しておきますね」
- 「その声は君が実力をつけた証拠です」
- 「バツグンにいいです。ありがとう」
- 「それいいなあ。先生,好きだなぁ」
- 「すばらしい。君のような○年生の子どもがまだ日本にいたなんて」
- 「○○さんとハイタッチしなさい」
- 「今の発表をこのカードに書いてほしい」
- 「○○君は〜していた。彼のそのような行為をみんなで学ぼうじゃないか」
- 叱る
- 「一言言いたいことがある……心配したよ」
- 「先生は期待しない人には叱りません」
- 「君は〜と書いていた。君はうそつきか?」
- 「君は名前のない『群れ』なのか。親につけていただいた名前を捨てたのか?」
- 「君は○○さんを仲間だと思っていないのか」
- 「常識レベルを上げなさい」
- 「先生が前の人に話したことも聞いておきなさい」
- 「幼稚園児でもできること」
- 「『緊張くん』『言い訳さん』を勝手に連れてこない」
- 「考えるのが人間,人間になれ」
- 誤答が出た場合
- 「時間を巻き戻そう! キュルルル(時間を巻き戻す音)」
- 「小学校のとき,同じ間違いをした(握手)」
- 「○○さん,少しインタビューをさせてほしい……」
- 「……さっ,ということで」
- 「○○さんのおかげで学べた。何を学んだのかノートにみっちり書きなさい」
- 「ボブ,君だけは裏切らないと思っていた……」
- 「今の発言は……なかったことにしよう」
- 「おいで,おいで」
- 「○○君,……ギャグはいいから正解を」
- 「大丈夫。周りの人が助けてくれるから」
- 諸活動
- 「黒板には握りこぶしの大きさで文字を書きなさい」
- 「旅では中心から逃げません」
- 「ペアでもグループでも丁寧語が成長する人の常識です」
- 「×の後の態度があなたの育ちです」
- 「対話ではコメントのシャワーをし合いなさい」
- 「移動のスピードを最大にしなさい」
- 「1分間読みます」
- 「円になるのです」
- 「打たれ強くなりなさい」
- 「回路がつながっていますか?」
- 授業全般
- 「拍手をしよう」
- 「細部にこだわろう」
- 「待ちません。発表しなさい」
- 「出す声で話そう」
- 「運動量を増やそう」
- 「彼女は知的好奇心がある」
- 「丁寧さと根気強さがポイントです」
- 「今,考えるときです」
- 「考えるは,分けるです」
- 「一発勝負です。競馬と一緒です」
- 授業終末
- 「鉛筆の音だけにして感想を書きましょう」
- 「感想は『3つあります』で話します」
- 「感想を30秒テキパキスピーチで隣と話しなさい」
- 「今日は○○さんのおかげでいい勉強ができた。ありがとう」
- 「次につながる感想を書きましょう」
- 「キーワード3つで感想を書きなさい」
- 「なぜうまくいったのか書きましょう」
- 「次にもっとよくするためのアイデアを書きましょう」
- 「今までの○年生には休み時間も感想を書いていた人がいました」
- 「学び方を反省するのではありません。テーマについて書くのです」
はじめに
25年前に,「コミュニケーションで子どもを正す」というテーマをいただき,関東で行われたあるセミナーで講座をもたせていただいたことがあります。「育てる」ではなく「正す」という言葉が印象に強く残っています。当時は荒れた学校で,悪戦苦闘しながらコミュニケーションの実践に明け暮れていました。そんな私のことを気にかけてくれていた方からの依頼でした。
コミュニケーション力を子どもたちにどのように身につけさせるか,といった指導意識が強かった私が,「子どもを正す」ために言葉をどのように意識して使うか,といったことを考え始めるきっかけにもなりました。
本書は,その当時の考え方も多少色濃く出ているので「強い思いの言葉かけ」に違和感をもたれる方もいるかもしれません。しかし,「言葉で育てる」という菊池道場の芯となる考え方のスタートでもあった時代の言葉でもあるので,「言葉で人間を育てる」という思いは当時も今も変わっていません。
本書は,私が担任していた教室や飛び込み授業等の実践を通して,「この言葉かけで子どもを育てることができる」と確信した言葉を集めたものです。それも,1時間の授業を成立させる言葉かけを意識して集めたものです。全国のどの教室にもあるであろう授業場面を限定して取り出し,その場面に合った具体的な言葉かけを例示しています。そうすることで,開始から終末までの1時間の授業の指導のポイントがつかめると同時に,安定した授業が成立するはずです。
「菊池省三365日シリーズ」も4冊目になりました。今回は,菊池道場大分支部の先生方の全面的な協力でできあがりました。大西一豊支部長を中心に,メンバーが一丸となって丁寧な原稿検討を繰り返してくれました。「正す」という強い思いと,コミュニケーションの「楽しさ」が感じられる「言葉かけ」集になっています。本書を活用していただくことで,凛とした中にあたたかさのある教室になることを願っています。
菊池道場 道場長 /菊池 省三
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- 明治図書
- 価値語の本はいくつか出ているが、比べるとこの本が一番使いやすいと思う。レイアウトが読みやすい。価値語を使うと良い時期、目的がはっきり書いてあるのがよい。2022/6/2840代・小学校管理職
- 「よくある言葉かけ」と「個と集団を育てる言葉かけ」が具体的に比較提示されているので分かりやすく、改善に生かしやすい。2022/4/24iroirotomaton
- 具体的な場面が書かれているのでイメージしやすい。2021/8/2940代・小学校教員
- 言葉がけを豊富に学べるため、とても使いやすいです。2021/6/2220代・小学校教員
- 年間を通しての具体的な声掛けの様子がよく分かった。2021/4/940代・小学校教員