- まえがき
- 1章 授業で子どもを引きつける基本メソッド
- なぜあなたのクラスの子どもは集中できないのか
- メソッド1 開始直後の反応で授業が決まる
- メソッド2 効果的な間をつくる
- メソッド3 期待感をもたせる
- メソッド4 ワクワク楽しい気持ちにさせる
- メソッド5 聞き取りやすい言葉と話し方で伝える
- メソッド6 記憶に残る指示を出す
- メソッド7 思考の階段を上らせる
- メソッド8 板書技術で引きつける
- 2章 「話し方」で引きつける技術
- 1 開始第一声で注目させる
- 2 意外性のあるキラーフレーズを用意する
- 3 「初頭効果」と「親近効果」を使い分ける
- 4 「始高終低」で説得力を上げる
- 5 重要フレーズの前に間を取る
- 6 「先が気になる」伝え方でワクワクさせる
- 7 感情を乗せて気持ちを伝える
- 8 「私」を主語にして想いを伝える
- 9 言葉を短くする
- 10 早口で伝えて集中力を上げる
- 11 「小さな声」で重要なところを印象付ける
- 12 「プラスの言葉」で印象付ける
- 13 「子どもの頃の話」で親近感をもたせる
- 14 「ストーリー」でイメージを膨らませる
- 15 「たとえ話」で興味をもたせる
- 16 手に動きをつける
- 17 感動する話をして求心力を高める
- 18 姿勢を正して発声する
- 19 無駄なノイズを消す
- 20 書きながら話し,集中力を上げる
- 3章 「指示・発問・言葉かけ」で引きつける技術
- 1 1回で1つの指示をする
- 2 言葉の中に数字を入れる
- 3 できていることを伝え,認める
- 4 発問と指示はセットで行う
- 5 オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける
- 6 オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを合わせて使う
- 7 明確な発問・指示にする
- 8 応用問題は段階を踏んで指示を出す
- 9 指示内容を黒板に書く
- 10 「発問→指名」で全員引きつける
- 11 身近な視点から発問をする
- 12 3つの承認で使い分ける
- 13 注意する言葉に気をつける
- 14 相手に合った承認方法,タイミングを選ぶ
- 15 失敗談を伝えて親近感をもってもらう
- 16 「怒る」と「叱る」をわきまえる
- 17 できている子を褒めて,できない子を動かす
- 18 机間巡視でやる気の上がる言葉をかける
- 19 「できそう!」と思えるゴールを見せる
- 20 テスト返却時に承認する
- 4章 「所作・動き」で引きつける技術
- 1 手を使って注目させる
- 2 立ち位置で視線を集める
- 3 視線を全員に配る
- 4 笑顔で子どもを引きつける
- 5 歩き方で印象を変える
- 6 視線を配るタイミングを工夫する
- 5章 「板書」で引きつける技術
- 1 「捨て板書」を活用する
- 2 半身の姿勢で引きつける
- 3 空間を整えて字を綺麗に見せる
- 4 右上がり・大きさ・角を意識して字を綺麗に見せる
- 5 黒板を綺麗にする
- 6 板書スピードを意識する
- 7 「足し算」ではなく「引き算」で板書する
- 8 使う色は原則3色までにする
- 9 線や枠で強調する
- 10 話をしながら板書していく
- あとがき
まえがき
「授業中,なかなか子どもたちの反応が上がってこない」「集中力の低い子が多くて困っている」このような悩みを抱えている先生方にたくさんお会いしてきました。
教師になる方は真面目な方が多く,「子どもたちのために良い授業をしていきたい」という志をもたれている方が多いなあと日々感じています。しかし,日々忙しく,なかなか授業について腰を据えて考える時間もなく,日々過ぎ去ってしまう状況に置かれている先生方もいらっしゃるかと思います。
また,日々の授業の教材研究は行っていても,自身の授業の技術を客観的に振り返る機会は,少ないと感じています。授業に入ってしまえば,基本的には教師の裁量で授業は進んでいきますし,毎授業第三者に見られてチェックされることもありません。
例えば,民間企業であれば,新人の時には先輩社員がお客様訪問で同行し,手本を後輩に見せてある程度力がついた段階から,実践に出てもらう,ということも多いですが,学校現場ですと,初任の先生でも,フォローはあってもそこまで丁寧につきっきりでという状況は,なかなかありません。
どうしても,客観的に自分の授業を振り返る機会が少なくなると,課題点も見つかりづらくなってしまいます。自分の中で良いと思っていても,受け手側である子どもたちには,いまいちな授業として映ってしまっている可能性もあるのです。
「一人でも多くの先生に,子どもたちを引きつける授業を展開してほしい」という思いから本書を出版することを決めました。自身では気づいていない授業の技術をマスターして,実践することができれば,子どもたちの授業への取り組み姿勢に変化を起こすことができます。
引きつける授業の技術というものは,無自覚にできている先生は,特に誰から教えられたわけではなく,できていることが多かったりもします。しかし,できていない先生は,そのまま気づかずに,年数を重ねてしまうことも少なくありません。
私は,教員の方向けのセミナーも定期的に開催しており,授業で悩んでいる先生向けのセミナーも開催しております。授業で悩んでいる先生の多くは,なかなか相談することもできずに孤軍奮闘されていたり,解決の糸口がわからずに,授業もなかなか改善されない状況でいたりすることが多いです。セミナーでお伝えできることは時間の制約もあり限られてしまい,もっと効果的に多くの技術を伝えるためには,やはり本でまとめてお伝えすることだと考えたことも,今回出版することを決めた一つの理由です。
本書は,「引きつける」ための教師のメソッドの原理原則を冒頭でお伝えし,その原則を踏まえた具体的な引きつけるための技術について,「話し方」「指示・発問・言葉かけ」「所作・動き」「板書」の4つのテーマに分けてお伝えしていきます。
技術については,なるべく具体的に,誰もが実践できるということを意識して記載しました。感覚的・抽象的な表現はなるべく排して,場面もイメージしやすいようにしています。
内容については,若手の先生や教師経験のまだ浅い先生を対象として書いております。ぜひ,読みながら現在どこができていて,どこが足りていないのかを確認していただけると,ご自身の今後の課題が明確になります。また,中堅,ベテランの先生方にとっては,当たり前の内容であったり,無意識のうちに行われたりしていることも多くあるかと思います。本書をご一読いただくことで,改めて振り返りのお役に立てれば幸いです。また,後輩の先生方を指導される際にも,お役に立てると考えております。
本書を通して,一人でも多くの先生が授業に自信を持ち,毎日の授業で良い成果を掴んでいただければ幸いです。
2021年10月 /飯村 大輔
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- 明治図書
- 読み易く、実践できそうなことが多く、参考になった。2024/5/440代・女性
- どのような話し方・意識づけだと子供たちにスムーズな指示を与えられるかが具体的でわかりやすい。意外と気に留めないような細かい動作にも気を付けることで授業の流れがかなり変わり、とても参考になった。2023/9/1320代・中学校教員
- よい2021/11/1920代・中学校教員
- よかった2021/11/1220代・小学校教員