- 序章 主体的な子どもを育て、自治的な風土をつくる2学期からのクラスづくり
- 1章 9月[全員が安心してリスタートを切れるようにする]
- 1 2学期開き
- 夏休みの思い出を楽しく交流する
- 夏休みの作品のプチ展覧会を実施する
- 初日から子どもをほめてほめてほめまくる
- 下校前の教師の温かい言葉で一日を締めくくる
- 2 9月の学級づくり
- 係や当番の仕事をアレンジさせる
- ルールを再確認する
- 子どもたちの声に耳を傾ける
- 1つの事案について全員で話し合う場を設ける
- 改善すべきポイントはしばらく教室内に掲示する
- 2章 10・11月[行事を通して学級のレベルアップを図る]
- 1 運動会・学芸会
- 目指すゴールを全員で共有する
- 子どものアイデアが生かされる場を設ける
- 練習はリーダーを中心に子ども主体で取り組ませる
- 高学年は、係の仕事や準備・片づけで心を育てる
- プチ打ち上げと1人ひと言で連帯感を高める
- 2 宿泊行事
- 目的を全員で共有する
- しおりを自分たちで作成させる
- 1人1役をもたせ、終始子ども主体で行う
- 活動中に1人ひと言の場を設ける
- 学習の成果を発表する場を設ける
- 3 10・11月の学級づくり
- 「静」と「動」を意識して授業を確実に進める
- 読書で子どもたちを落ち着かせる
- 大きな行事が終わった後の声かけを大切にする
- 3章 12月[学級独自のイベントで創意工夫を促す]
- 1 学級オリジナルイベント
- どんなイベントをしたいか子ども自身に考えさせる
- イベント成功に向けて、チームを組織する
- 「失敗大歓迎」という広い心で、子どもに任せきる
- 教師からのプレゼント&1人ひと言で会を締めくくる
- 2 冬休み前
- 冬休みを意識させ、残った課題を一気に終わらせる
- 冬休みの課題は早めに配付して自由に取り組ませる
- 個人懇談では、どの子もとにかくほめる
- オリジナルの年賀状で3学期初日を演出する
- 4章 1月[残り3か月をしっかりがんばり抜く意欲を高める]
- 1 3学期開き
- 初日はとにかく明るい雰囲気づくりに力を注ぐ
- 年賀状の答え合わせで初日を盛り上げる
- 初日は新年らしく書き初めを行う
- 一日中子どもたちをほめてほめてほめまくる
- 2 1月の学級づくり
- 次の学年を常に意識して行動させる
- 可能な限り子どもたちに任せてみる
- ルールを再々確認し、何か起きたら即話し合う
- 5章 2月[学年のまとめに向けて動きを加速させる]
- 1 6年生を送る会
- 5年生を中心に計画・準備に取り組ませる
- 1~4年生にも、何かの形で感謝の気持ちを伝えさせる
- 6年生には、感謝の気持ちを伝える出し物を考えさせる
- 振り返りの時間をもつ
- 2 卒業に向けて
- 卒業式に向けて少しずつ練習を始める
- 余裕をもって3月を迎えられるように授業を進める
- 卒業文集を子ども主体で作成させる
- オリジナルのアルバムを制作させる
- 6章 3月[別れを演出し新しい学年への意欲をもたせる]
- 1 進級に向けて
- 児童会、委員長などの引き継ぎの場を設定する
- 6年生はサポート役に回り、最後まで気を抜かせない
- 卒業式に向かう態度を指導する
- 卒業式の準備・片づけで高学年の自覚をもたせる
- 2 卒業の日
- 卒業式に臨む心構えをつくる
- 卒業ムービーをみんなで視聴する
- 1人ひと言の時間を設ける
- 家族との手紙交換で感動を演出する
- 教師から一人ひとりに手紙を書く
- 3 学級じまい
- これまでの経験を生かして最後のイベントを企画させる
- 黒板アート・寄せ書き・記念撮影を行う
- 全員の力を結集して教室を片づける
- 最後の1人ひと言の時間を設ける
- 教師から1人ずつにメッセージを送る
はじめに
「スタートはよかったのに、2学期になってから子どもたちの落ち着きがなくなった」
「もうすぐ修学旅行があるのに、子どもが完全にお客様状態になってしまっている」
「卒業前の子どもたちが浮き足立ち、どう指導すればよいかわからない」
教師になって二十数年。まがりなりにもベテランの域に達してきた私ですが、最近若い先生方からこのような相談を受けることが多くなりました。その都度感じることは、やはりだれしも同じような悩みを抱えているのだということです。
若いころの私自身もそうでした。4月、張り切って学級をスタートさせたにもかかわらず、日々訪れる学校行事や子ども同士のトラブルによって、次第に足元を見失い、気がつくと、目の前には失望の目をした子どもたちの姿が…。教師として、若さや情熱はもちろん大きな武器になりますが、それだけでは一年間学級を維持させるのは難しいということを、これまでの教職生活の中で何度も痛感させられました。
こうした状況を回避するために必要なことは何か。それは、「波」を読み、必要な対策と工夫を講じ、その都度学級をギアアップさせていくことに他なりません。本書で詳しく解説していますが、学級には様々な波があります。よい波と悪い波、おだやかな波と激しい波…。これらの波を読み、事前にしっかりと準備を行うことで、間違いなく、クラスをよりよい方向に進めていくことができます。
本書の前身となる『学級システム大全』(明治図書)では、4月の学級づくりに特化して、具体的な方法をお示ししました。続編となる本書では、一年間の学級づくり、とりわけ2学期以降の学級づくりの具体的な方法についてお示しします。月ごとにポイントを整理しましたので、一年間の学級経営で困り感を抱かれている先生方のお役に立てれば幸いです。
さあ、本書を通して一年間を見通した学級づくりの方法を学び、早速2学期からの学級経営に生かしていきましょう。そして、「一年間このクラスでよかった」と子どもたちが思えるような、笑顔あふれる学級を共につくっていきましょう!
2023年7月 /有松 浩司
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- 明治図書