- まえがき
- 「小学1年のトラブル」先読み対策マップ
- 1年生ってこんな人たち〜基本的な心構え〜
- 第1章 これだけ押さえておけばOK! 小1担任の実務&指導ガイド
- 入学式まで
- 1 小1担任になったらまず何をする?
- 2 児童理解のための準備
- 3 入学式のための準備
- 4 入学式当日
- 4月の実務&指導
- 5 2日目
- 6 3日目
- 7 1〜2週間目
- 8 「行きたくない」「帰りたい」と泣かれたとき
- 9 下校
- 10 初めての参観日・懇談
- 生活ルール
- 11 話の聞き方・あいさつ
- 12 姿勢・時間のきまり
- 13 嫌なことがあったとき
- 14 早めに教えたいお作法
- 学習ルール
- 15 学習の準備
- 16 書く
- 17 話す・聞く
- 18 音読・暗唱
- 掃除・給食
- 19 掃除
- 20 給食(指導の方法と心構え)
- 21 給食(個別の手立て)
- 朝の会・帰りの会・休憩時間
- 22 朝の会・帰りの会
- 23 休憩時間
- 授業づくり
- 24 国語
- 25 算数
- 26 生活科
- 27 音楽・図工
- 28 体育・道徳
- 行事
- 29 遠足
- 30 運動会
- 31 学習発表会
- 保護者対応
- 32 「友だちに〜されたと言ってますけど…」と言われたとき
- 33 「うちの子,言うことを聞かなくて…」と言われたとき
- 34 トラブル予防
- 35 個人懇談
- 第2章 知らないと大違い!? 小1担任の「裏ワザ」集
- 1 入学前後に先生方や6年生にお願いする
- 2 入学式に欠席した子の「プチ入学式」
- 3 指導したことは徹底する
- 4 「どっちがかっこいい?」
- 5 「今,先生は嫌な予感が…」
- 6 「赤ちゃんの仲間? 大人の仲間?」
- 7 「どうしたらいいか,わかる人!」
- 8 うれしさを表すお稽古
- 9 学級目標は「あいうえお作文」で
- 10 学級目標の生かし方
- 11 小学生免許証
- 12 ほめるときのこつ
- 13 いろいろなほめ方
- 14 廊下歩行マスター
- 15 いちについてようい君
- 16 検診のお作法
- 17 なつやすみわくわくせっと
- 18 整頓・掲示のアイデア
- 19 6年生を送る会の出し物
- 20 運動会の表現運動で本気にさせる
- 第3章 かゆいところに手が届く! 小1担任Q&A
- Q1 児童の記録はどうやって取ればいいでしょうか?
- Q2 どうしたら発表するようになるでしょうか?
- Q3 絵が苦手です。視覚支援はどうすればいいでしょうか?
- Q4 手のかかるたくさんの1年生を,自分1人でどうすればいいのでしょうか?
- Q5 6年生に1年生から感謝を伝えたいのですが,何かいいアイデアはないでしょうか?
- Q6 席替えはどんなことに気を付けたらいいでしょうか?
- Q7 1年生には,自分が一から教えないといけないのが怖いです。どうしたらいいでしょうか?
- Q8 1年生にもわかりやすく話すためには,何に気を付けたらいいでしょうか?
- Q9 ワークブックやノートを書いたり直したりするのが遅い子には,どうしたらいいでしょうか?
- Q10 繊細な子には,どう接したらいいでしょうか?
- Q11 性的マイノリティについてのことで悩む子がいたら,どうすればいいでしょうか?
- Q12 騒いで授業の邪魔をし,言うことを聞かない子たちには,どうしたらいいでしょうか?
- 付録 ここぞで役立つ! お助けフレーズ集
- あとがき
まえがき
この本を読んでいるということは,あなたは小1担任で,不安を抱いているということですね(違うよ,という方,すみません。不安な小1担任になったつもりで,もう少しお付き合いください)。大丈夫です! この本を手にしたという時点で,あなたは大丈夫です。あっ,閉じないで!怪しい本ではありません。根拠があって言っています。
第一に,不安だということは,小1担任のたいへんさや責任の重さに気付いているということです。そういう人にこそ,小1担任をやっていただきたいものです。
第二に,不安だということは,自分には,小1担任としての力が足りないかもしれないと,自身を謙虚にとらえているということです。でも,本当に力がない人は,自分の未熟さにも気付けないものです。
第三に,この本を読んでいるということは,自分の不安を自覚しているということです。これは,小1担任として,最強の武器をもっているということです。1年生も,その保護者も,不安をいっぱい抱えています。1年生の問題の多くは,この不安が関係しています。自分自身が不安なら,1年生に共感し,自分だったらどうしたら安心できるかな,と作戦を考えることができます。これは,大きい。
第四に,あなたは,小1担任の大事な責務を果たすために,本を読んで何とかしたい,と思ったのですよね。それは,学ぼうとする意欲,成長しようという意思であり,よい教師に必須の要素です。あなたには,それがあります。あなたは,現時点で,十分にすばらしい教師です。
第五に,これで最後です。私がついています。私は,小1担任連続11年目,累計19回(2023年度現在)という経歴の持ち主です。数多くの初小1担任,ときには新卒の,若い先生方と一緒に学年団を組んで,その先生方に伝えてきたことを,一所懸命この本に詰め込みました。不安を抱くあなたが少しでも安心してくれるよう,祈りながら書きました。どうか,私の祈りを受け取ってください。
ただ,様々なことが,学校によって本当に違います。私の勤務経験は鳥取県米子市のたった6校だけですが,それでも転勤するたびに自分の常識が通用しなくて驚きました。きっと,他の都道府県に行けば,もっと驚くことでしょう。また,私が勤務したのは,1学級30人ほど,1学年3〜4学級の学校が主で,少人数の学級や単学級は経験していません。ですから,あなたの役に立たない内容も多々あると思います。どうか,周囲の先生方に不安を打ち明け,質問してください。他学年は子どもたちが助けてくれますが,小1担任にはそれがありません。この本を読んで,やってみようと思ったら,周囲の先生に勤務校の事情を確認することを忘れずに。では,一緒にがんばりましょう!
2024年1月 /吉田 温子
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- 明治図書