- 第1章 社会科授業で使えるキーフレーズの目的と価値
- 追究の見通しをもたせる
- 問いをつくる
- 技能を身につけさせる
- 見方・考え方の表出・共有
- 話し合いの焦点化
- 基礎・基本の習得
- 第2章 目的別 社会科授業で使えるキーフレーズ100
- 1 追究の見通しをもたせるためのキーフレーズ
- 001 教科書の太字を順番に読んでみよう
- (単元の見通し)
- 002 「つかむ・調べる・まとめる」で文づくりをしよう
- (単元の見通し)
- 003 わからない言葉は何ですか?
- (単元の見通し)
- 004 見通す文に○数字を書き込もう
- (単元の時間の見通し)
- 005 教科書は○○だね。みんなはどうしますか?
- (まとめ方の見通し)
- 006 パッと目に飛び込む資料は何ですか?
- (単位時間の見通し)
- 007 何を基に予想しましたか?
- (根拠を基にした見通し)
- 008 地図帳の索引で調べよう
- (地図による見通し)
- 009 「人」「もの」「こと」に分けて書こう
- (見学学習の見通し)
- 010 「これだけは」を選ぼう
- (見学学習の見通し)
- 2 問いをつくるためのキーフレーズ
- 011 チラッとだけ見せるよ
- (注意喚起からの「はてな?」発見)
- 012 ○○はどうしたの?
- (意表を突く「はてな?」発見)
- 013 立ちましょう 座りましょう
- (集中力アップからの「はてな?」発見)
- 014 ○○はいらないよね?
- (ゆさぶりからの「はてな?」発見)
- 015 どちらが正しいのかな?
- (再認識からの「はてな?」発見)
- 016 「はい」か「いいえ」で答えるよ
- (発想力を鍛える「はてな?」発見)
- 017 大事なことが○つあります。何ですか?
- (重要用語からの「はてな?」発見)
- 018 これは事件です!
- (謎解きからの「はてな?」発見)
- 019 何か気になりますか?
- (気づきからの「はてな?」発見)
- 020 問題点は何ですか?
- (矛盾からの「はてな?」発見)
- 3 技能を身につけさせるためのキーフレーズ
- 021 どこを見ればわかりますか?
- (根拠の特定)
- 022 あなたなら何を書く?
- (より深い資料の読み取り)
- 023 「ぐっ」ときた理由は何ですか?
- (人の生き方への共感)
- 024 グラフの単位は何ですか?
- (グラフの確かな読み取り)
- 025 グラフの間に関係はありますか?
- (複数のグラフの関係性への着目)
- 026 変化が大きいところに○をつけ,線で結ぼう
- (帯グラフの比較)
- 027 その年に何があったのかな?
- (グラフからの歴史的事象の読み取り)
- 028 グラフの続きをかこう
- (グラフを通した未来予測)
- 029 どちらの方にあるの?
- (方位による認識)
- 030 どのあたりにあるのかな?
- (距離による認識)
- 031 何の形でしょう?
- (市町村や都道府県の形の認識)
- 032 ○○から見ると?
- (つながりと位置関係の認識)
- 033 川が流れる方向に矢印をかこう
- (地勢図の読み取り)
- 034 地図の凡例は何でしょう?
- (土地利用の読み取り)
- 035 写真のどこからわかりますか?
- (写真の読み取り)
- 4 見方・考え方の表出・共有のためのキーフレーズ
- 036 よい(悪い)ことばかりですか?
- (視点の転換)
- 037 ○○ならどうしますか?
- (立場の転換)
- 038 「一人学び」はじめ!「友だち学び」はじめ!
- (自分の考えをもつ時間と場の保障)
- 039 どちらを選ぶか考えよう
- (二者択一の意思決定)
- 040 セリフを考えよう
- (人物へのなりきり)
- 041 あなたなら何と答えますか?
- (子どもなりの考え方の表出)
- 042 Aならば,Bはどうなっていると考えますか?
- (対比による考察)
- 043 これではダメなのですか?
- (提案からの再考)
- 044 なぜ○○なのかな?
- (原因や理由根拠の確認)
- 045 あれっ…? おもしろいぞ!
- (気づきによる再考)
- 046 隣の友だちと考えを伝え合おう
- (ペアでの考えの共有)
- 047 グループで考えを伝え合おう
- (グループでの考えの共有)
- 048 ○○さんの気持ちが言える人はいますか?
- (友だちの考えへの共感・理解)
- 049 ○○さんの続きが言えますか?
- (考えの共有)
- 050 ヒントを出せる人はいますか?
- (問題解決の道筋づくり)
- 051 ○○の考えはどのように変わったのかな?
- (変化の予測)
- 5 話し合いの焦点化のためのキーフレーズ
- 052 ○○さんは何が見えてきたのかな?
- (見方・考え方の焦点化)
- 053 では,どうすればよいのですか?
- (新たな見方・考え方への着目)
- 054 何を基に比べますか?
- (比較による客観化)
- 055 仲間分けができそうだね
- (考えの分類)
- 056 教科書からは見えないことを聞きますよ
- (話し合いの活性化)
- 057 互いによいことは何ですか?
- (考えの一致点の焦点化)
- 058 ズレの原因は何ですか?
- (考えの不一致点の焦点化)
- 059 社会科用語で何と言えばいいかな?
- (言葉の焦点化)
- 060 知恵は何でしょう?
- (知恵への共感)
- 6 基礎・基本の習得のためのキーフレーズ 3年
- 061 「公共施設」はどれですか?
- (公共施設)
- 062 「工場」は何をするところですか?
- (工場)
- 063 「産地」は本当ですか?
- (産地)
- 064 「消防団」と「消防署」, 働く人はどちらが多いのかな?
- (消防団,消防署)
- 065 「令和時代」というのかな?
- (時代の区分)
- 7 基礎・基本の習得のためのキーフレーズ 4年
- 066 山地と山脈はどう違うのかな?
- (山地,山脈)
- 067 平野と盆地はどう違うのかな?
- (平野,盆地)
- 068 47都道府県を語呂合わせ歌をつくって覚えよう
- (都道府県名)
- 069 都道府県名と庁所在地は同じですか?
- (庁所在地)
- 070 原水と蛇口を3つの言葉でつなごう
- (水道水)
- 071 リユースショップではありませんか?
- (3R)
- 072 真上からでも山の高さがわかる方法があります
- (等高線)
- 8 基礎・基本の習得のためのキーフレーズ 5年
- 073 領空とはどの範囲の空ですか?
- (領土,領海,領空)
- 074 東西南北端の島で日本人が行けないのはどこですか?
- (領土問題)
- 075 夏の季節風が宝風になるのは,岩手と秋田のどちらかな?
- (季節風,宝風,やませ)
- 076 農家の「4作」を紹介します
- (二毛作,二期作,輪作,転作)
- 077 プランクトンが豊富なのは,暖流と寒流のどちらかな?
- (暖流と寒流)
- 078 約620万トン>約320万トン何の数字でしょう?
- (食品ロスの問題)
- 079 石鹸は重化学工業の製品です
- (工業の分類)
- 080 組立工場と部品・関連工場が近いとよいことは何ですか?
- (ジャスト・イン・タイム)
- 081 国産の木を使わないと森林破壊が進みます
- (森林蓄積)
- 9 基礎・基本の習得のためのキーフレーズ 6年
- 082 大和朝廷と大和政権は同じなのかな?
- (大和朝廷,大和政権)
- 083 大化の改新の始まりと終わりはいつでしょう
- (大化の改新,大宝律令)
- 084 貴族とは何ですか?
- (貴族,国風文化)
- 085 源氏,平氏とは,何者なのでしょう?
- (武士,武士団)
- 086 封建制度が崩れるのは,どんなときですか?
- (封建制度,御恩と奉公)
- 087 検地+刀狩=?
- (検地,刀狩,兵農分離)
- 088 大名,旗本,御家人の違いは何でしょう?
- (大名,旗本,御家人)
- 089 鎖国の間も3つの藩が他国・地域と交流していました
- (鎖国)
- 090 だれが,どこで,何のために,何をしたのでしょう?
- (百姓一揆,打ちこわし)
- 091 板垣退助による言論の戦いを図に表そう
- (自由民権運動)
- 092 戦場図から見える2つの戦争の違いは何ですか?
- (日清戦争,日露戦争)
- 093 年表を起承転結に分けよう
- (太平洋戦争)
- 094 小学生も政治運動に参加できます
- (議員選挙,国民投票)
- 095 2020年からの新たな災害派遣は何でしょう?
- (自衛隊,災害派遣)
- 096 みんなが学校に来るのは義務ですか?
- (国民の三大義務)
- 097 国会議事堂が左右対称なのはなぜですか?
- (国会,二院制)
- 098 内閣は国会に対して連帯して責任を負います
- (内閣,議院内閣制)
- 099 なぜ三権を分けるのかな?
- (三権分立)
- 100 震災の復旧・復興にお金を出すのはだれ?
- (復興特別税)
はじめに
「学校のまわりの消火設備を調べましょう」
3年「火事からくらしを守る」での消火設備の調査活動です。子どもたちは,活動後に消火栓や防火用バケツ,自販機や郵便ポストなどを地図に記します。まとめは「学校のまわりには,消火栓がたくさんあり,安心です」。あなたが授業者なら,「もっとこうしたい」はありますか?
・教師が一方的に「調べましょう」と押しつけているので,子どもから追究意欲をもっと引き出したい。
・消火設備の意味をしっかり捉えさせたい。
・「消火栓がなぜその場所にあるのか?」という発問から,設置場所の意味を考えさせたい。
・「消火栓はその場所でなくてもよいのではないか?」という発問でゆさぶりをかけ,子ども一人ひとりの見方・考え方を表出させていきたい。
上記のような,社会科授業を「もっと○○したい」を実現する手立ては,何でしょうか。それは,大まかに整理すると次の3つです。
@「はてな?」を子どもから引き出すこと
A子ども一人ひとりの見方・考え方を表出させること
B社会科特有の基礎・基本の用語を楽しく学ばせること
教科書の指導書や全授業の展開案には,本時のねらい,問い,子どもの思考の流れに沿った解決の方法,そしてまとめが載っています。さらに板書までついています。しかし,私は「授業を今すぐにでもやってみたい」「子どもたちがどんな反応をするか見てみたい」と,授業者としてのときめきが湧きません。単元や授業の流し方においては大変参考になるのですが,なぜでしょうか。それは,目の前の子どもたちの「何だろう?」という驚きの顔や「わかったぞ!」という笑顔が目に浮かんでこないからです。
拙著は,「発問」と「言葉かけ」を問題発見から問題解決に至るまで,どの場面で用いれば,子どもたちが「調べてみたい!」「知りたい!」「わかりたい!」「伝えたい!」という主体的な姿を見せるのかを100の場面において紹介したものです。そこには,目の前の子どもたちが「○○したい」という,「『鯛(たい)』がたくさん泳ぐ授業」を実現したいという願いが込められています。
100の事例は,大きく6つの群からなっています。
1つめは,単元や授業の見通しの場面で「この学習は,何を,どのように学ぶのか,自分だったらこんなことを調べてみたい!」という,見通しをもってワクワクしている鯛を泳がせるキーフレーズです。
2つめは,問いづくりの場面で「えっ,なぜだろう? 知りたい!」という追究意欲満々の鯛を泳がせるキーフレーズです。
3つめは,「なるほど,川に着目すると土地の高低差がわかるね。他にどんな地図やグラフの見方があるのか知りたい!」といった,社会科ならではの資料の読み取りの技能を身につけさせる場面で用いるキーフレーズです。
4つめは,社会的事象の意味を考える場面で,子ども一人ひとりの見方・考え方を表出させ,共有していくキーフレーズです。そこでは,次のようなやりとりが見て取れます。「私だったら店頭に置くけどな」「きっと売れないと思うよ」「どうして? そのわけが聞きたい」「それは…」「なるほど,C1さんの気持ちがわかった」
5つめは,まとめに向けた場面で,比較・検討させたり分類させたりするキーフレーズです。社会的事象に隠された人の知恵やはたらきが見えてきます。ここでは,様々なことを「もっと深く知りたい」という気持ちが表れます。
6つめは,基礎・基本習得のためのキーフレーズです。ここには「暗記に陥らないために,『へぇ,そうだったのか』とインパクトを与えるとともに,用語の意味をしっかり捉えさせたい」という教師の願いも込められています。
「はてな?」を引き出す100のキーフレーズは,授業で喜怒哀楽を共にしたかけがえのない教え子たちからいただいたものです。みなさんも,これらを授業で用いてたくさんの鯛を泳がせてみませんか。
2021年12月 /柳沼 孝一
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