- まえがき
- 出会い方・別れ方の指導アイデア
- 01 引き継ぎ
- 02 初日にやっておきたいこと
- 03 自己紹介での話
- 04 リセット・リスタート術
- 05 初心の保ち方
- 06 継続的な指導のポイント
- 07 カウントダウンとカウントアップ
- 08 不安を拭う語り
- 09 中学校への送り出し方
- 10 卒業、別れ
- 仕組みづくりの指導アイデア
- 11 当番活動の導入
- 12 朝の会の進め方
- 13 帰りの会の進め方
- 14 日直の役割と育て方
- 15 自分らしい係活動の決め方
- 16 給食指導の時短術
- 17 清掃指導のポイント
- 18 時間をかけてつくる仕組み
- 19 学級全体の巻き込み方
- 20 ここだけは子どもに任せる
- 授業づくりの指導アイデア
- 21 子どもと考える「授業」
- 22 指導書のなぞり方
- 23 子どもと大人の関係性をつくる
- 24 子ども同士の関係をつくる
- 25 振り返りの書かせ方
- 26 「学習室」の意識を高める
- 27 授業の価値づけはこうする
- 28 授業ではここを見る
- 29 「大人×子ども」から「子ども×大人」へ
- 30 授業のNGを回避する
- 行事の指導アイデア
- 31 行事の心構え
- 32 行事で目指したい成長のポイント
- 33 実行委員の組織づくり
- 34 運動会の指導ポイント
- 35 修学旅行の指導ポイント
- 36 学習発表会の指導ポイント
- 37 停滞期の乗り越え方
- 38 トラブルの乗り越え方
- 39 行事ではこう語る
- 40 行事の締めくくり方
- ほめ方・叱り方の指導アイデア
- 41 個の叱り方
- 42 集団の叱り方
- 43 個々をつなぐ叱り方
- 44 タイミングの見極め方
- 45 寄り添ってほめる
- 46 「サプライズ」のつもりでほめる
- 47 ほめた後、叱った後の振り返り方
- 48 3月を見据えるという心構え
- 49 見守るという距離感
- 50 説教タイムのポイント
- 働き方のアイデア
- 51 形を変えない、中身の変え方
- 52 先生方への感謝のもち方
- 53 学級通信の書き方
- 54 学校教育目標の捉え方
- 55 学年での共通理解の仕方
- 56 教室掲示のポイント
- 57 公開授業はこうやる
- 58 定時退勤の仕方
- 59 年次休暇の取り方
- 60 こうやって誇りをもとう
- あとがき
まえがき
はじめまして、古舘良純(ふるだて・よしずみ)です。現在は岩手県公立小学校に勤務しています。17年間で通算11回の6年生担任を経験しました。そのうち、平成28年度から令和4年度までの7年間は7連続で卒業生を送り出しています。
この経歴に一番驚いているのは自分自身です……。
私はこれまで、年度末の調査用紙に「学年希望」を書いたことがありません。管理職の采配に身を委ね、出会った子どもたちと1年を過ごす。その繰り返しだと思ってきました。
極端な話、「学校のコマ」として使ってもらって良いと考えていました。綺麗な言葉で言えば「子どもを選ばない」と言えば良いでしょうか。
しかし、連続して6年生を担任するようになると、いろいろと考えることが増えました。なぜこのような状況が生まれるのかということです。同じ人間が(2校にわたって)7連続も卒業生を送り出すことなど、普通の状態ではないはずです。
すると、全国には同じように苦しい理由で6年生を担任している先生方がたくさんいることが見えてきました。
SNSで「6担部屋」というオンラインサークルを企画したところ、大変多くの先生方から参加希望の連絡をいただいたのです。とても嬉しく、心強く思いました。そのサークルでは、日々先生方の悩み相談や情報交換が行われました。
その「6担部屋」のベースにしていた本が令和3年度末に出版した『小学6年担任のマインドセット』(明治図書)でした。厳しい状況で担任を引き受け、日々奮闘されている先生方へのエールのつもりで書き上げた本でした。
ありがたいことに、たくさんの書評をいただきました。
「数年教壇に立っている私にとって、初心に立ち返ることを思い出させてくれた一冊です」
「昔、先輩方に放課後語っていただき、学ばせてもらっていた心の部分が、この本にはしっかり書かれている」
「本書には、実情をなんとかする答えや手段が書かれている訳ではありません。それでもより良い時間を目指すために必要なのは何かを自分で考える、自分を見つめ直すための一冊でした」
など、詰め込んだ以上の価値を引き出していただくことができました。
反面、「6年生担任がそんなに偉いのか」「これまで担任してきた先生方に感謝しろ」「こういう奴が力があるとか勘違いするんだ」という言葉もたくさん飛んできました。
SNSで卒業を喜ぼうものなら、横槍が入ってくる状態でしたし、私以外の先生のツイートが叩かれている様子も見てきました。本当に残念でした。
もしかしたら、「これまで先生方がたくさんご指導してくださったおかげです。ありがとうございました」と、肩身の狭い思いをしながら卒業させていく先生がたくさんいるのではないかと思いました。胸が痛くなる思いでした。
そこで、「小学6年担任」のネットワークを広げる、交流する機会を生み出そうと考えました。いい意味で手段を示しつつ、現状を打開していくためのヒントになる本を書こうと思いました。『小学6年担任のマインドセット』を教科書にしながら、実践を束ねてみたいと構想しました。それが、本書です。
本書は、全国の小学6年担任の先生方7名に協力していただき、書き上げることができました。『小学6年担任のマインドセット』を読んだ先生方が各教室で実践し、教室の事実をまとめた本です。心構えさえできれば、誰でも、どんな教室でも素敵な事実が積み上がっていくことを証明した本だと思っています。本当に感謝しかありません。
本書は、一つのチャプターが4ページで完結になっています。内3ページは先生方の実践が書かれており、残り1ページは私が担当しています。3ページの実践に対する「古舘の視点」を1ページで書いていると考えてください。
お読みになる際は、それぞれの実践の背景も考えながら読んでいただけると幸いです。その学級に即した形で実践が書かれていると捉えていただきたいと思います。万人に通じる手法を示そうと思って書いていないからです。先生方が実態に合わせてご実践された「一案」として出しました。決して、「正解」ではありません。
ただ、実践を追試してみる価値はあると思います。自分なりに工夫してブラッシュアップしていくことが可能だと思います。代案が思いつくかもしれません。
言い方は悪いのですが、本書をいい意味で踏み台にし、より良い学級づくりにつなげてほしいと思います。ただし、マインドセットはそのままに。
本書が、6年生を担任するすべての先生方のお守りになるような、いつでも寄り添えるような一冊になることを願い、まえがきとさせていただきます。
/古舘 良純
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- 明治図書
- 項目ごとで分かれているので、知りたいことをさっと知れる。6担は大変ではあるが、その分やりがいもあり、誇らしいとマインドチェンジできる。ずっと手元に置いておきたい一冊。2024/9/2230代・小学校教員
- 本書をきっかけに、自分の実践を見直すきっかけとなった。2024/5/2440代・小学校教員
- 1年間の見通しとともに、先手先手で落ち着いて準備ができるようになりそう。2024/4/2350代・小学校管理職
- わかりやすかった。2024/4/2120代・小学校教員
- 6年担任としての悩みは尽きませんが、この本と出会い、真っ暗闇の状態から少し光が差し込んだ感じです。2024/3/230代・教諭