- はじめに
- 序章 UDLとは?
- UDLと個別最適な学び
- 1章 UDLと「個別最適な学び」
- ざっくりUDLと「個別最適な学び」を知る
- UDLと「個別最適な学び」
- 〔UDL〕学びのエキスパート
- 〔UDL〕オプション
- 〔UDL〕カリキュラムの障害
- 〔UDL〕UDLガイドライン
- 個に応じた指導
- 〔個別最適な学び〕指導の個別化
- 〔個別最適な学び〕学習の個性化
- 協働的な学び
- 自己調整
- 2章 UDLと「個別最適な学び」のリソース
- 「今あるもの」を生かす
- 教育的ニーズ
- インクルーシブ教育システム
- 自立活動
- 合理的配慮
- ファシリテーターとしての教師
- 授業のハイブリッド化
- 組み合わせの技法
- 3章 なぜ今「学びのユニバーサルデザインUDL」なのか
- 学校に求められている課題と背景
- 多様な子どもたちとは
- 特定分野に特異な才能のある子ども
- 知的に境界域の子ども
- 不登校傾向の子ども
- 日本語の能力が十分でない子ども
- 繊細さのある子ども
- 教師と子どもの相性
- Society 5.0とデジタルトランスフォーメーション
- 資質・能力の育成
- ウェルビーイング
- 4章 UDL授業実践
- 各教科におけるUDL
- UDL国語科
- UDL算数科
- UDL社会科
- UDL理科
- UDL体育科
- UDL音楽科
- UDL図画工作科
- UDL道徳科
- UDL家庭科、UDL総合的な学習の時間、UDL特別活動
- おわりに
- 参考文献
はじめに
本書のメインテーマの一つは「学びのユニバーサルデザイン」(以下、UDL)である。
しかし、UDLそのものを実現することが本書の目的ではない。厳格なUDL実践の手続きを守ることよりは、学校の実態、子どもたちの実態に合わせてアレンジしながら、よりよい授業づくりに活用してもらうことが目的だ。
UDLが、よりよい授業づくりに活用できるようになるための方策を二点考えた。
一点目は、「個別最適な学び」を、UDLのパートナーにすえることである。「個別最適な学び」は直感的にUDLと親和性があると思われる。その直感を信じ、どのような共通点や相違点があるのかを明らかにしていく。
二点目は、それぞれのトピックにおいて、オフィシャルな見解を添えることである。学校教育においてはオフィシャルさ、つまり根拠となる資料が必要だ。添えた資料は、トピックに直接言及しているものもあれば、そうでないものもある。いずれにしても、トピックに関連させて考えることで、根拠のある授業づくりの実践ができることをねらっている。
UDLを厳格に実施しようとすると、それは学校教育を根底から変革(トランスフォーメーション)するくらいの話になる。そのようなことが本当に可能なのだろうか。UDLの厳格な実施にこだわるよりは、UDLの考え方を参考にして、少しずつ子どもたちを「学びのエキスパート」に育成していく方が現実的だと考える。
本書では、まず1章で、ざっくりとUDLと「個別最適な学び」を解説する。2章では、「今あるもの」に着目し、無理なくUDLや「個別最適な学び」を実践できる下地をつくる。3章では、学校に求められている課題と背景について、UDLと「個別最適な学び」に関連がありそうなものを取り上げる。そして4章では、各教科の授業において、具体的にどのような実践が可能なのかを検討していく。
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- 明治図書
- UDLと個別最適化は,本校研修で取り組んでいた内容のため,とても興味深く拝読させて頂きました。本校研修の取組と同じ方向性のため,これまでの取組に自信を持つことができました。ありがとうございました。2023/2/2650代・小学校教員
- 個別最適化の一つの形のように思います。2022/11/2520代・小学校教員