- はじめに
- 第1章 同僚から信頼を得る! 学年主任の仕事術
- 学年主任の仕事は3月から始める
- 一人で抱え込んではダメ
- チームとなる学年の先生の事情を知っておこう
- 何でもそろえなくていい
- 自分と自分のクラスを犠牲にしない
- 交換授業をどんどん行う
- 授業研はみんなで乗り切る
- 時には、言うべきことは言う
- 学年会は勤務時間内に行う
- 他のクラスのトラブル対応も学年主任の仕事の内と考える
- ちょっとの時間を学年のために使う
- 学年みんなを楽しませる引き出しを多くもつ
- 幹事の仕事をみんなで楽しむ
- 信頼貯金を貯めて断るチカラをもつ
- 第2章 問題を未然に防ぐ! クラス担任の仕事術
- 型を示して、子どもたちが自分たちだけでできるようにシカケる
- 問題が起こらないよう環境を整える
- 事前指導と評価が肝と心得る
- どんな集団にしたいのかを子どもたち自身に考えさせる
- 子どもが自分たちの力で解決できる仕組みをつくる
- 子どもの情報を得るためにはあらゆる努力をする
- クラスを崩さないためにまず、教師が崩れない
- 先手必勝の生徒指導を何より大切にする
- それでも問題は起こるものだと心にとめておく
- 言葉がけでプラスの暗示をかける
- 第3章 人気の先生になる! 愛され教師の仕事術
- 「子どもの方から先生に関わりにくる」というシステムをつくる
- スキンシップがとれる遊びを取り入れる
- 多忙オーラは出さない
- ユーモアある指導を心掛ける
- 指導は3段階で考える
- 楽しみながらいつの間にか鍛えてしまう
- その立場になって子どもの気持ちを推し量る
- 理想の子ども像を自分が体現してみせる
- やっぱり授業を大切にする
はじめに
管理職の先生が「あなただからできる」と信じてくれたから
「自分にできるだろうか?」
学年主任を任され、不安に思っている人もいるかもしれません。
確かに学年主任の仕事には大変なこともあります。
自分のクラスの安定だけでなく、他のクラスの安定も考えなければなりません。
他のクラスの子どもや保護者のトラブルにも対応しなければなりません。
自分よりもずっとベテランの先生と学年を組むこともあるし、初任者と学年を組むこともあります。
自分に合う人と組むこともあるし、合わない人と組むこともあります。
学年の先生方の個性に合わせて、フォローをしなければならないこともあります。
学年運営に関する各種文書の作成、外部との交渉、会計など事務的な作業の量も一気に増えます。私は初めて学年主任になった時に、「たった数時間の校外学習に行くだけでこんなに文書を作らなければならないのか」と驚いたのを覚えています。
一学級担任の仕事から比べると、学年主任の仕事は大変なのです。
でも、大丈夫です。
だって、管理職の先生が「あなたならできる」と信じて、あなたに学年主任の仕事を任せてくれたのですから。できそうもない人に任せたりはしません。
だから、自分の力を信じて、あなたの思い描く学年経営を大いにやればよいのです。
学年主任には、一学級担任にはないやりがいがあります。
これまでは30名くらいの自分のクラスの子どもを相手にしてきましたが、その相手が何倍にもなるのです。より多くの子どもに関わることができるのです。大変だけれど、そこにはより多くの子どもを幸せにできるチャンスがあるのです。
私たちは、楽をするために教師になったわけではないはずです。子どもたちと関わり、彼らの成長を見届けることに私たちの喜びはあるはずです。だから、学年主任の仕事を通して、より多くのやりがいを実感できるはずです。
でも、それにはちょっとしたコツが必要です。そのコツを知っているのと知っていないのとでは、大きな差が生まれます。
私は、学年主任を任されて8年目になります。それまでは、割と「自分のクラスさえよければ」という考え方でした。しかし、当然それではうまくいきません。学年主任になってからが大変でした。しかし、その大変なことを経験する中で、それまでの自分にはなかった視点で子どもや同僚、保護者を見ることができるようになりました。
「大変」という言葉は、「大きく変わる」と書きます。大変なことを経験することで、自分自身が大きく変わるチャンスなのです。
それまでは自分のクラスの子どもにしか影響を与えることができませんでしたが、学年主任になってからは、学年全体に影響を与えることができるようになりました。
さらに、学年主任としての力をつけることで、自分のクラスの子どもに対しても、それまでより大きな影響を与えることができるようにもなったのです。
学年主任としての視点で物事を見ることができるようになったことで、自分の学級経営がそれまでよりもずっとうまくいくようになったのです。
大変だった状況が、私を大きく変えてくれました。
もちろん、すべてが最初からうまくいったわけではありません。失敗と成功を繰り返す中で、コツがわかってきました。
本書では、そんな中で獲得してきた学年運営、学級経営のコツをお伝えしていきます。
/飯村 友和
学年主任にとってはもちろん、それ以外の立場の人が読むことで、学年主任としての視点をもてます。
学年主任の先生だけでなく、初任者~数年目の先生にもおすすめの本です。
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