- はじめに
- 第1章 ICTで校内業務を最適化! 主任の仕事術
- 1 絶対に失敗しないICTアイスブレイク
- 2 共同編集機能で全員の声を可視化する
- 3 チームの業務はタスクマップで整理する
- 4 みとりマップで子どもの様子を簡単に共有する
- 5 紙ではなく、ICTで資料を共有する
- 6 ICT担当の業務を明確にする
- 7 管理職とポリシーを設定する
- 8 学校行事の振り返りは始める前のキックオフが重要
- 9 保護者との信頼関係構築のためにICTを使う
- 10 保護者との面談でもICTを使う
- 11 後輩指導は信頼関係を築いてから
- 12 映像を使って研鑽を行う
- 13 VAKモデルを意識して学習者を理解する
- 14 ルーブリック評価で子どもの成長を細かくみとる
- 15 ICTに向く活動~記録・振り返り・表現~を押さえる
- 16 「主体的・対話的で深い学び」の場をつくる
- 17 最適なICTツールを選ぶ
- 第2章 ICTで学びを広げる! クラス担任の授業術
- 1 [国語]文章は一文を深く読む
- 2 [国語]物語の人物像を深める
- 3 [国語]「インプロ物語づくり」を行う
- 4 [国語]説明文では問いづくりを促していく
- 5 [国語]「インタビュー作文」で楽しく簡単に文章を書く
- 6 [国語]「やじるしメモ」を使ってプレゼンをする
- 7 [国語]「ビデオフィードバック」でプレゼン名人になる
- 8 [算数]文章問題は分解して絵にして解く
- 9 [算数]「振り返り保管庫」で未来の自分にプレゼントする
- 10 [算数]「問題づくり」を通して理解力を育む
- 11 [算数]中学入試の問題を取り入れてみる
- 12 [社会]写真を使って授業する
- 13 [図工]コメントをもらって「針金アート」をつくる
- 14 [体育]ビデオアプリで動きを撮影し合う
- 15 自分と他人を理解する
- 16 学習者自身が自分を客観的に見る
- 第3章 新しい学びがやってくる! ICT×探究
- 1 探究学習の目的
- 2 探究の領域とテーマ
- 3 二つの探究学習と学びのオーナーシップ
- 4 探究サイクルを意識する
- 5 チームで協力して問いをつくる
- 6 深い探究のために必要なこと
はじめに
この本を手に取っていただき、ありがとうございます。
この本は3章構成になっています。第1章ではICT主任や学年主任といった、組織を動かし、マネージメントをする立場にICTがどのように関わってくるかを書きました。全体のマネージメントにICTは大きな力を貸してくれます。第2章ではクラス担任としての授業実践をまとめました。様々な教科の実践をどこかの単元に寄らず、どの単元でも使える汎用性のあるものを書きました。第3章は教科横断型の探究活動の実践について全体像を描きながらまとめました。この数年、「探究」という言葉がホットワードですが、どのように実践に落としていったらいいかわからない方も多いと聞きます。私はインターナショナルバカロレアのPYP(初等教育プログラム)を参考にした探究学習を推進してきました。そんな中で公教育に取り入れやすいなと感じた部分を整理し、記載しました。
この本は「仕事術」というHow to・手法にフォーカスを当てた本ではありますが、「どうやる」と同じくらい、「なぜやるのか」「目的は何なのか」「子ども・組織にどうなってほしいのか」「どんなことを大切にするのか」といった、表面的に「何をする」というところだけではなく、理由や対象も明確にしているつもりです。
私自身、先人の真似をするときに表面だけを真似してしまってうまくいかなかったことも多かったです。なので、なるべくその背景にある考えや理論も書きました。少しでもご理解いただけると幸いです。次のページにはタグといった形ですぐに引ける索引を用意しました。ご自分の興味に合わせて辞書的に使っていただくことができます。
最後にこの本において一貫して大切にしている考えを二つ記載します。
まず一つ目。ICTはInformation&Communication Technologyの略とされますが、私は情報と人と人の関わりの課題を解決する技術だと考えています。ICTを使うことが目的ではなく、そのような課題を解決するための一つのツールだと認識することです。
もう一つは、ICTを使って学びの効率化・個別化が強調されますが、「学習者自身が本人の興味や資質に応じた学びをすすめる権利があること」と、有意義な学習をした先に「学習者同士がお互い、知的に、刺激的に関わり合う学習の環境をつくること」が大切です。また、今後、我々教職員にはそういった場をつくるような能力が求められてきているのだと思います。そのことを様々な手法や経験を通して伝えられたら幸いです。
/五木田 洋平
全ての学校に、Googleアカウントがあるとは限らないので、ロイロノート、エデュタブ、ミライシードあたりも知りたかった。