- はじめに
- 序章 1人1台端末を効果的に活用するために
- 01 前向きに端末を使ってみよう
- 02 効果的に活用したい5つの機能
- (1)配信・共有 / (2)撮影・記録 / (3)可視化 / (4)創造 / (5)操作・体験
- 第1章 1人1台端末授業を始める前に 不安解消のためのQ&A
- Q1 1人1台端末活用のねらいや目的等を教えてください。
- Q2 端末が1人1台になることで学校の授業はどのように変わりますか?
- Q3 1人1台端末が整備されたら,まず何を教えることから始めたらよいでしょうか?
- Q4 端末を安全に活用するためにはどんなルールや約束事を決めたらよいでしょうか?
- Q5 端末の活用制限はどこまで必要でしょうか?
- Q6 授業におけるタブレット端末を使っての写真や資料等の使用について,著作権の問題はないのでしょうか?
- Q7 端末管理の方法を含め,端末の持ち帰りのメリット・デメリットについて教えてください。
- Q8 端末が1人1台になることで,家庭での学習はどのように変わるでしょうか?
- Q9 低学年のタブレット端末操作はどこからスタートすべきでしょうか?
- Q10 文字(ローマ字)入力の技能の差についてはどのように対応したらよいでしょうか?
- Q11 1人1台端末を効果的に使うために,どんなアプリで,どんなことができますか?
- Q12 授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」について,その特徴やよさも含め教えてください。
- Q13 授業支援アプリ「MetaMoJi ClassRoom」について,その特徴やよさも含めて教えてください。
- 第2章 はじめての1人1台端末授業 教科別 実践アイデア
- 国語
- 01 想像しておはなしをかこう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 02 ポスターをつくって外国のことを紹介しよう
- [学年:3年生 難易度:★★]
- 03 新しい数え方クイズをしよう
- [学年:4年生 難易度:★]
- 04 相手にわかりやすく伝わるように話をしよう
- [学年:4年生 難易度:★★]
- 05 みんなで見学旅行の新聞をつくろう
- [学年:4年生 難易度:★★]
- 06 心が動いたことを三十一音で表そう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 07 友だちの考えをもとに多角的に考えよう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 08 意見の根拠を明確にして話そう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 09 読んだ感想を漢字一字で表そう
- [学年:5年生 難易度:★]
- 10 感じたことや考えたことを朗読で表現しよう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 11 「読み手を大切にする」防災パンフレットをつくろう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 12 立場の異なる人との話し合いで考えを整理しよう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 13 漢文を声に出して読んでみよう
- [学年:6年生 難易度:★★★]
- 算数
- 14 いろいろなお金の出し方を考えよう@
- [学年:1年生 難易度:★★]
- 15 「もういいかい,まあだだよ」ゲームをしよう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 16 数をさがして写真に撮ろう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 17 いろいろなお金の出し方を考えようA
- [学年:1年生 難易度:★]
- 18 3つの数の問題づくりをしよう
- [学年:1年生 難易度:★★]
- 19 大きい数で上手に買い物をしよう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 20 かたちづくりを楽しもう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 21 身の回りのかけ算の場面をさがそう
- [学年:2年生 難易度:★]
- 22 すきまなく並べてきれいなもようをつくろう
- [学年:2年生 難易度:★★]
- 23 下級生に向けて「分数」を説明する動画をつくろう
- [学年:4年生 難易度:★★]
- 24 オリジナル展開図と思考が残るノートをつくろう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 25 運動場にかいた巨大地上絵のことを全校に知らせよう
- [学年:6年生 難易度:★★★]
- 26 2回走る人を選ぶ基準を考えよう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 27 きまりを見つけて表を完成させよう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 社会
- 28 「今」と「昔」をタイムマシンで見てみよう
- [学年:3年生 難易度:★★]
- 29 写真からメッセージを読み取ろう
- [学年:4年生 難易度:★]
- 30 沖縄の地域の特色を調べよう
- [学年:5年生 難易度:★]
- 31 学校から動かずに社会科見学に行こう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 32 江戸時代の町と比較して明治時代の学習課題をつくろう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 理科
- 33 一往復の時間が変化する原因を調べよう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 34 表計算ソフトを使って結果をすばやく共有しよう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 35 9種類の水溶液の判別方法を話し合おう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 36 発光ダイオードと豆電球の電気消費量を比べよう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 外国語
- 37 レストランで食べ物を選んで注文しよう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 38 オリジナルのまちをつくって道案内をしよう
- [学年:5年生 難易度:★]
- 39 ものがどこにあるかを伝える動画をつくろう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 40 家でしているお手伝いについてインタビューをしよう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 41 ご当地当て3ヒントクイズをしよう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 42 住んでいるまちをプレゼンで紹介しよう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 43 将来の夢を写真と音声で紹介しよう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 道徳
- 44 いたずらをされたとらおの気持ちを考えよう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 45 きまりについてみんなで考えよう
- [学年:1年生 難易度:★★]
- 46 登場人物に対して批判的に考えよう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 47 自分の弱さに打ち克つための考え方を身につけよう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 図画工作
- 48 タブレットで見立てクイズを楽しもう
- [学年:1・2年生 難易度:★]
- 49 作品をタブレットで鑑賞しよう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 50 形を見つけて変身させよう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 51 アプリを使ってもようであそぼう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 音楽
- 52 リズムカードを使ってお祭りの音楽をつくろう
- [学年:2年生 難易度:★]
- 家庭科
- 53 物を生かして住みやすい環境を考えよう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 54 タイムラプスで食材の変化を確かめよう
- [学年:6年生 難易度:★]
- 生活
- 55 自分で撮った写真を生かして生き物の絵をかこう
- [学年:1年生 難易度:★★]
- 56 お手伝いの計画を立てよう
- [学年:1年生 難易度:★]
- 総合的な学習の時間
- 57 学習のまとめをドラマ制作でアウトプットしよう
- [学年:6年生 難易度:★★★]
- 体育
- 58 互いの動きを見合い台上前転を成功させよう
- [学年:3・4年生 難易度:★★]
- 59 ボールを落とさずつなぎ相手コートに打ち返そう
- [学年:5年生 難易度:★★]
- 60 病気を予防する方法について考えよう
- [学年:6年生 難易度:★★]
- 学級活動
- 61 ネットでの写真公開で気をつけることをまとめよう
- [学年:5・6年生 難易度:★]
- 特別支援教育
- 62 自分のことを紹介する動画をつくろう
- [学年:4・5・6年生 難易度:★]
- 63 「聞く」ことで内容を理解しよう
- [学年:全学年 難易度:★]
- 執筆者一覧
はじめに
「もっと授業でタブレット端末等のICT機器をうまく使いたい」「でもどこから取りかかればいいのかわからない」といった不安な思いの先生方が未だ多いのではないでしょうか。その不安解消の一手としてこんな本をつくってみました。その名も『はじめてでもうまくいく! 1人1台端末授業ガイド&アイデア』。ここ数年,ICT教育推進の先導的な役割の一翼を担ってきた熊本市からのプレゼンツです。
熊本市は,2019年全小学校の子ども3人に1台の割合でタブレット端末を配備しました。あれから約3年,熊本市の子どもたちにとってタブレット端末は身近な文房具の1つになりました。今では電子黒板やタブレット端末等は違和感なく教室の中に溶け込み,自然に活用されています。
文部科学省は2019年12月,5年計画でGIGAスクール構想を発表しました。小中学校1人1台端末の配備やICT環境の整備等の実現が主な内容です。
ところが2020年,新型コロナウイルス感染拡大の影響による学校の休校措置で,教育のICT化の必要性を国民の多くが痛感し,前倒しで進められることになりました。1人1台端末の整備スケジュールが加速したのです。熊本市も昨年度全小中学校に1人1台端末が実現しました。ICT支援員も増員し,教員研修も充実させながら,現在学校現場には積極的な活用をお願いしているところです。それでもやはり学校間には格差が生じています。ただ,多くの先生方のICT教育に向けての意識は確かに変わりつつあります。
今年に入ってすぐ,1年の算数授業を観る機会がありました。単元名「大きいかず」の買い物の授業場面です。1年の買い物の授業場面で使うものといったら普通は算数セットに入っている「模型のお金」になります。それを机の上で操作しながらお金の出し方を考える活動をします。ただ,次第に操作や考えることに飽きると音を立てながら模型のお金で遊ぶ子どもも出てきます。今回授業者である初任2年目の教師は,事前にタブレット端末の中の授業支援アプリ「MetaMoJi ClassRoom(メタモジ)」を使って,1円玉,5円玉,10円玉,50円玉の模型をそれぞれ10枚程度動かせるように置いたノートを準備しました。そして,まずはガム28円のお金の出し方を考えさせたのです。子どもたちからは「10円玉2枚と1円玉8枚」が出され,さらに「10円玉2枚と5円玉1枚と1円玉3枚」「5円玉5枚と1円玉3枚」などの考えが出てきました。メタモジだと操作の結果だけでなく操作している過程も教師のタブレット端末にてリアルタイムでモニタリングすることができ,電子黒板に子どもの考えを一度に映し出すことができます。操作のリセットも一瞬のうちにでき,片付けも簡単。お金が散らばることもありません。
1年の算数授業でさえ,こんなに変わるんだと実感させられました。この1つの事例をとっても,1人1台端末授業は,主体的・対話的で深い学びを実現するための授業づくりと決して無縁ではないことがわかります。むしろ促進するものであることを確信したのです。
本書は3章構成になっています。序章は「1人1台端末を効果的に活用するために」とし,はじめて挑戦する先生方に向けてのエールとともに端末活用の5つの機能について解説しています。また第1章は「1人1台端末授業を始める前に 不安解消のためのQ&A」として,質問内容を13項目に整理し,簡潔に答えました。さらに第2章は「はじめての1人1台端末授業 教科別実践アイデア」とし,国語13本,算数14本,社会5本,理科4本,道徳4本をはじめとする全教科計63本の実践を掲載することができました。
これからの学校教育において1人1台端末の取組は決して避けては通れません。まだ取り組めていない自治体の先生であってもぜひ本書を手にとり,意識だけでも高めておくことはできるのではないでしょうか。
最後になりましたが,この本を書く機会を与えていただき,また編集にご尽力いただいた明治図書の新井皓士氏には心より感謝申し上げます。
2021年7月 熊本市教育センター /宮本 博規
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- 明治図書
- 校内研修でGIGAを担当し、職員に広めるために役立たせていただきました。ICTの知識が増え、よかったです。2023/1/520代・中学校教員