- はじめに
- 1章 GIGAスクール構想で変える!1人1台端末の算数授業づくり
- 1 1人1台端末の算数授業モデル
- 6年「場合の数」
- @問題を提示する
- A問題を考える
- B全体で考えを交流する
- C子どものつぶやきから置き換える
- D考えを振り返る
- 5年「整数と小数」
- @問題を提示する
- A同じところや違うところをみつけよう
- Bなぜ42.195なのかを考えよう
- C考えを共有しよう
- D違う問題を考える
- E考えを振り返る
- 2 2本の授業モデルを徹底解説!
- @本校のタブレット端末環境
- A6年「場合の数」の実践解説
- B5年「整数と小数」の実践解説
- C2つの実践を通して
- 2章 算数が1人1台端末の授業を行いづらい6つの理由
- 1 なぜ「算数が1人1台端末の授業を行いづらい」と感じるのか
- 2 その@ 絶対解という存在
- @納得解ではなく絶対解
- A人に知られるということを恐れる
- 3 そのA 算数には洗練された表現がある
- @5つの表現
- Aタブレット端末独自な表現はあるのか
- 4 そのB アナログ教具がもうすでにある
- @デジタルではないアナログ教具という存在
- A自分はできるのか
- Bデジタルの限界
- Cデジタル上での操作
- 5 そのC 多様性を認めていない可能性
- @多様な考え
- A多様な考え,表現の仕方になっている!?
- B多様性を認めない環境
- 6 そのD 算数授業の進め方
- ◆算数授業の進め方を再考せよ
- 7 そのE 教師観が古い
- @アップデートしていますか
- A二項対立
- Bどうにかなってしまうという事実
- 3章 算数授業のここで使える!1人1台端末の有効な使い方
- 1 絶対解をうまく利用せよ
- @考えを共有する場面×納得解
- A考えを共有する場面×納得解の実践
- B「絶対解」が使えないわけではない
- 2 表現力が増す
- @言葉+タブレット端末の画像
- A説明をしている子どもたち
- B「相手意識」を取り入れた実践
- C情報活用能力を意識している
- D「情報」はどこから集めるのか
- E「情報」という言葉を使った実践
- F教師も「相手意識」を
- 3 教師観をアップデートせよ
- @アナログもデジタルもどちらも大事
- Aタブレット端末なし時代の実践
- Bタブレット端末ありで行うとしたら?
- C「子どものために」は危険な言葉かもしれない
- D“同じ”からの脱却を!
- EAI型ドリルは適切に使おう!
- F自力解決も“みんな同じ”からの脱却を!
- 4 デジタル教具とアナログ教具との共存
- @内容論と方法論を同時並行に考える
- Aアナログ教具ではなくデジタル教具
- B内容論と方法論を同時に作成したデジタル教具@
- Cデジタル教具A「位取り表」
- Dクラウドを使う
- Eタブレット端末を導入するとマイナスになる?
- F予想を超える子どもたち
- Gアナログ教具を使う場面
- 5 算数授業の進め方で意識していること
- @自分の算数授業を解体せよ
- A授業づくり2021
- Bめあてについて考えよう
- C多様な考えをどう扱うのか
- D教室環境を再考せよ
- Eスライド
- 4章 子どもたちが考える!1人1台端末の算数授業 9つの利点
- @場所・時間を問わずに取り組める
- A情報を送り合うことができる
- B自分が必要な画像や動画などのデータを蓄積することができる
- C自分の考え・動きを可視化することができる
- D友達の考えをすぐに知ることができる
- E子どもたち自身で考えを比較することができる
- F子どもたち自身で考えを整理することができる
- G子どもたち自身で考えを分析することができる
- H子どもたち自身で考えを構造化することができる
- 5章 実践!1人1台端末の算数授業最新アイデア
- 1 家庭学習と学校の授業のシームレス化を目指して
- パターン1 5年「整数と小数」
- パターン2 6年「文字と式」
- パターン3 家庭学習で動画をみる
- 2 デジタル振り返りの可能性
- @アイデア1デジタル振り返り
- Aアイデア2振り返りをAIテキストマイニングに
- 3 授業にちょっと一工夫
- @領域ごとにファイルを分けておく
- A学びタイム
- Bルーブリックづくり
- C1人1台タブレット端末の授業バージョンの一人ひとり違うめあて
- D小テスト
- E単元表を子どもたちに配付
- 参考・引用文献,サイト
- おわりに
はじめに
「自分が転勤して,1人1台端末がない環境になったら……」
そんなことを数年前から考えることがあります。
私は今の学校で採用されているので,基本的には転勤などはないですし,GIGAスクール構想によって,1人1台端末がない環境はほぼありません。はっきりといえることは,「1人1台端末がない環境には戻りたくない」ということです。
それほど「1人1台端末ありの授業」には,
・子どもが自分の考えを整理することができる
・子どもが自分の考えを深めることができる
・子どもが自分の考えを相手に伝えることができる
などの子どもの学びの速度があがるというメリットがあるからです。
でも,「1人1台端末ありの授業」が私自身スムーズに行えるようになるには,時間がかかりました。授業で自分の考えをみんなに発表する場では,「発表会のようになってはダメだ」と提案しておきながら,最初のころは単なる「発表会」になっていました。
本音では,算数が1番端末を授業に取り入れづらいと思っていました。しかし,試行錯誤をしていくなかで,「タブレット端末をどう使うのか」ではなく,「タブレット端末を使って授業をどう変えたいのか」という発想が大切であることに気づきました。本書では,この発想にいたるまでに考えてきたこと,さらに,この発想をもとに考えたこととして,
・なぜ算数授業で導入することが難しいと思ったのか
・算数授業における有効な使い方
・将来的な構想 について書いていきます。
本書が読者のみなさまの算数授業を「1人1台端末ありの算数授業」にアップデートするための一助になることを願っております。
2021年8月 /樋口 万太郎
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- 明治図書
- 子ども主体の算数の授業についてあれこれ研究中。活用しやすい。2023/12/2750代・小学校教員
- 時代の最先端を行く実践が具体的に学べて大変良かったです。2023/8/2640代・小学校管理職
- 一人1台端末の扱いについて分かりやすく、参考になりました。2022/1/2320代・小学校教員
- 具体的方策があり大変助かりました。理論も大事だが、すぐに使える方策も大事で、使いながら自クラスに、自分自身にカスタマイズされていくと、理論も実感できると思っています。2021/10/1740代・中学校教員