- はじめに
- Chapter1 子供の心をギュッとつかむ!導入で使える授業パーツ
- 3年
- 1 こんにちは。ぼくはヒロです。
- 2 元気? How are you?
- 3 体調や感情を表す表現
- 4 いくつ? How many?
- 5 I like…. 私が好きなのは…
- 6 I don’t like….
- 7 好きですか? Do you like…?
- 8 What… do you like?
- 9 私はH.K! 私はだ〜れ?
- 10 What do you want?
- 11 これな〜に? What’s this?
- 12 この人だ〜れ? Who is this?
- 4年
- 13 おはよう! Good morning.
- 14 天気はどう?
- 15 Let’s play dodgeball.
- 16 What day is it? 何曜日?
- 17 掘った芋いじるな? What time is it?
- 18 What time do you like?
- 19 〜を持っていますか?
- 20 What do you want?
- 21 What’s your favorite fruit?
- 22 ケリーを見つけよう!
- 23 What’s your favorite place?
- 24 私の一日
- 5年
- 25 How do you spell your name?
- 26 自己紹介をしてみよう!
- 27 誕生日は何月?
- 28 When is this event?
- 29 今日は何日? −序数(first, second…)の導入
- 30 あなたの誕生日はいつ?
- 31 何才ですか?
- 32 今日は何の教科がある?
- 33 何時に起きるの?
- 34 ○○は,〜ができるよ!
- 35 Where do you want to go?
- 36 Hot Coldゲームから道案内へ
- 37 What would you like?
- 38 ○○が得意です!
- 6年
- 39 自己紹介しよう
- 40 地域・日本を紹介!
- 41 食べ物と味
- 42 私の町を紹介します!
- 43 夏休みの過ごし方
- 44 何が見たい?
- 45 My Best Memory
- 46 将来の夢は?
- 47 中学校での夢を語ろう!
- Chapter2 楽しく理解が深まる!子供が熱中する展開の授業パーツ
- 3年
- 48 クラスのみんなと挨拶をしよう!
- 49 How are you?−I’m fine.
- 50 体調や感情を表す表現
- 51 同じ数,持っている友達を探そう
- 52 私の好きなもの!
- 53 みんなの好き嫌いはな〜に?
- 54 何回質問したら,当たるかな?
- 55 どんな○○が好きですか?
- 56 Hi. I’m H.K.
- 57 英語ゲーム「何が欲しい?」
- 58 これな〜に? What’s this?
- 59 この人だ〜れ? Who is this?
- 4年
- 60 好きなもの 好きじゃないもの
- 61 天気はどう? 何して遊ぶ?
- 62 何曜日が好きなのかな?
- 63 何時に起きるの?
- 64 児童熱中! 動物ゲーム!
- 65 What do you want?
- 66 あなたのお気に入りは?
- 67 学校案内
- 68 私の一日
- 5年
- 69 How do you spell your name?
- 70 自己紹介に慣れ親しもう!
- 71 誕生日はいつ?
- 72 世界の色々な行事
- 73 あなたの特別な日はいつ?
- 74 あなたは何才ですか?
- 75 これがあなたの理想の時間割だ!!
- 76 これが私の一日
- 77 ○○は,〜ができるよ!
- 78 Where do you want to go?
- 79 道案内をしてみよう
- 80 What would you like?
- 81 ○○が得意です!
- 6年
- 82 自己紹介しよう
- 83 地域・日本を紹介!
- 84 食べ物クイズを作ろう
- 85 私の町を紹介します!
- 86 My Summer Vacation
- 87 何をするか決めましょう!
- 88 My Best Memory
- 89 将来の夢は?
- 90 中学校での夢を語ろう!
- Chapter3 文字指導が楽しくできる!アルファベット導入の活動パーツ
- 91 アルファベット大文字の導入
- 92 アルファベット小文字の導入
- 93 アルファベット小文字の成り立ち
- 94 アルファベット大文字の成り立ち
- 95 アルファベットカルタ
- 96 アルファベット大文字・小文字ビンゴ
- 97 アルファベット神経衰弱
- 98 Who am I? スペリングクイズ
- 99 大文字の仲間分け
- 100 小文字の仲間分け
はじめに
昨年(2018年),『Small Talkで英語表現が身につく!小学生のためのすらすら英会話』(明治図書)を出版しました。この「すらすら英会話」はいわば,小学生に身に付けさせたい“ゴール”を示したものです。児童が学習を積んだ後に,このようなSmall Talk(対話)ができるようになっていてほしいと願う「基本表現集」になります。
本書では,そのゴールに向かっての基本表現の「楽しい導入・展開の活動(授業パーツ)」をご紹介します。短時間で基本表現をどのように導入し,どのような活動へと展開させていくのか,コンパクトかつより多くのアイデアを収録してご紹介しています。
基本的に,Small Talkを取り入れた授業では,@〜Bような学習過程が考えられます。
@基本表現の導入
↓
A基本表現の練習 (Let’s talk:言ってみよう)
↓
B基本表現の活用 (Let’s use:使ってみよう)
↓
Small Talk
Small Talkは,既習表現の定着と対話の継続を学ぶことを目的とし,理想は5年生で1分間,6年生で2分間の児童同士による対話ができることを目標とします。そのSmall Talkの部分が,拙著『Small Talkで英語表現が身につく!小学生のためのすらすら英会話』で示してあるところとなります。
本書は,それらSmall Talkに向かうための導入(@)と展開(A・B)の部分を扱います。
学習過程@基本表現の導入
ここでは,児童に目標言語への理解を促すことがねらいとなります。今日はどんな言語に触れるのか,どんなことを学ぶのかを理解させるところまでが「導入」となります。そのために,児童全員が興味を引くような「ネタ」が必要になります。どんなネタを持ってくるかで,児童の興味関心は大きく変わります。ある小学校では,シルエットクイズで「色」の導入で,児童を引きつけていました。
最初に「大根」のシルエットを見せ,児童にWhat’s this?と聞きます。元気のある児童たちは,「大根!」「ニンジン!」等と言ってきます。先生は,「Japanese radish!」と英語で言ってきた児童の発言を聞き取り,「Yes! Japanese radish. What color?」と聞きます。児童は「White!」と元気よく言います。そこで先生は,「Let’s look!」と言って大根の写真を提示します。そこに映されたのはなんと「紫色の大根」でした。児童は大変驚きます。次に,トマトのシルエットを見せます。その後の展開は想像できるでしょう。赤,黄,緑,紫のトマトの写真が出てきます。
この導入には,「意外性」があります。意外性は授業を楽しくさせます。また,導入と次に行う活動があまりにも離れていると,何のための導入かわかりませんので,できるだけ,次の活動につながる導入ネタがベストと言えるでしょう。
学習過程A基本表現の練習
ここでは,目標言語を使って,口頭による練習を促し,口慣れをする段階となります。基本表現を繰り返して言うインタビュー活動やゲーム,擬似的な話題を用いてのコミュニケーション活動,教師の後について繰り返すリピートなどが入ります。文科省教材の『Let’s Try!』や『We Can!』におけるLet’s playに当たる部分です。ここでのねらいは,英語の音声を繰り返し聞いたり言ったりして,語彙や表現に慣れ親しむことになります。
学習過程B基本表現の活用
ここでは,意味ある言語活動を目指し,より現実のコミュニケーションに近い形での言語使用を促します。よって,この活動では,「相手意識」を持たせ,「コミュニケーションを行う目的,場面,状況」を設定する視点が必要です。例えば,「好き・嫌い」を尋ねるインタビュー活動では,「自分との共通点を探そう」とし,コミュニケーションを行う目的を明らかにします。ただ何気なくインタビュー活動をさせるのではなく,その目的や場面,状況を設定した中で行う言語活動が,ここの部分になります。ねらいは,単元において慣れ親しんだ表現等を用いて,実際に自分の気持ちや考えなどを伝え合うことになります。
言語習得は,次のプロセスを踏むと言われています。インプットした目標言語に気づき,その意味を理解するところまでが導入ですので,練習・活用のパーツが,「内在化」にあたると考えます。
『図(省略)』
その後,「統合」という段階は,既習事項を繰り返し用いて,自己表現する場面と考え,小学校でいうところのSmall Talkが児童の言語習得の統合化を図っていると考えます。
まだまだ小学校英語は発展途上にあります。やらなくてはいけないことは山積みです。でも,先生方一人一人の力が結集すれば,その悩みもすぐに解消に向かいます。先生の御実践やアイデアを,どうかセミナーや学会等で御紹介下さい。そして過渡期の英語教育,共に楽しく頑張りましょう。
2019年2月 /瀧沢 広人
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