- まえがき
- 序章 今どきの子どもと保護者の現状と課題
- 小1プロブレム・中間反抗期への対応
- 1章 最高の教室をつくる学級づくりに向けて
- ガイダンスとカウンセリングは課題解決のための指導・援助の両輪
- 低学年の子どもが抱える現状と課題
- 低学年の子どもの実態
- 低学年の学級づくりの留意点
- 低学年の学級づくりのポイント
- 1年間の見通し
- スタートカリキュラムの例
- アプローチカリキュラムの例
- 2章 最高の教室をつくる8つのやまかんメソッド
- 1 児童理解の方法(見取り方)
- 2 ルールづくり
- 3 リレーションづくり
- 4 適切なトラブル解決・課題解決(集団の課題)
- 5 適切なトラブル解決・課題解決(個別の課題)
- 6 カウンセリングスキルの活用
- 7 ユニバーサルデザイン
- 8 保護者対応
- 3章 やまかんメソッドを生かした365日の学級経営
- 1学期の学級経営
- 4月
- [児童理解] “3つの目”と“3つのみる”で児童理解
- [ルールづくり] あいさつゲームでルールを覚えよう
- [リレーションづくり] 出会いの自己紹介エクササイズ
- [カウンセリング] 「しゃべらないでなかまあつめ」ゲーム
- 5月
- [リレーションづくり] ルールとリレーションの状態を確認しよう
- [トラブル解決(集団)] エンプティチェアで相手の気持ちに気付く
- [トラブル解決(個別)] カウンセリングを意識した叱り方
- [カウンセリング] 言い換えや明確化であいさつレベルアップ
- 6月
- [児童理解] 児童理解のおすすめ「聴く」
- [ルールづくり] ルールを尊重して「ききかたはかせ」になろう
- [トラブル解決(集団)] 仲直りしたいときのロールプレイ
- [保護者対応] 知って得する個別相談の仕方
- 7月
- [児童理解] いじめ指導で児童理解
- [ユニバーサルデザイン] いじめ予防にサイコエデュケーションを活用しよう
- [カウンセリング] 自分もよく相手もよい気持ちの伝え方
- [保護者対応] エンカウンターで信頼関係を築く懇談会
- 2学期の学級経営
- 8月
- [トラブル解決(個別)] 夏休みミニ研修会@子ども同士のけんかへの対応
- [カウンセリング] 夏休みミニ研修会Aロールプレイの基本技法
- [ユニバーサルデザイン] 学びにくい子への合理的配慮のアイディア
- [保護者対応] 夏休みミニ研修会B個別面談レベルアップ
- 9月
- [児童理解] 「ひと夏の経験202〇」を通しての児童理解
- [ルールづくり] ルールを知って「つたえかためいじん」になろう
- [リレーションづくり] 「ウォンテッド=この人をさがせ」ゲーム
- [ユニバーサルデザイン] 対人関係における困難さへの援助
- 10月
- [ルールづくり] 「これはいじめでしょうか」認識のずれからいじめを知る
- [トラブル解決(集団)] 不快な気持ちの適切な伝え方を学ぼう
- [カウンセリング] ミラー法で「なかよしミラー」ゲーム
- [保護者対応] 保護者から理解を得るような連絡の手順
- 11月
- [児童理解] 中間反抗期を意識した多面的な児童理解
- [リレーションづくり] よさに気付く「よいところメッセージ」
- [トラブル解決(集団)] いじめを生まない「仲間はずれ」ロールプレイ
- [トラブル解決(個別)] 「感情を伴った振り返り」で感情のコントロール
- 12月
- [ルールづくり] 「規範」と「規範意識」のおさえ
- [トラブル解決(個別)] 課題解決「一対一のけんか」ゲーム
- [ユニバーサルデザイン] 「みんなでしんぱいごとをなくそう」ロールプレイ
- [保護者対応] 懇談会でのおすすめエクササイズ
- 3学期の学級経営
- 1月
- [児童理解] 気を付けたいハロー効果とラベリング効果
- [ルールづくり] 小・中グループでのルールづくりアラカルト
- [リレーションづくり] ちょっとかしこい「たのみかためいじん」になろう
- [ユニバーサルデザイン] 様々な場での配慮・援助
- 2月
- [トラブル解決(集団)] 「協力」の仕方を学ぶ掃除当番
- [トラブル解決(個別)] 「嫌な気持ちの伝え方」ゲーム
- [ユニバーサルデザイン] 「心のメモリで伝えよう」エクササイズ
- [保護者対応] 苦戦する子についての相談に答えるために知っておくこと
- 3月
- [リレーションづくり] 「さようならのはなたば」ゲーム
- [トラブル解決(個別)] Iメッセージで不快の気持ちをはっきり伝えよう
- [トラブル解決(個別)] 「いろいろな悩み」解決ロールプレイ
- [カウンセリング] 「わたしは○○です」文章完成法で自己開示
- 参考・引用文献一覧
- あとがき
まえがき
『八巻寛治 365日の学級づくり』は,著者が民間企業(銀行員)や教諭,社会教育主事として勤務し,学んだり,実践したりしてきた約40年間の取り組みを学級づくりという視点でまとめたものです。
これまで約40年の間に,カウンセリングの技法やエンカウンター,心ほぐしミニゲームなどを中心に,セミナーや研修会などで年平均30〜40回,計500を超える講座を担当してきました。書籍等では,学級経営,特別活動,人間関係づくりなどを中心に,月刊誌で2000本超,単行本で60冊,分担執筆を含めると100冊を超える書籍にかかわらせていただき,売上は38万部を超えています。
その経験を生かし,若手からベテランまで使える本として提案できるものをまとめました。手にしていただいた皆様には心から感謝申し上げます。
東日本大震災を契機に
2011年3月11日,未曾有の被害をもたらした東日本大震災。東日本を襲った地震と巨大津波により尊い命が多く失われました。
筆者は仙台市に住み,勤務地が海沿いであったこともあり,揺れの影響も大きかったですが,津波の恐怖を今でも忘れられません。
全国の本当に多くの皆様方からご支援をいただき,まだまだこれからのところもありますが,復旧・復興に向かって前進しています。その御礼に,心のケアに関する研修会等で全国を回らせていただきました。その関係もあって,落ち着くまでは単行本の依頼をお断りすることにしました。
そして震災から10年目の今年,全国に被災地支援の御礼の研修に伺うたびに,学級づくりや人間関係づくり,今までにない子どもの姿(実態)や親の意識のずれ,同僚との人間関係など,学校・学級における多岐にわたる課題に対応できる本の必要性を感じ,この本を発刊することにしました。
ガイダンスとカウンセリングをベースにしたやまかんメソッド
本書では,筆者が特に重要と考える8つのメソッドを月ごとに4項目,48事例を紹介しています。
@児童理解の方法(見取り方)
Aルールづくり
Bリレーションづくり
C適切なトラブル解決・課題解決(集団の課題)
D適切なトラブル解決・課題解決(個別の課題)
Eカウンセリングスキルの活用
Fユニバーサルデザイン
G保護者対応
低学年・中学年・高学年の3冊に分けているのは,それぞれの発達課題や特徴的な傾向の違いに合わせたいと思ったからです。
低学年は,1年生の小1プロブレム,2年生の中間反抗期。
中学年は,9歳・10歳の壁,小4ビハインド。
高学年は,思春期対応,過剰適応やピアプレッシャーなど高学年男女の指導・援助。
1,2章で最近の子どもたちの理解の仕方や課題対応例を,3章では月ごとの指導事例を紹介しています。学年ごとですが,内容によっては他の学年でも活用できるものもあります。全国の学校で,教師も子どもも笑顔いっぱいになることを願っています。
2020年1月 /八巻 寛治
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- 明治図書