英語授業の「個別最適な学び」と「協働的な学び」
小・中学校の授業アイデア36

英語授業の「個別最適な学び」と「協働的な学び」小・中学校の授業アイデア36

BEST300

好評2刷

クラス全員のための授業から、子供一人一人のための授業へ

「個別最適な学び」「協働的な学び」を一体的に実現する小学校外国語活動・外国語科と中学校外国語科の授業づくりの詳しい解説と、5領域と技能統合に分けた36もの具体的な事例を収録。指導の個別化、学習の個性化を踏まえた子供主体の英語授業づくりがわかります。


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PDF
ISBN:
978-4-18-352425-6
ジャンル:
外国語・英語
刊行:
2刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年11月22日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
本書の特長と構成
第1章 「個別最適な学び」と「協働的な学び」
1 育成すべき資質・能力とは
2 「個別最適な学び」と「協働的な学び」とは
第2章 「個別最適な学び」を実現する英語授業のポイント
1 英語における「個別最適な学び」の考え方
2 「個別最適な学び」の具体例
3 「個別最適な学び」の学習評価の在り方
第3章 「協働的な学び」を実現する英語授業のポイント
1 英語における「協働的な学び」の考え方
2 「協働的な学び」の具体例
3 「協働的な学び」の学習評価の在り方
第4章 「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する英語授業のポイント
1 英語における「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化の考え方
2 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化の具体例
3 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化の学習評価の在り方
第5章 小学校 「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する授業アイデア
個別最適な学び
1 [聞くこと]3年 アルファベットをしっかり聞き取ろう
2 [読むこと]5年 よく聞いて英語の音声と文字をマッチングしよう
3 [話すこと[や]]4年 何曜日が好きか尋ねたり答えたりする言い方に慣れよう
4 [話すこと[発]]5年 自分の町を紹介しよう
5 [書くこと]6年 ダウトを探そう
6 [技能統合]6年 世界の魅力を発見しよう
協働的な学び
7 [聞くこと]4年 どんな料理?食べ物?よく聞いて考えよう
8 [読むこと]6年 思いをこめたメッセージを伝え合い,読み合おう
9 [話すこと[や]]3年 クイズ大会をしよう
10 [話すこと[発]]6年 将来の夢を発表しよう
11 [書くこと]5年 私のヒーローにピッタリの表現を探そう
12 [技能統合]5年 Our town is nice!
個別最適な学びと協働的な学び
13 [聞くこと]3年 目的をもって聞き,工夫して考えよう
14 [読むこと]5年 よく聞き,よく見て,文字に慣れ親しもう
15 [話すこと[や]]4年 時刻を尋ねたり答えたりする言い方に慣れよう
16 [話すこと[発]]4年 学校内の好きな場所を紹介しよう
17 [書くこと]6年 感謝の気持ちを届けよう
18 [技能統合]5年 劇的!ビフォーアフター
第6章 中学校 「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する授業アイデア
個別最適な学び
1 [聞くこと]1年 聞き取った場面を想像してみよう
2 [読むこと]2年 なりきりステップアップ・リーディングをしよう
3 [話すこと[や]]3年 グループディスカッションをしよう
4 [話すこと[発]]1年 場面や状況を伝えよう
5 [書くこと]2年 メールを書こう
6 [技能統合]3年 電話のメッセージを伝えよう
協働的な学び
7 [聞くこと]1年 スピーチを聞き,ALTのプロフィールポスターを作ろう
8 [読むこと]2年 英文を読んで,ペープサートで表現してみよう
9 [話すこと[や]]3年 誰一人取り残さない!防災・減災に取り組もう
10 [話すこと[発]]1年 世界の友達に日本を紹介しよう
11 [書くこと]2年 読み手を意識して書こう
12 [技能統合]3年 ポスターセッションをしよう
個別最適な学びと協働的な学び
13 [聞くこと]1年 冬休みの思い出を聞き取ろう
14 [読むこと]2年 グループで物語文を読もう
15 [話すこと[や]]3年 ご当地限定を提案しよう
16 [話すこと[発]]1年 一人一人のできることを合わせ,持続可能な社会を作ろう
17 [書くこと]2年 Webページを作成しよう
18 [技能統合]3年 ALTを紹介する記事を書こう

はじめに

 教師は多忙である。勤務時間外の膨大な仕事量。帰宅後も仕事は続く。異常である。その証左は昨今の教師のなり手不足に表れる。これを解消する術は給与体系を変えるだけでは対処療法に過ぎず,完治までには至らない。

 私は常々考えている。それは,今を遡ること約35年前の話である。中学校卒業時の10段階評価が1から9までの生徒が揃う高校で,私が教えていた時の話である。これほどの学力差は小中学校とほぼ変わらない。当初は教科書や問題集を用いた一斉学習を行っていたが一向に学力の向上は見られず,1年程で止めた。それは,一斉学習の意味を見いだせなかったからである。そこで2年目からは,学力に合わせた問題プリントを数種類用意し,解答方法も生徒に自分の学力に合わせて答えさせた(例えば,単語で答える,文で答える,文章で答えるなど)。また,基礎基本が定着していない生徒を原学級から抜き出し,促進学級として基礎から指導した。その後,学力の向上が見られた場合にのみ原学級に戻すシステムである。まさに,「個別最適な学び」の先駆けであり,アナログの「個別最適な学び」である。これにより,生徒の学力も英語に対する興味関心も向上させることができた。

 加えて,教師の精神的な負担や,生徒自らが積極的に学習に取り組むことによって仕事量も格段に減らすことができた。昨今,授業はアナログからデジタルに移行する時代となり,まさに「個別最適な学び」と「協働的な学び」は教師の仕事量を減らす完治療法にもなり得る。

 是非本書を参考に,児童生徒にも教員にもウィンウィンの授業改革に取り組んでいただきたい。これはコペルニクス的転回である。また,大学等で教員養成を担う先生方にも必読の一冊である。多くの方は,「個別最適な学び」について,未だに一斉授業の中で,教員が机間指導を繰り返し,児童生徒一人一人に支援をすることだと思っている。そうではないことを本書で是非確認いただきたい。


  2023年9月   /菅 正隆

著者紹介

菅 正隆(かん まさたか)著書を検索»

大阪城南女子短期大学学長・教授,大阪樟蔭女子大学名誉教授。岩手県北上市生まれ。大阪外国語大学卒業後,大阪府立高等学校教諭,大阪府教育委員会指導主事,大阪府教育センター主任指導主事,文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官,大阪樟蔭女子大学教授を経て,2022年4月より現職。文部科学省教科調査官時代,日本初の小学校外国語活動導入の立役者。英語授業研究学会理事,一般社団法人「日本SDGs協会」理事,一般社団法人「日本プログラミング検定協会」理事。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      2023/10/1340代・中学校教員
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