- イントロダクション
- あそびを通して,国語力を高めよう /瀧澤 真
- 内容別 短時間でパッとできる国語あそび
- 言葉あそび
- 並べ替えて言葉を見つけよう!何が隠れているかな?(ひらがなVer.)
- 並べ替えて言葉を見つけよう!何が隠れているかな?(カタカナVer.)
- 音を言葉で表そう!それってどんな音
- 友だちと力を合わせてしりとりしよう!ゴリラをバナナに
- 1つの言葉からたくさん言葉を集めよう!連想ゲーム
- 間の言葉を考えてつないでいこう!とびとびしりとり
- 感情を表す擬音語を探そう!喜怒哀楽別オノマトペコレクション
- この言葉から想像を広げよう!オノマトペゲーム
- 言葉と笑いのセンスを磨こう!ダジャレ王座決定戦
- 言葉の意味と読みのベストミックスを考えよう!本物よりぴったりなルビ
- なぞかけを楽しもう!○○とかけて△△と解く。その心は?
- 同じ意味を3種類の言葉で表そう!和語・漢語・外来語クイズ
- 観察力,表現力,即興力を磨こう!写真にピッタリひと言グランプリ
- いろいろな文の構成に親しもう!重文・複文・短文カードじゃんけん
- スピーチ・インタビュー
- 2つから選択して理由を言おう!究極の2択スピーチ
- 阿吽の呼吸で話をつなごう!一心同体スピーチ
- スピーチの内容に合わせて体を動かそう!アクティブスピーチ
- 全文を読まずに文章の中身を伝えよう!全部言わないスピーチ
- 聞いている人を笑わせよう!絶対に笑ってはいけないスピーチ
- 工夫してわかってもらおう!外国の人に日本のことをスピーチ
- 新しい友だちのことをたくさん知ろう!5W1Hプラス3インタビュー
- 友だちにじゃんじゃん質問してみよう!○○さんに突撃インタビュー
- 身近なものになりきって質問に答えよう!ものの気持ちインタビュー
- グループで協力してつなげよう!つなげてインタビュー
- 公式発表ではない真相を追求しよう!真相を追求せよインタビュー
- みんなでポジティブ思考になろう!学級の守り人インタビュー
- 話合い・トーク
- 3つのヒントから連想しよう!宝箱の中身はなあに?
- 2つのものを比べてみよう!違いはなあに,一緒はなあに?
- 順番のきまりを見つけよう!これってどんな順番?
- 中身も言葉もつなげながら話をしよう!しりとりトーク
- いろんな視点の質問から答えを考えよう!10ヒントゲーム
- 楽しい話のセンスを磨こう!ラッキーボタン
- 楽しく話をつなげよう!合いの手トーク
- OKワードが出るようにトークしよう!OKワードでトークタイム
- カードに書かれた接続語に続けて話をしよう!つなぎ言葉につなげよう
- 同じ意見にならないように発表しよう!感想かぶっちゃダメよ
- 理由を考えてピンチを切り抜けよう!ピンチ脱出ゲーム
- みんなで合意できるように話し合おう!コンセンサスゲーム
- 即興で物語をつくってつなごう!あたかも読書
- 互いを認め合いながらキーワードを言おう!相反するものトーク
- 作文
- 短文をつくって動作化を楽しもう!くじ引き作文ミッション
- 九九が散りばめられた作文を書こう!九九がいっぱいお話づくり
- 表情や動きを文章で伝えよう!まねっこ台本リレー
- どんな絵をかいたのか説明しよう!お絵かき説明作文
- 何かになりきって自分のことを説明しよう!わたしはだれでしょう?
- どんなふうに見つけたか伝えよう!なぞなぞの答えを探る作文
- 結果から原因を想像しよう!原因はなあに?
- 文章に隠された暗号を見つけよう!隠された言葉を探せ
- サイコロの言葉を使って上手にお話をつくろう!サイコロ作文
- 全部を見せなくても伝わるように書こう!伏字作文
- 決められた言葉をうまく使おう!単語指定×時間制限短作文
- 短時間で魅力的な物語をつくろう!インスタント起承転結
- おいしいとこだけ要約して伝えよう!要するに,こうなのだ
- 日記
- すごい自分を描こう!都合のいい未来日記
- 色彩語を使って日記を書こう!今日は何色日記
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- 古典の言葉に親しもう!昔の表現日記
- 漢字
- へんやつくりを組み合わせて漢字をつくろう!漢字たし算(単漢字Ver.)
- バラバラになった漢字で熟語をつくろう!漢字たし算(熟語Ver.)
- できるだけたくさん見つけよう!隠れた漢字探し
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- 身近なもので漢字をつくろう!文房具で漢字づくり
- この漢字,これでいいの?漢字ダウト
- 漢字で目標を端的に表そう!漢字でめあてづくり
- サイコロを転がして漢字をゲットしよう!サイコロ漢字タワー対決
- 漢字の成り立ちを意識しよう!漢字の成り立ちサイコロ勝負
- 画数を意識し,熟語に慣れよう!○画の漢字の熟語じゃんけん勝負
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- 約数になっている漢字を見つけよう!漢字約分クイズ
- どんな意味なのか予想し合おう!創作漢字クイズ
- どんな意味なのか予想し合おう!創作漢字熟語クイズ
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- どんな意味なのか予想しよう!難解漢字クイズ
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- 日記,作文を素敵な詩に変身させよう!日記,作文から詩作
- みんなでみんなの詩をつくろう!五感を使ってみんなで創作
- 空欄にどんな言葉が入るか予想しよう!どんな言葉が入るかな?(詩Ver.)
- 空欄にどんな言葉が入るか予想しよう!どんな言葉が入るかな?(俳句Ver.)
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- 説明文から見出し語を当てよう!逆引きゲーム
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イントロダクション
あそびを通して,国語力を高めよう
千葉県袖ケ浦市立蔵波小学校 /瀧澤 真
1.学習にあそびを取り入れよう
授業で子どもの目を輝かせたい。
そう思う先生は多いでしょう。
そのために教材研究をし,子どもの知的好奇心を刺激するような授業を目指す。それ自体はとても大切なことです。しかし多忙な毎日で,そんな質の高い授業をいつも展開するのは,容易なことではありません。
もう少し手軽に,子どもたちのやる気を喚起する方法はないでしょうか。
子どもたちが目を輝かせるといって思い浮かぶのは,ゲームなどで遊んで いるときの姿です。そこで,こうしたあそびの要素を学習に入れると,比較的容易に子どもの目を輝かせることができます。
それはそうだけど,学習はもっと真剣に取り組むもの。あそびを取り入れるのはいかがなものか…。そんなふうに思う方は,少々頭が固いかもしれません。今やゲームは社会的課題に役立つものとしての側面が注目されています。こうしたゲームを,「シリアスゲーム」といいます。
例えば,医療の分野で,リハビリを行う際に,ゲームを効果的に使うのです。リハビリは単調で,時には辛いこともあります。しかし,リハビリの動きにつながるようなゲームをすることで,楽しく運動に取り組めるようにしようということです。つまり,夢中でゲームに取り組むうちに,体の動きに必要な筋肉がついてくるのです。
教育分野でもこうしたゲームが開発されてきていますが,教室で行うパズルやクイズでも同じような効果が得られます。子どもは学校で行うこうしたあそびが大好きで,学級レクなどで行うと大変喜びます。ですから,あそびを授業で効果的に使えば,シリアスゲーム同様に,子どものやる気を高めつつ,学力を身につけさせることができるのです。ただし,そのためには,そのあそびを通してどんな学力を身につけさせるのかに教師が自覚的である必要があります。
2.本書の効果的な使い方
そこで本書では,各あそびの冒頭に,「ねらい」を明記しています。
例えば,「和語・漢語・外来語クイズ」(p.34)のねらいは,「同じことを表していても語感やイメージが異なることを知る」です。ですから,楽しく遊んでいる途中に子どもたちから,「同じ意味なのにイメージが違う」というような感想が聞かれたら,すかさずそれを押さえておくことが大切です。ただし,通常の学習のように,まとめとして板書するようでは興ざめしてしまうので注意しましょう。
また,各あそびの最後には「ポイント」もしくは「プラスα」を示しています。「ポイント」は効果的に進めるために気をつけたいことを述べています。ぜひ参考にしてください。また,「プラスα」は,アレンジ方法について述べています。取組に対し子どもたちが興味をもったら,ぜひとも「プラスα」にも取り組んでください。
3.こんな場面で使ってみよう
では本書は,どのような場面で活用できるでしょうか。
本書で取り上げているあそびは,長くても20分程度でできるものです。ですから,国語の授業でパッと短時間で取り組むというのが,基本の使い方になります。授業の冒頭で取り組むだけで,子どもたちが国語の時間を楽しみに待つようになるでしょう。
これだけでも十分に有効なのですが,多少アレンジを加えていくこともできます。
例えば,授業の冒頭で継続的に使うという方法もあります。言葉あそびの1つとして,「何が隠れているかな?(ひらがなVer.)」(p.12)という,ひらがなを並べ替えて言葉をつくるあそびを紹介しています。このあそびを,1年生の授業の冒頭で継続的に行います。すると,あそびながらひらがなの復習や語彙学習ができます。
それから,1時間丸ごと使うという方法もあります。例えば,「外国の人に日本のことをスピーチ」(p.50)というあそびは15分でできるものです。しかし書いたものを班で交流し,さらに代表者に学級全体の前で発表してもらうようにすると,1時間の授業全部使って行うことになります。
さらに,数時間の単元にすることも可能です。例えば,「どんな言葉が入るかな(詩Ver.)」(p.188)は詩のいくつかの言葉を空欄にしておき,そこに入る言葉を想像するあそびです。このクイズを,詩集をたくさん用意し,子どもたち自身につくらせます。そして,つくった問題をお互いに出し合ったり,図書室に掲示したりするような単元にすることができます。
このように,様々なアレンジが可能です。ぜひとも,学級の実態に合わせて工夫してみてください。
また,メインは国語授業ですが,学級活動でも活用できます。例えば,作文あそびで取り上げている「わたしはだれでしょう?」(p.100)は,何かになりきって書く作文です。何になりきっているのかは書かないので,正解をクイズ形式で予想することになります。この作文を書くのは国語の時間で,その活用は学級レクで行うことができます。レクで発表するという目的のある場面を設定することで,より積極的に参加する子どもも多いことでしょう。
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- 明治図書