- はじめに
- Chapter1 子どもが熱中する「中学公民」教材研究と授業ネタ開発 成功のポイント
- 1 ネタを用いた授業デザイン
- 2 ネタを用いると授業がこう変わる!
- 3 授業ネタの良し悪し
- 4 学びのデザイン
- コラム@ 授業ネタの分類
- Chapter2 見方・考え方を鍛える!学びを深める「現代社会」授業ネタ
- 1 大阪・関西万博から見える日本の未来社会
- 2 生成AIは学校で利用可能か?
- 3 内なる国際化 ―多文化共生に向けて―
- 4 「母になるなら流山市」「高齢者にも優しいまちづくり大東市」
- 5 「食」から現代社会を捉えよう
- 6 東北三大祭りの共通点を探せ!
- 7 『崖の上のポニョ』の聖地を題材とした授業開き
- 8 ひょうたん島問題を効率と公正の視点で解決せよ!
- 9 現代社会を捉えるメガネ ―きまりやしくみを見る目を養おう―
- 10 校則変更を校長先生や生徒指導部に提案しよう!
- コラムA 「わかるネタ」のポイント
- Chapter3 見方・考え方を鍛える!学びを深める「政治」授業ネタ
- 1 ランチのお店を決めよう
- 2 『檻の中のライオン』から考える民主主義と人権
- 3 日本国憲法はいかにして制定されたか
- 4 「見えない障がい」って何?(平等権)
- 5 トランスジェンダー選手の競技参加論争を分析しよう
- 6 「東大女子」の不遇とは?
- 7 映画・小説から考えるハンセン病患者への差別
- 8 差別防止委員会 ―マイクロアグレッションを打ち破れ!―
- 9 ストライキをしたメジャー球団がある?(社会権)
- 10 映画『THE WAVEウェイブ』と民主主義
- 11 VS ChatGPT! ―フェイクニュースを撃退せよ!―
- 12 国会ゲーミング・シミュレーション
- 13 司法制度改革 ―イメージマップで問題点と対策を整理しよう―
- 14 町長に意見文を送ろう!
- 15 「令和の大合併」はある?ない?トゥールミンモデルで意見表明!
- コラムB 「深めるネタ」のポイント
- Chapter4 見方・考え方を鍛える!学びを深める「経済」授業ネタ
- 1 モノの価格ってどう決まる?
- 2 スタバとファミマから考える流通
- 3 消費者被害と政府の取り組み ―こんにゃくゼリー裁判―
- 4 資産運用をシミュレーション!
- 5 電卓から考える独占と寡占
- 6 物々交換ゲームで貨幣と金融の役割を学ぶ
- 7 バラエティあふれる○○休暇
- 8 令和版「労働十権」を考えてみよう
- 9 ジョブ型雇用は日本人を幸せにするのだろうか?
- 10 江戸商人の家訓と CSR(企業の社会的責任)
- 11 うちの町のコミュニティバス,どうする?
- 12 人生サバイバル! ―社会保障と民間保険―
- 13 大阪・関西万博の費用は,だれが負担する?
- 14 借金1000兆円以上!? 日本は財政出動,金融緩和は続けるべき?
- 15 「ナッジ」で校内の課題を解決しよう!
- コラムC 「活用ネタ」のポイント
- Chapter5 見方・考え方を鍛える!学びを深める「国際」授業ネタ
- 1 戦争の原因を分類しよう!
- 2 国際連合の機関,どれがいちばん大切だろう?
- 3 学びを深める!修学旅行で平和学習 ―広島を例に―
- 4 日本は核兵器禁止条約に批准すべき?日本は核共有を進めるべき?
- 5 幸せ探偵団 ―ブータンの謎を追え!―
- 6 地球温暖化問題はなぜ深刻なのか?
- 7 ディベートしてみよう! ―日本は今後もガソリン車の製造を続けるべき?―
- 8 森林を減少させている身近なモノ
- 9 「現代奴隷法」から人権を考える
- 10 社会的課題の解決策を提案しよう!(SDGs)
- おわりに
はじめに
社会が大きく変化していく昨今,授業に求められるものも変わってきています。例えば,インターネットや SNS,AI などの普及により,何かを知っているだけではほとんど意味がない状況になっています。また,様々な面で多様性が認められはじめ,学びの多様性も重視されるようになってきました。さらに,ICT 環境が整えられ,授業でも多く用いられるようになりました。
このように,様々なことが変化している中で,我々の授業もアップデートが求められています。ICT を駆使し,何かを「知る」だけでなく,多様な学びを認めながら,他者との協働を通して理解し,それを活用し,発信していく授業が求められています。
しかし,様々な変化はありますが,授業に求められる本質は変わりません。例えば,次のようなことです。
1 授業に求められる本質
@ 学びたくなる 〈学びの入り口の保障〉
どれだけ学問的に優れた内容でも,子どもに必要な内容でも,子どもが「学びたい」,「学ぼう」と思わなければ,学びは成立しません。子どもが「学びたい」と思うような「しかけ」を用意し,子どもを「学びの入り口」へ誘います。
A 全員が参加できる 〈学びの平等性の保障〉
一部の子どもにしかわからないことや答えられない問いや活動は,子どもの学力差を増加させ,わからない子の学ぶ権利を保障していません。学力を必要としない問いや活動から授業を組み立てることで,全員が授業に参加できるようにして,学びの平等性を保障します。
B 力をつける 〈学びの出口の保障〉
子どもが「学びたい」と思い,全員が参加できる授業でも,力がつかなければ意味がありません。授業者がねらいを持ち,授業のゴールを意識することで,学びの出口を保障します。
2 本書の特徴
@ すぐ使える授業ネタが盛りだくさん
本書は,授業ですぐに使える授業ネタを50載せています。ほぼすべての単元を網羅していますので,必要なところからご活用ください。
A 単なるおもしろネタではなく,力をつけるネタを厳選
「学びたくなる」のはもちろん,力をつけるネタを厳選しています。内容がわかるためのネタだけでなく,学びが深まるネタ,見方・考え方を鍛えて活用するためのネタなど,多様なネタを用意しました。
B 授業のアップデートに役立つネタ満載
教師がクイズ形式で紹介するようなネタにとどまらず,探究するためのネタや,課題を解決するネタ,発信するネタなどが満載です。本書のネタを参考にし,実践していただくことで,授業のアップデートにつながります。
本書では,1章でネタを用いた授業のポイントを解説し,2章以降で授業ネタを紹介しています。必要なところから読んでいただき,ご活用ください。日々の授業に苦心される方の一助となれば幸いです。
/梶谷 真弘
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- 明治図書
- 教材研究や授業展開などを考えるうえで参考になった。2024/8/2930代・中学校管理職
- 最初に授業デザインについての解説が示されているのが、毎時間の授業の展開を考える上でイメージしやすくなった。2024/8/1040代・中学校教員