- イントロダクション
- あそびは,楽しくなければいけません /俵原 正仁
- 第1章 場面別でパッと使える学級あそび
- 学級開き(1年)
- 幼稚園でがんばっていたことを披露しよう! けん玉チャレンジ
- 小学校の大きな運動場で思いっきり遊ぼう! 学校探検にプラスワン
- 絵と一緒にあいさつしよう! お絵かき自己紹介
- 宝物を集めよう! じゃんけんカード集め
- 同じものを選んだ友だちとグループをつくろう! 仲間を探そうゲーム
- 学級開き(2年)
- クイズ形式で自己紹介をしよう! はじめまして○×クイズ
- 友だちにたくさん質問しよう! ペアの友だち紹介
- サインをもらって仲良くなろう! 友だちビンゴ
- オリエンテーション(生活/1年)
- 気持ちのいい1日のスタートを切ろう! あいさつできたらハイタッチ
- 全クリを目指そう! 朝の支度ゲーム
- 行きたくなくてもみんなで行こう! 電車トイレごっこ
- お手紙渡しの練習をしよう! お手紙リレー
- オリエンテーション(生活/2年)
- 自分の健康状態を伝えよう! ひと言健康宣言
- 授業と休みをしっかり切り替えよう! 着席カウントダウン
- 廊下はぬき足さし足で進もう! 忍者歩き
- オリエンテーション(学習/1年)
- まずは人の話をしっかり聞こう! よい聞き方「あいうえお」
- みんなが聞きやすい話し方をしよう! 話し方3ステップ
- 鉛筆の正しい持ち方を覚えよう! 手の指3兄弟
- 開いたら折り目をつけよう! 教科書アイロン
- オリエンテーション(学習/2年)
- 真似することから始めよう! まねっこノート
- 先生のところまで届くかな? 声のテスト
- お互いの考えや意見を受け入れよう! サインごっこ
- 遠足・校外学習(バスレク)
- まずは楽しい雰囲気をつくろう! いろいろじゃんけん
- 頭の準備運動をしよう! ラッキーセブン
- 運転手さんのことを教えてもらおう! 運転手さんクイズ
- 楽しく歌って車酔いをやっつけよう! ぶるんぶるんぶるん
- 朝の会・帰りの会
- おやつになりきり体全体で表現しよう! 3時のおやつは?
- 頭を使って判断し体を使って表現しよう! ある?ない?
- ユーモアあふれるお話をしよう! ダウトスピーチ
- ぴったり7人になる質問を考えよう! ラッキーセブンクエスチョン
- 教室レク(1学期)
- 友だちの輪を広げよう! わたしはだれ?
- 拍手でクラスの一体感を高めよう! 拍手で仲良し
- 集中して言葉を聞こう! 聞き取り名人
- 指示についてこれるかな? 覚えて動いて
- 体育館レク(1学期)
- だれとでも組めるようになろう! 仲間集めゲーム
- チームに貢献する喜びを味わおう! ドンじゃんけん
- つかまえたらじゃんけんしよう! 2人じゃんけん鬼
- チームで協力して耐えよう! 大根抜き
- 外レク(1学期)
- たくさんの人と仲良くなろう! 友だち集まれ
- いろいろな形を試してみよう! 影絵づくり
- 自分だけの場所を見つけよう! お気に入りスポット探し
- 勢いをつけて思い切り跳ぼう! 川跳び
- 誕生日・記念日
- 誕生日の人のことを知ろう! ○○さんクイズ
- 誕生日の人のことをもっと知ろう! ○○さんビンゴ
- みんなで協力して見つけ出そう! 宝探しゲーム!
- オンライン・ICT
- 上手にかけないことを楽しもう! タブレット絵しりとり
- 声を出さずに伝えよう! なんて言っている?
- みんなで協力してたくさん見つけよう! ○文字集め競争
- 互いを認め合えるチームをつくろう! ほめほめ大会
- 教室にいたまま旅行に行こう! キャンプファイヤー
- 他学級・異学年交流
- 他のクラスの友だちと仲良くなろう! じゃんけん自己紹介
- 協力して言葉を集めよう! 食べ物の言葉集め選手権
- 指で合図を送って集まろう! 誕生月で集合
- 2学期リスタート
- 間違いを笑い飛ばそう! 1・2・3
- 即興リズムバトルに挑戦しよう! 動物ラップ
- 学級目標を3回唱えよう! 復活の呪文鬼ごっこ
- 教室レク(2・3学期)
- 指先の運動をしよう! 細長切り競争
- クラスの心を1つにしよう! そろえて仲良し
- 表現力と連帯感を高めよう! ポーズ合わせ
- 友だちの口の動きをよく見よう! 口パクリレー
- 時間の感覚をつかもう! 目指せピタリ賞
- チームワークで差をつけよう! 空き缶積み競争
- 体育館レク(2・3学期)
- 体を大きく使って運動しよう! 両足着地グリコじゃんけん
- まわりをよく見て逃げよう,攻めよう! しっぽ取り
- 友だちと一緒に心と体を解放しよう! なりきり新聞紙
- 力を合わせて友だちを守ろう! 王様ドッジボール
- 楽しく動きながら心を解放しよう! 進化じゃんけん
- チームワークでより早く渡そう! 島渡しリレー
- 外レク(2・3学期)
- 思い切り遠くまで飛ばそう! 靴飛ばし
- 間違えずに素早くしっぽを取ろう! 3色しっぽ取り
- 身近な場所の素敵なものを探そう! 素材集め
- しっかり跳んで,しっかり走ろう! 長縄ランニング
- 学校の一番を見つけよう! ○○小学校ギネス探し
- 季節のいろいろな生き物を見つけよう! 秋探し
- 3学期リスタート
- 避けて,避けて,地球を守ろう! 宇宙人ビーム
- パートナーを自由自在に動かしてみよう! 粘土人間
- 復活したり,分裂したりで絆を深めよう! バイバイじゃんけん列車
- 学級おさめ
- 1年間の出来事を振り返ろう! スピード並べ替え
- みんなのがんばりを振り返ろう! クラスのがんばりクイズ
- 思い出の写真から未来のがんばりを考えよう! なーんの写真だ?
- 第2章 短時間でパッとできる教科あそび
- 国語(1年)
- 楽しみながら字のポイントをつかもう! ひらがな間違い探し
- 友だちのことをよく知ろう! ペアトーク&友だち紹介
- だれが生き残るかな? 漢字サバイバル
- 正しく書けるかな? 先生日記
- 国語(2年)
- 言葉とイメージをつなげよう! ワードウルフ・ジェスチャー
- リズムよく言葉を繰り返そう! たんぽぽゲーム
- オノマトペに親しもう! 小野まとべい
- 比喩表現に親しもう! ネクタイ,イカみたい
- 算数
- なんで先生はいつも勝てるの? 恐怖の21
- 先に12時に戻るのはどっち? 時計じゃんけん
- 出やすい数はいくつ? たし算ビンゴ
- 図形を見る目を豊かにしよう! 正方形探し
- 生活
- 色水を違う色に変身させよう! アサガオで色水あそび
- 風に乗ってどこまで飛ぶかな? ススキ飛ばし
- 写真を手がかりに探検しよう! ここは学校のどこ?
- 音楽
- サッと片づけて次の活動に移ろう! 楽しく待てるお片づけ
- 拍を感じてみんなの動きを真似しよう! まねっこリレー
- 和音の違いを聴き分けよう! ドミソでパン!
- 図画工作
- 2つの絵,どっちが勝つのかな? 表裏カードバトル
- 題名と作品をつなげて考えよう! あの絵やこの絵のお名前は?
- 開いたときの絵の変化を楽しもう! 折って,開いて,変身お絵かき
- 体育
- 2人1組で楽しく跳んでみよう! 跳び越しくぐり
- その場で運動神経を鍛えよう! グーパーチェンジ
- 楽しく跳んでリズム感を鍛えよう! リズムジャンプ
- 素早く動いて相手をつかまえよう! 1対1の背中タッチ
イントロダクション
あそびは,楽しくなければいけません
兵庫県芦屋市立山手小学校 俵原 正仁
1.授業時間にあそぶ
私は子どものころ,休み時間に行う全員参加の「クラスあそび」が嫌いでした。「なんで貴重な休み時間に,やりたくもないバナナ鬼なんかをしないとあかんのや。そんなことより,自分は砂場でトンネル堀りをしたい!」というような子どもだったのです。嫌々行うあそびが楽しいはずありません。
ということで,教師になってからも,私から「クラスあそびをしよう」と提案したことはありません。子どもたちから「休み時間にクラスあそびをしたい」という意見が出てきたときも,「いろいろと理由があるかもしれないから,クラスあそびに行かない子がいても無理に誘ったりせずに,そのことを認めてあげてください」とよく言っていました。全員一律に強制されると楽しいものも楽しくなくなります。あそびは楽しくなければいけません。
ただし,同じ「クラスあそび」でも,授業時間に行う場合は話が変わってきます。「授業時間は勉強をしないといけない」という強制から解放されるというスペシャルな付加価値が加わることで,なんか楽しさが倍増します。嫌々行っていたバナナ鬼でさえ,「いっちょやったるか!」という気分になってしまうのです。休み時間or授業時間,いつ行うかで,自分が興味のないあそびに対する子どもたちの意欲は大きく変わってきます。
ちょっと難し気な話になりますが,幼児教育において,あそびは幼児期の成長や発達を促す活動として重要視されています。そして,小学校の学習指導要領では,幼児教育との連携の強化が謳われています。つまり,低学年はあそびを教育活動に位置づけるという名目で,授業中にたくさんあそぶことができるということです。比較的,授業時数にも余裕がありますしね。
2.みんなで何かをする楽しさを味わわせる
あそびは楽しくなければいけません。では,楽しければそれでいいのでしょうか? 私は,それでいいと思います。というのも,私は,「楽しさ」そのものに教育的価値があると考えているからです。ひと口に「楽しさ」といっても,いろいろな楽しさがあります。「友だちの悪口を言って楽しむ」というようなマイナス的な楽しみは決して許してはいけませんが,子どもたちの成長のために意図的に味わわせたい楽しさがいくつもあります。
例えば,「1人よりみんなで何かをする楽しさ」です。「全力を出し切る楽しさ」です。「『このクラスでよかったな』という楽しさ」です。「『またやりたいな』という楽しさ」です。「『次はこれしたいな』という楽しさ」です。「『自分ってなかなかやるやん』という楽しさ」です。「『あいつってなかなかやるやん』という楽しさ」です。「リーダーシップをとる楽しさ」です。「パートナーシップを発揮する楽しさ」です。「人に楽しんでもらう楽しさ」です。このような「楽しさ」を意識して,あそびを仕組んでいきます。
子どもに今ひとつ元気がないなと感じたら「全力を出し切る楽しさ」になりますし,4月当初なら「『このクラスでよかったな』という楽しさ」になります。学校に来づらい子がクラスにいたとき,「『自分ってなかなかやるやん』という楽しさ」「『あいつってなかなかやるやん』という楽しさ」を味わわせるため,その子の得意なあそびを学級全体で行ったこともありました。
クラスの実態や時期によって,重要視する楽しさは違ってくるのですが,低学年,特に1年生を担任したときにまず意識する楽しさはいつも同じです。
それは,「1人よりみんなで何かをする楽しさ」です。この時期の子どもたちは,まだ自己中心的な傾向が強く,集団あそびより,1人あそびや1対1のあそびを好みます。だからこそ,この時期に「1人よりみんなで何かをする楽しさ」を思う存分味わわせる必要があるのです。ありがたいことに,低学年の子どもたちは,担任の先生のことが大好きです。そして,素直です。担任の先生に言われたことは,一生懸命がんばろうとします。それが,楽しいあそびなら,なおさらです。思いっきり楽しいあそびを教師が仕組んで,みんなで何かをする楽しさを味わわせてください。
3.楽しんでいる子をほめまくる
やる気満々で自己肯定感が高い低学年は,ほめられることが大好きです。そして,その効果は絶大です。ほめることで,子どもたちのやる気はさらにアップします。ほめて,ほめて,ほめまくってください。
「こんなのできるんだ。すごいね!」
「ナイスキャッチ!」
「うわぁ〜,百田くん,足速いね。追いつかないよ!」
まずは,あそびの中で目についた子どもの動きを脊髄反射的にほめていけばよいのですが,それだけだと,どうしても「できたこと」「うまくいったこと」に対する評価に偏りがちです。
しかし,クラスの中にはうまくできない子もいるはずです。ほめて,ほめて,ほめまくるというのは,そのような子もほめるということです。あそびは楽しくなければいけません。ということは,楽しければ,うまくできていなくてもよいのです。「楽しそうにあそんでいるかどうか」という観点でも子どもたちをほめてください。
「高城さんは,いつも楽しそうにあそんでいるね!」
「ゲームで負けても,『楽しかった』と言っていた佐々木さんはすごい!」
これらの教師の言葉は,素直な低学年の子どもたちの心にスッと入っていくはずです。
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- 明治図書
- 短い時間ですぐにできるゲームが沢山紹介されているため、使いやすかったです。2022/7/1020代・小学校教員